【2022年取材まとめ/前編】商品企画・開発、販路、顧客対応、受注処理、物流、ECシステム

この1年、多くの事業者さんと支援事業者さんにインタビューさせていただきました。ご協力いただいた皆さん、お忙しい中ありがとうございます。私からは2022年に取材させていただいた支援事業者さんの記事を、「商品企画・開発」「販路」「顧客対応」「受注処理」「物流」「ECシステム」の6つのテーマに触れながらご紹介させていただきます。

まとめるテーマの兼ね合いですべての記事をご紹介することはできませんが、年末年始にお時間の許す限りご覧いただけますと幸いです。

商品企画・開発

商品は「オリジナル商品」「型番商品」の大きく2つに分けることができると思います。どちらの商品を扱うかで販売戦略が変わってきます。

「型番商品」を扱うならリサーチツールは必須

「型番商品」といえば、昨年に自転車グッズのキアーロを運営する佐々木さんにインタビューさせていただきました。その佐々木さんに、今年はコラムを寄稿いただいています。コラムの中で、「型番商品」を扱っている事業者さんは、自社より安い販売価格に過剰に反応しがちであることを指摘されています。

商品の売れ行きが悪くなったとき、原因が価格ではなく市場全体でその商品が売れていないことも多いので、慌てて値下げをしてはいけないというのです。販売価格を冷静に決定するため、自転車グッズのキアーロではリサーチツールでデータを取りながら検証しています。

リサーチツールといってもさまざまなものがあります。Yahoo!ショッピングやヤフオク!、Amazonの市場動向を知りたい方は、「オークファンプロPlus」がオススメです。オークファンさんが提供されているリサーチツールで、月額11,000円(税込)から利用でき、契約期間に縛りがないため、試してみやすいと思います。

「オリジナル商品」の開発に、国内の工場という選択肢

「オリジナル商品」の開発にあたって、コストの観点から海外の工場に依頼する企業が多かったのですが、コロナ禍の影響で国内の工場に依頼が増えているようです。

【国内の工場に依頼が増えている理由】
・ロックダウンによる工場の稼働停止
・コンテナ不足や国際輸送費の高騰
・物価上昇および円安の影響により海外の人件費が高騰

これを機に国内の工場に注目していただきたいとSynaBizさんに、縫製工場とジュエリー工場をご紹介いただき、コマースピックにて工場見学をしました。工場選びの参考になれば幸いです。

販路

さまざまな販路がありますが、楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングといったモールに出店されている事業者さんは、各モールの動向を踏まえたうえで対応していく必要があります。

変化が大きいYahoo!ショッピングに注目

今年の10月にYahoo!ショッピングとPayPayモールが統合したことは、出店をされている、または検討されている事業者さんにとって大きなニュースではないでしょうか。特に、メーカー企業が今Yahoo!ショッピングに注力しているとCARTA COMMUNICATIONSさんは言います。その理由について、聞かせていただきました。また、新生Yahoo!ショッピングのリアルな動向について、ヤフーさんとセミナーを開催されています。そのアーカイブ動画と合わせてご覧いただければと思います。

https://www.commercepick.com/archives/26882

来年の3月から「LINE・Yahoo! JAPAN・PayPay マイレージ」も始まります。Yahoo!ショッピングの今後に期待です。

拡大するふるさと納税市場の課題と対応策

ふるさと納税は今や一次産業者にとって欠かせない販路の一つになったのではないでしょうか。しかし、寄附額を増やすため”小売り”のように競争が激化している側面もあるとイミューの黒田さんは警鐘を鳴らします。自治体がふるさと納税により歳入を増やした次のステップに、寄附金に依存しない、継続的に地域経済を活性化させる仕組みづくりをすることが理想的だというのです。その取り組みについて、事例を交えてお話しいただいております。

海外のモールはShopeeがアツい?

人口が減少し、可処分所得も停滞している日本では、トップラインを伸ばそうと思ってもいずれ頭打ちとなります。そのため、国内のシェアをある程度とった後は海外販売を視野に入れる事業者さんも少なくありません。

タンスのゲンさんも海外販売に挑戦するということで、今年の10月から進捗をTwitterにて報告しています。「#100日で結果が分かる海外販売」というハッシュタグで見ることができます。

とはいえ、海外販売は非常に難しく、成功事例もあまり多くないです。そんな中、東南アジア・台湾で最大規模のECモール「Shopee」が注目されています。ダブルイレブンのセールでは、日本の事業者さんの注文数が通常時よりも約10倍も増えたそうです。

