ECモールで売上が頭打ち?経験を活かしてできる販路拡大の新提案
インタビューの概要

楽天市場などのECモールを中心に運営している事業者は売上が頭打ちになると、次なる一手として自社ECサイトの立ち上げ・強化を検討することがあるかと思います。しかし、ECモールとは求められる知識やノウハウが異なるため、苦戦を強いられることが多いようです。今回は海外販売(特に東南アジア・台湾へ)のポテンシャルとECモールに近い運営スタイルで販路を拡大する方法について、東南アジアの代表的なECモール「Shopee」の日本法人であるショッピージャパン株式会社(以下、ショッピージャパン)に伺いました。

東南アジア最大規模のECモール「Shopee(ショッピー)」とは

――Shopeeを利用すれば、海外展開が簡単にできるとのことですが、具体的にはどういったサービスなのでしょうか?

ショッピージャパン:Shopeeは東南アジア・台湾で最大規模のECモールです。日本からはシンガポール、台湾、タイ、マレーシア、フィリピンへ販売できます。

楽天市場やYahoo!ショッピングといった日本のECモールと同様に、モール内に店舗を構えて商品を販売していただきます。セールや特集などのイベントにご参加いただいたり、モール内の広告を活用して販促を行ったりと、日本のECモールに近い感覚で店舗運営ができるという声をいただくことが多いです。

東南アジアのポテンシャルが高い3つの理由

――ECの領域で新たに販路を拡大する上で、海外への販売、特に東南アジアのポテンシャルが高い理由をお聞かせいただけますか?

ショッピージャパン:他の地域と比べて東南アジアが魅力的な市場である理由は主に3つあります。

増加を続ける人口

ショッピージャパン:まず人口についてです。日本では昨年と比べて子供の数が25万人減と発表され、イーロン・マスク氏が「出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ存在しなくなるだろう」とコメントしたのは最近のニュースとして象徴的なものでした。

東南アジア主要6カ国と呼ばれるシンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、ベトナムは、合わせて5.9億人と単純計算で日本の5倍のマーケットボリュームになると考えられます。また、低いと思われがちな東南アジアのインターネット普及率は75%と、4.5億人が日常的にインターネットを利用する環境にいるのです。

特に日本とは年齢別の人口構成比が大きく異なります。日本では65歳以下の人口が72%であることに対して、東南アジアの場合は65歳以下が93%を占めています。つまり、若年層が多く、消費のボリュームゾーンに打ち出しやすいということなのです。現段階では越境ECの選択肢としてアメリカやヨーロッパが盛り上がっていますが、東南アジアは今後間違いなく伸びる市場として注目していただきたいです。

EC市場の成長率

ショッピージャパン:次にEC市場の成長率についてです。東南アジアではこの1年で+62%と目覚ましい成長を遂げました。また、予測として、今後4年かけて毎年+18%のペースで市場が拡大するといわれています(出典:e-conomy sea 2021)。この予測通り成長を続けると、4年後には今の倍近い市場へと発展するでしょう。

5年、10年先には今の規模からは想像がつかないくらい東南アジアの市場は変わっていくと思います。まだまだ先行者利益が期待できる環境なのです。

輸入品に対する意識の違い

ショッピージャパン:輸入依存度というGDP(国内総生産)に対して輸入額の割合を示す指標があります。低ければ低いほど輸入品への依存度が低いのですが、この割合が日本では30%程度です。一方でシンガポールは約200%と、輸入品に頼っている文化が根強いことがわかります。

日本では生産国が違う同じような商品が並んでいると、日本産の商品が手に取られやすいと思います。しかし、日常的に輸入品に触れることの多い国では、海外産の商品であっても違和感を持たれることなく選ばれています。また、シンガポールや台湾では、日本の文化や商品に対して良い印象を持っている消費者が多いです。

東南アジアで何を売る?

――人口・市場の成長性や異なる国の商品への抵抗のなさなど、東南アジアのポテンシャルを感じられました。では、どういった商品がShopeeで特に人気になりやすいのでしょうか?

ショッピージャパン:Shopeeの日本法人が発足してから約2年経ちましたが、当初から美容コスメやヘアケア系の商品は人気がありました。特に化粧水や洗顔といった基礎化粧品は人気があります。コスメが人気なことと共通する要素かと思いますが、日本の衛生状況はポジティブに捉えられているため、ベビー用品も人気です。

他のカテゴリでは、調味料やお菓子などの食品、お茶やインスタント系の飲料品をはじめ、アニメやゲームのような日本のポップカルチャーも人気です。また、台湾では日本と電圧が同じこともあり、美容家電や調理家電もよく売れています。

現地で売れる商品の共通点

――売れる商品の幅が広いように感じましたが、そこに共通点はあるのでしょうか?

ショッピージャパン:売れている商品に共通しているのは質の高さではないでしょうか。また、売れている傾向としては店頭で購入されていたインバウンド需要の高い商品がECでも延長して買われている印象です。商品選定はインバウンド需要を意識いただくと反響を呼びやすいかと思います。具体的には、免税店に置いてあるようなお土産系の商品や高級化粧品であったり、抹茶を使ったお菓子だったりが想像しやすいのではないでしょうか。

加えて、現地の消費者が購入する理由に日本産の商品の衛生環境は重要に関わっています。ベビー用品の売れ行きが良いのもその一例です。商品の魅力を打ち出す上で、衛生面や商品の安全性は日本産であることで説得力を持つポイントといえるでしょう。

越境ECの不安要素とは

出店費用と送料

――進出すべき理由や売れやすい商品の傾向についてお話を伺いました。実際にShopeeに出店をする場合、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?

