
2024年も残すところわずかとなりました。今年も、EC業界は多くの変化があり、皆さまもさまざまな挑戦があった一年だったのではないでしょうか。この一年を通じて、多くの企業様からお話を伺う機会がありました。今回の記事では、2024年に行ったインタビューの中から事業者様にお話を伺った記事に焦点を当てて、記事の概要とポイントを振り返っていきます。年末年始にお時間がございましたら、元の記事をご覧いただき、来年へのヒントを見つけるきっかけとなれば幸いです。どうぞ最後までお楽しみください。
この記事の目次
- 1 2024年事業者インタビュー一挙ご紹介
- 1.1 楽天市場の成功から自社ECサイト強化へ—Myuが描くライブコマース時代の新戦略
- 1.2 失敗を糧にしたBIGWINGの挑戦!自社ブランドと輸入販売で切り拓くアウトドア市場
- 1.3 月桂冠、自社ECサイトで顧客体験を深化—限定商品とギフト対応でファン獲得
- 1.4 YouTube連携でネイル用品販売を拡大—SARURU PROJECTのファンベース戦略
- 1.5 豊洲漁商産直市場、電話・FAX受注からECサイト導入で売上1.5倍に—水産業界のDX成功事例
- 1.6 SNSでのバズからブランド成長、そして終焉へ—BELLE MACARONの軌跡とこじみく氏の新たな挑戦
- 1.7 ECサイトで地域密着型サービスを実現—大川家具のエリア限定販売戦略
- 1.8 タマチャンショップが築く新たな価値:こだわりの商品開発と顧客との共創コミュニティ
- 1.9 顧客との誠実な向き合いで定期継続率80%超を実現—Me+のヘアケアブランド戦略
- 1.10 ペットの延命を願う!ECで国内初の専門機器販売拡大を狙う日本バイオテクノファーマ
- 2 最後に
2024年事業者インタビュー一挙ご紹介
楽天市場の成功から自社ECサイト強化へ—Myuが描くライブコマース時代の新戦略
レディースファッションブランド「Myu」は、楽天市場での成功を背景に、2024年11月、自社ECサイトを刷新しました。新たなプラットフォームとして「SHOPLINE」を採用し、ライブコマースやSNSを活用した顧客との直接的なコミュニケーションを強化しています。これにより、ブランドの世界観をより深く伝え、ファンとの関係性を深化させることを目指しています。また、ライブ配信を通じて商品発売前から顧客の意見を取り入れるなど、参加型の販売戦略を展開しています。
失敗を糧にしたBIGWINGの挑戦!自社ブランドと輸入販売で切り拓くアウトドア市場
キャンプ用品の輸入販売を軸にスタートした株式会社ビッグウイングは、自社ブランド「asobito」の展開で新たな可能性を広げています。当初は卸売業に注力していましたが、自社ECサイトでの直販を強化することで、顧客との関係構築と収益の多角化を実現しました。広告運用の失敗を経て、ECサイトの改善や限定商品の開発に取り組み、成長への道を模索。さらに、LINE公式アカウントを活用した顧客データの収集やコミュニケーションを通じて、リピート購入を促進する戦略が成果を上げています。本記事では、課題を乗り越えながらアウトドア市場で独自の地位を築く、同社の取り組みを深掘りしています。
月桂冠、自社ECサイトで顧客体験を深化—限定商品とギフト対応でファン獲得
日本酒メーカーの月桂冠株式会社は、2000年に楽天市場へ出店しオンライン販売を開始しました。その後、2015年に自社ECサイトを立ち上げ、顧客との直接的な関係構築を目指しています。自社サイトでは、ギフト包装の充実や会員ランク制度を導入し、特別な体験を提供。また、限定商品の販売や顧客参加型のプロジェクト「Gekkeikan Studio」を展開し、ブランドの魅力を発信しています。これらの取り組みにより、楽天市場と同程度の売上規模を達成し、顧客ロイヤリティの向上に成功しています。
YouTube連携でネイル用品販売を拡大—SARURU PROJECTのファンベース戦略
SARURU PROJECT Online Shopは、家庭でネイルを楽しむユーザー向けにネイル用品を販売しています。専属ネイリストの「あわちゃん先生」は、YouTubeチャンネル「セルフネイルスタジオあわちゃんねる」を通じて、ネイルのハウツーや商品の紹介を行い、オンラインサロンでファンとの交流を深めています。動画配信を先行させたことで、ECサイト立ち上げ前から集客に成功し、ファンとの密なコミュニケーションが売上拡大につながっています。本記事では、SARURU PROJECTの運営元である有限会社SARURU企画の大林氏と、あわちゃん先生へのインタビューを通じて、ファンとの関係構築やYouTubeとECサイトの連携による成功事例を紹介しています。
豊洲漁商産直市場、電話・FAX受注からECサイト導入で売上1.5倍に—水産業界のDX成功事例