Shopeeの担当者さんにインタビューさせていただいたところ、特に国内のモールでうまくいっている事業者さんは、Shopeeでもうまくいきやすいと言います。Shopeeは初期費用や月額費用がかからず、販売手数料と決済手数料のみのため、出店のハードルが非常に低いです。また、2020年7月に日本法人を設立し、サポートに力を入れているため、海外販売に挑戦したいと思っている方は検討してみるといいでしょう。

ここ最近、Shopeeに関する問い合わせが増えているとのことで、アジア圏を中心に事業者の海外展開を熟知しているスターフィールドさんが、新たにShopeeの出店・運営支援のサービスを展開されています。スターフィールドさんは、創業から10年以上、越境ECに携わっていますので、Shopeeに限らず、補助金の活用をはじめ、いろいろと相談に乗ってくれると思います。

顧客対応

トップラインを増やすために海外販売とはいうものの、結果が出るまでに3年はかかると言われています。そのため、目下LTVの向上に力を入れている事業者さんが増えているのではないでしょうか。特に顧客対応は直接お客様と接点を持てる機会であるため、見直したいところです。顧客対応がいかに重要なのかは、ライフェックスさんとイマクリエさんの対談記事からわかると思います。

ロボットと人で役割を分担

ライブコマースやインフルエンサーマーケティングのような販促手法によって、大きな売上が瞬間的に立つ可能性が増えました。特に顧客対応におけるインバウンド業務は販売数の増減に伴う人員配置やコストを抑えることのバランスは難しいため、ロボットを活用することが大事だとECAIを提供するバイモソフトの野田さんは話します。その分、ロボットだとできないことを人はやるべきでしょう。

具体的にはアウトバウンドや、熱狂的ファン作りがあげられます。それぞれイングリウッドさん、Channel Corporationさん& Appify Technologiesさんに語っていただいておりますので、ご覧いただけますと幸いです。

受注処理

出荷指示はWMSで7割削減できる!?

受注処理のボトルネックになりやすい出荷指示。WMSなどのシステムを導入することで7割ぐらい削減できるとフューチャー・コミュニケーションズさんは言います。WMSの選び方やオススメのシステムについてもご紹介いただいたので、導入や移行にあたって参考にしてみてください。

残り3割の業務をRPAツールで補う

WMSを導入したとしても3割ぐらいは人力での対応が必要です。その場合、RPAツールにより、少しでも負荷を減らすことができます。どのようなツールかは、RPAツール「オークファンロボ」を提供しているオークファンさんのインタビュー記事をご覧いただければと思います。

物流

物流業務の自動化にあたって注意すべき点とは

顧客対応、受注処理と自動化の重要性について触れてきました。物流業務も同様に自動化が注目されています。しかし、必ずしも自動化が最適でない場合もあるでしょう。Shopify専用の発送代行・物流代行サービス「スピードロジ」を提供しているトランスコスモスさんの事例を踏まえた解説がわかりやすいです。

リバースロジスティクスにも注目

自動化以外でいうとリバースロジスティクスも話題になっています。消費者から生産者へと向かう物流のことを指します。返品や試着といったサービスを提供している場合が該当します。事業者さんにどういったメリットがあるかは、お試し購入機能「har try(ハルトライ)」を提供するharさんのインタビュー記事をご覧いただくのが良いでしょう。

ECシステム

ECサイトのリニューアルで成功するためには

ECサイトを立ち上げて一定期間経つと、事業の成長や消費者行動の変化などの理由から、サイトリニューアルを検討される事業者さんもいらっしゃると思います。場合によっては、ECシステムのリプレイスが必要になってくることもあるかもしれません。ECサイトのリニューアルを成功させる秘訣について、フューチャーショップさんにお聞きしたので、参考にしてみてください。

既存のECシステムの拡張性・カスタマイズ性を高める方法

ECシステムのリプレイスは時間もお金もかかってしまいます。久さんが提供するECコネクターというサービスを利用すれば、ECシステムをリプレイスしなくても外部のシステム連携で対応できるかもしれません。今、利用しているECシステムの拡張性・カスタマイズ性を高めたいとお考えの方は話を聞いてみてはいかがでしょうか。

最後に

「商品企画・開発」「販路」「顧客対応」「受注処理」「物流」「ECシステム」の6つのテーマに触れながら、支援事業者さんのインタビュー記事をまとめさせていただきました。事業者さんインタビューに関しては、舟本がまとめております。2022年12月30日に掲載予定ですので、合わせて読んでいただけますと幸いです。

1年間、コマースピックをご覧いただき、ありがとうございました。2023年もよろしくお願いいたします。

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