
マネージャー 辻本翔平さん(写真右)
藤井崇弘さん(写真左)
ECにおける運用業務は店舗数や商品数、注文件数などが増えるにつれて手がかかります。ネットショップの一元管理システムなどの登場により、効率化できる運用業務は増えました。しかし、ECの現場は企業ごとに異なる要素があるため、ツールを導入しても繰り返し行う同じ作業から人の手が離れられないことが多いようです。今回は、ECの運用業務において、人の手が掛かっている点や課題感、業務をより効率化するための解決策について、RPAツール「オークファンロボ」を提供している株式会社オークファン(以下、オークファン)の辻本翔平さんと藤井崇弘さんにお話を伺いました。
この記事の目次
ショップの運用業務を効率化するには
――EC事業者様が効率的に業務を運用するにはどういった方法が挙げられるでしょうか?
辻本さん:EC事業者様は利用しているカートシステムや出店しているECモールが同じでも、社内での運用フローは十社十色です。自社で複数ショップを運営している場合、商品登録や受注処理、在庫管理など、同じ作業をショップの数だけ行わないといけません。1つの管理画面で複数ショップの運用業務を行えるように、まずは一元管理システムを導入すると良いでしょう。
このとき、自社で利用しているカートシステムやECモールと一元管理システムが連携しているのか注意が必要です。また、倉庫管理システムや送り状発行システムとAPI連携していない場合は、CSVをエクスポートして手動で更新をしなければなりません。
加えて、あくまで一元「管理」であるため、規模の拡大に合わせて作業量は増え、手動で更新が必要な業務は一定の負荷は掛かり続ける傾向にあります。そこで、最近では自動化できていない、ルーティン業務を自動化するためのRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)という技術が徐々に広がっているのです。

ECにおけるRPAの活用事例
――一元管理システムによって複数ショップの業務を1つの画面で処理できるようになる一方で、一部手作業が伴う業務もあるのですね。RPAによる自動化ではどんなことができるのでしょうか?
商品登録の業務
藤井さん:いくつか具体的な事例をお伝えします。例えば一元管理システムによる複数ショップへの商品情報登録・更新において、商品のマスターデータのcsv作成や、画像登録を自動化することができます。また、一元管理システム側ではそもそも連携対応をしていないモール・カートに対しても、RPAならば商品登録を自動で行うことができます。その他にも指定した時間にロボを動かすことができる「スケジュール機能」を使って、季節毎の商品入れ替えや、セールによる価格変更を自動化されているお客様もいらっしゃいます。
受注処理の業務
藤井さん:運用面では受注の業務を行う際に、受注ステータスの変更を手動で行っているケースが挙げられます。新規受注・入金待ち・発送待ちとそれぞれのステータスを都度手動で更新するとなると、注文件数が多い事業者様はステータス更新だけでかなりの稼働を奪われてしまいます。そこで、RPAを導入することで、それぞれのステータスを自動で確認・更新し、人の手で1件ずつ更新する必要がなくなるのです。
出荷指示の業務
藤井さん:出荷業務の中でよくある事例としては、送り状発行システムとの連携です。APIに対応しておらず手動連携のケースも多々あり、RPAを使って自動化しています。手動の場合、先ず一元管理システムで送り状発行システム用のCSVを生成し、送り状発行システムにアップロードします。その後、発行された送り状番号を今度は一元管理システムにアップロードします。この工程は手間がかかり、かつミスも発生しやすいためRPAで自動化しているお客様も多いです。
販促や分析などの業務
藤井さん:それ以外にもRPAの活用事例は様々です。メール(サンキューメール、決済完了メール、発送完了メールなど)の送信や、在庫僅少時の報告・発注業務、日次レポート作成、価格調査など、設定さえすればあらゆる業務を自動化できます。特に、売上に比例して作業量が増える業務は疎かになりがちですが、RPAなら確実に実行してくれるので安心ですね。
RPA導入に際しての懸念点は?
――一部お伺いしただけでもこれだけの事例が挙がったので、作業を効率化できるポイントはまだまだ多くありそうですね。しかし、RPAは実装しても何かと苦労するが耐えないと聞いたことがありますが、実際の事業者様のお声はいかがですか?