ショッピージャパン:契約にかかる費用など初期費用は無料です。売れることで販売手数料の3%と決済手数料の2%の計5%が売上に対して発生します。店舗の維持費や出品手数料はかからないため、売上が立つまで費用が発生することは原則ございません。また、アカウント登録から90日間は販売手数料が無料なので、出店から約3ヶ月は売上の2%の費用で運用可能です。

気になる物流・配送費については、商品ページから見ると基本的に送料が販売価格に含まれて表示される仕様になっています。そのため、お客様が購入を検討する際に送料を意識しないのです。そうはいっても実費として海外配送に伴う費用は発生するため、Shopeeから物流サポート費として販売先の国に応じて注文ごとに送料の支援を提供しています。

販売価格と物価

――全体的なコストでは日本国内のECモールと変わらない、もしくはより少ない負担で運用できそうです。商品価格についてはいかがでしょうか?送料が価格に含まれるため、物価の差により現地の方が受け入れづらい価格になることも考えられると思います。

ショッピージャパン:セラーによって価格の設定は様々です。日本での販売価格に合わせていれば、そうでないこともあります。ただし、物価の差により日本では安い商品でも東南アジアではそうではなくなることがあるため、セット販売をするなど売り方で工夫しているセラーは多いでしょう。

そこで日本からの販売先として最もオススメなのがシンガポールです。東南アジアで最も世帯収入が高く、日本人に近い金銭感覚で買い物をする人が多いです。また、ショッピージャパンとして最初に対応したマーケットはシンガポールでした。そのため、特にシンガポールへの販売実績やノウハウがショッピージャパンに蓄積されています。前述の輸入商品への抵抗感の少なさや関税などの規制が比較的緩いことも相まって、売上を伸ばしやすい環境をご提供できるでしょう。

顧客対応に必要な言語の壁

――費用の面、販売価格の面がクリアになりましたが、やはり越境ECの場合、言語の面に不安を感じる事業者様は多いかと思います。Shopeeに出店しているセラーの方々はどのように運用しているのでしょう?

ショッピージャパン:言語は中国語対応が必要な台湾を除き、他の国はすべて英語でコミュニケーションを行います。英語での対応を不安に思うセラーがいるかと思いますが、弊社が色々なセラーとの対話した中で、売上の規模と英語力は関係ないことがわかっています。

お客様対応はShopee上のチャットのみなので、英語で来た質問を翻訳ツールで和訳し、日本語で作った回答を翻訳ツールで英語に変換して送ることで完結できます。立ち上げ前は心配されているセラーも、実際にやってみるとすぐに順応しているようです。

また、タイのように現地の方が英語を得意としていないエリアもあります。そういったエリアでは現地の言語を英語に翻訳するツールがShopeeに搭載されているため、他の地域と同様に英語でお客様対応が可能です。

Shopeeが次なる販路として良い理由

――Shopeeでは国境を超えて挑戦する事業者が物販をしやすい環境が用意されています。最後に実際に販売を開始する上で、事業者の方にお伝えしたいことはありますか?

ショッピージャパン:Shopeeでは日本のECモールと同様に大型イベントやモール内広告のような仕組みが用意されています。Shopeeの仕組みに合わせて頑張れば頑張るだけ売上が伸びるのは日本のECモールに近いのではないでしょうか。

Shopeeには様々なイベントやソリューションが用意されている

アカウント登録をするとご覧いただけるセラーエデュケーションハブという教育サイトでは、各国のマーケットの特長や売上を伸ばすヒントを公開しています。また、セラー向けの検索広告の運用方法を解説するセミナーなど、売上を伸ばす情報は随時提供しています。

2022年4月から日本専属のカスタマーサポートチームを新設し、Shopeeのスタッフに質問できるページを用意できました。今年はセラーのサポートにより力を入れて、皆さまの売上をどんどん伸ばしていきたいと思います。

ヘルプページの使い方:https://shopee.jp/blog/helppage/

インタビューを通して:国は違うが仕組みは日本のECモールに近い

今回の取材では、越境ECを始めたりShopeeに出店したりする上で懸念になりそうな点を中心に伺いました。東南アジアのマーケットボリュームや成長性のポテンシャルの高さ、Shopeeに出店するハードルの低さを感じられた方と思います。

モール型のECサイトということもあり、日本国内のECモールで運用し慣れている事業者様が順応しやすい環境が整っているように感じられました。また、Shopeeは国ごとにアカウントを作成し、出店を行えます。そのため、Shopeeの使い方に慣れてしまえば他の国へのチャレンジをしやすくなる魅力もあるでしょう。

今後伸びゆく東南アジアの市場に挑戦するべく、まずはアカウント発行をして、セラーエデュケーションハブをご覧になるところから始めても良いかと思います。

新しい販路を探している事業者はぜひこの機会にShopeeの出店をご検討してはいかがでしょうか?

▼Shopeeへの出店はこちらから
https://shopee.jp/

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