株式会社豊洲漁商産直市場は、全国の漁港から鮮魚を入荷し、飲食店などに卸売を行う企業です。従来は電話やFAXでの受注が中心でしたが、業務アプリ構築クラウドサービス「kintone」とBtoB EC・Web受発注システム「Bカート」を活用し、DXを推進しました。新たな基幹システムとECサイトの導入により、客単価は1.2倍、売上規模は1.5倍に増加。水産業特有の商習慣やルールに対応しつつ、業務効率化と売上向上を実現した同社の取り組みを、代表取締役の長野泰昌氏、常務取締役の平沼秀之氏、システム開発会社カラビナテクノロジー株式会社の丸山智大氏へのインタビューを通じて紹介しています。
SNSでのバズからブランド成長、そして終焉へ—BELLE MACARONの軌跡とこじみく氏の新たな挑戦
女性向け下着ブランド「BELLE MACARON(ベルマカロン)」は、代表の小島未紅氏(通称:こじみく氏)のSNS発信を通じて急成長しました。特にX(旧Twitter)での情報発信が功を奏し、ブランドの認知度とファン層を拡大。しかし、2024年6月30日にブランドの販売を終了する決断を下しました。本記事では、ブランド立ち上げから成長、そして終了に至るまでの経緯や、こじみく氏が新たに執行役員を務める「CHARM MAKE BODY(チャーメイクボディ)」での取り組みについて、紹介しています。
ECサイトで地域密着型サービスを実現—大川家具のエリア限定販売戦略
埼玉県を中心に実店舗を展開する大川家具は、地域密着型の家具・インテリア専門店として知られています。同社のECサイトも、実店舗同様に販売・配送エリアを埼玉などの特定地域に限定しています。これは、大型家具の配送や組み立てに伴う高額な配送料を抑え、質の高いアフターサポートを提供するための戦略です。さらに、修理アフターサービスや出張採寸サービス、家具移動サービスなど、地域限定だからこそ可能なきめ細やかなサービスを展開しています。これらの取り組みにより、ECサイトと実店舗の相乗効果を生み出し、顧客満足度の向上と新規顧客の獲得に成功しています。
タマチャンショップが築く新たな価値:こだわりの商品開発と顧客との共創コミュニティ
宮崎県都城市に本拠地を置く自然食品店「タマチャンショップ」は、健康食品やコスメなど500種類以上のオリジナル商品を展開しています。代表取締役の田中耕太郎氏は、「ニッポンのおかあちゃんになりたい」というコンセプトのもと、健康・美容にフォーカスした美味しい商品作りを重視。また、2022年にはコミュニティサイト「タマリバ」を立ち上げ、顧客との共創を推進しています。本記事では、田中氏へのインタビューを通じて、商品開発やブランディングのこだわり、そして顧客との関係構築に向けた新たな取り組みについて詳しく紹介しています。
顧客との誠実な向き合いで定期継続率80%超を実現—Me+のヘアケアブランド戦略
大人の頭皮・毛髪専門ブランド「Me+(ミープラス)」は、白髪染めシャンプーやトリートメントを中心に展開し、2018年のブランド立ち上げ以来、定期販売で高い継続率を維持しています。代表の龍野真樹氏は、商品の品質に徹底的にこだわり、試作品を70以上作成するなど、商品開発に時間をかけてきました。また、セルフケア商品の特性上、正しい使用方法を顧客に伝えるため、同梱物や動画での丁寧な説明を提供。少人数での運営ながら、顧客対応や配送において誠実な姿勢を貫き、顧客からの信頼を獲得しています。さらに、クラウドファンディングやWeb広告を活用し、認知拡大と新規顧客の獲得にも成功しています。
ペットの延命を願う!ECで国内初の専門機器販売拡大を狙う日本バイオテクノファーマ
日本バイオテクノファーマ株式会社は、ヒト用医薬品や医療機器の分野で多くの実績を持つ企業です。新たに動物用デジタル聴診器「WITHaPET」を開発し、ペットの健康管理市場に参入しました。この製品は、AIによる分析で犬の心臓病のステージを判断し、早期発見と予防に役立ちます。同社は初のECサイト「Well-Being」を立ち上げ、D2Cモデルでの販売を開始。物流業務は、医療機器の取り扱いに対応した富士ロジテックに委託し、効率的な運営体制を構築しています。また、SNSやインフルエンサーを活用したマーケティング戦略を展開し、製品の認知拡大を図っています。
最後に
2024年も残りわずかとなり、振り返ると多くの企業様に支えられた一年だったことを改めて実感しています。本年は、多くの事業者様に貴重なお時間をいただき、インタビューやお話を通じて、業界の新たな可能性や課題に触れることができました。そのおかげで、読者の皆様にも有益な情報をお届けできたことを心より感謝申し上げます。
特に、さまざまな成功事例やチャレンジを共有してくださった企業様には、深く感謝しております。皆様の取り組みが、EC業界全体の発展を牽引し、私たちの学びの場を広げてくれました。
来年も引き続き、EC事業者の皆様とともに成長し、価値ある情報を発信できるよう、努力を重ねてまいります。
コマースピックは本記事がアップされた12月27日が年内最後の更新日です。年明けは1月6日から更新が始まります。改めて、今年一年のご愛顧とご協力に心よりお礼申し上げるとともに、2025年がさらに飛躍の年となるようお祈り申し上げます。
どうぞ良いお年をお迎えください。
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