辻本さん:そもそも自動で動くロボットを作るのが難しいという声が一番多いと思います。操作画面が複雑で0から自分でスクリプト(RPAが動く順序)を組み上げることができず、作成代行に依頼しても、エラーが発生すると手を動かす実務担当者で解決ができないなど、自動化によって業務を楽にするはずが余計な徒労で疲れてしまう結果に、という話もよくあることです。
また、ECに関する業務は企業ごとに運用フローやシステムの構造が異なるため、問題が発生したときや新しいスクリプトを組むときに、チャットやメールだけで満足の行くサポートを受けられないことも多いようです。
「オークファンロボ」だからこその特徴
――ECモールではイベントや仕様変更が多いですし、自社ECサイトでも新しい機能を取り入れると都度スクリプトの調整が必要になりそうですね。簡単に作業を自動化できたら良いのですが、RPAの運用に手が取られてしまうと本末転倒かと思います。EC事業者様に寄り添っているRPAツールである「オークファンロボ」が具体的にどのようなところを強みにしているか教えて下さい。
藤井さん:まず設定画面がわかりやすく、初めてRPAに触れる方からも使いやすいと言っていただくことが多いです。操作性についても、直感的なため難しいコードなどを書く必要がなく、デモンストレーションをお見せした際には感動の言葉をもらうこともあります。実際にロボの設定をしていただいている方の大半はIT技術者ではない実務の担当者です。
更にご安心いただける点として、1社1名専属の担当が付きサポートしていることが挙げられます。週に1度、約50分間のweb打ち合わせを設けることで疑問やお困り事を一緒に解消しながら、着実に自動化を進めていくことができるので、お客様にも大変喜んでいただいております。自動化によって事業者様が売上を伸ばす方向に時間を確保できるように、伴走しております。
また、一般的なRPAでは無料期間がないなど導入に際して足踏みする点があるかと思います。そこで「オークファンロボ」では現在、トライアル期間を1ヶ月設けています。
我々の強みであるロボの操作性やサポート体制を通じて、RPAに触れたことのない方や既にRPAをご存じの方が気軽に自動化を始められる環境をご提供しています。

グループシナジーを活かした今後
――「上手くできないかも」という不安を解消してくれる点が要所要所で感じられる、事業者様ファーストのツールですね。最後に「オークファンロボ」以外にも様々な事業を展開しているオークファンとして、アピールしたいポイントがあればお聞かせいただけますか?
辻本さん:商品の仕入れから販売の支援までECに精通しているからこそ、事業者様に寄り添った提案ができることがオークファンの強みだと思っています。まだまだRPA自体がECの業界内で使われている事例は少ないかと思いますが、ご導入によって「こんなことも自動化できるんだ」と喜んでいただくことが多く、「オークファンロボ」には大きなポテンシャルを感じています。
また、M&Aにより展開しているサービス数を増やしていった背景から、色々なバックグラウンドと経験を持った人材が集まっていることも強みです。ここ2年ほどで事業間の繋がりが強固になっていることを感じる中で、事業者様がオークファンの提供するサービスを複数活用して成果を上げている事例が増えています。
今後、事業者様の課題に応じて適切なソリューションを提供できるようサービス知識やEC全般の知識を高めていければと思います。
インタビューを通して:自動化できる業務の効率化により顧客ファーストな組織づくりに
お話の中で「日々の業務に慣れているため、意外と自動化できないと思いながら同じ作業を毎日行っている事業者様が多い」と伺ったときに、既に一元管理システムが入っていたり、業務効率化ツールを導入していたりと、1つのツールの導入によって今以上の効率化ができないだろうと思ってしまうこともあり得ると感じました。
また、個人単位ではそこまで稼働を取られない作業であっても、チームや組織としてルーティンになっている細かい作業を吸い上げたら、それなりのボリュームになるでしょう。会社全体として、作業に当たる工数を削減できれば、顧客満足度を上げる業務や売上を伸ばす方向へとシフトできるのではないでしょうか。
自社の業務をより効率的できないかお悩みの事業者様は、ぜひオークファンへお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。
▼オークファンロボ サービスページ
https://aucfanrobo.com/ec2/
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