ネットショップの転換率(CVR)アップ!離脱を防ぐ仕組みづくりとは?

ECにおける転換率(コンバージョンレート)とは

Conversion(コンバージョン)とは直訳すると「転換」という意味です。マーケティングにおいては、サイトへの訪問者がサイト上の目標になるアクションを取った状態を指します。ECサイトを例に上げると、訪問者が購買を行った状態でコンバージョン(転換)したと言えるでしょう。コンバージョンはCVと略すことが多いです。

社内の役割によっては会員登録をCVとしているチームもあれば、資料請求をCVとする場合があります。今回は訪問者が購買してもらうことをコンバージョンとした上で、必要な考え方や取り組み、ツールなどの紹介をできればと思っています。

また、転換率の出し方としては

転換率(CVR) = コンバージョン数(購入件数) ÷ UU数(訪問者数) × 100

が一般的です。

色々なサイトに理想的な転換率として2~3%と記載がありますが、新規顧客と既存顧客の比率や商材、販売方法によって目安の数値が大きく異なります。自社の現状を正しく定義し、PDCAを回しながら0.1%ずつでも改善できるような体制が構築できると理想的です。転換率は一見小さな数字ではあるものの、2%から0.1%上がるごとに売上が5%ずつ増えていくと考えると重要な指標であることがわかります。

ファネルで分解してサイト構造を把握する

ユーザーが訪問してから購入に至るまでファネル階層ごとに各ページで分解して考えると施策立案の際に整理しやすくなります。

例としてサイト構造を分解してみました。検索結果や特集ページをひとまとめにしてUUを見ることはなかなか難しいので、実際に運用する場合は、各工程で更に細かく管理することをおすすめします。また、広告経由やリファラルが多ければトップやLPのUUが最も多くなりがちですが、総合通販やモールの場合は検索結果ページのオーガニック流入が多くなるため、自社に合わせた設計が必要です。

ユーザーの大まかな動きを観測できる仕組みを作ることで、各階層で施策を行った際のユーザーの動きを捉えやすくなり、ECサイト内への影響を明確にできる利点があります。

ファネルで分解してサイト構造を把握する

ファネルを意識してPDCAを回そう

CVR(コンバージョン率)をアップさせるために常日頃から施策を設計し、運用し、その後の効果検証から次回どのような打ち手を取るか、という業務は各社EC担当者やマーケティング担当者が行っていることでしょう。基本的なことですが施策を立案する際には、必ずどの数字をどの程度伸ばすために実行するのか、売上貢献度はいくらになるのか、という試算を行う必要があります。

PDCAを回す際、一度に同じファネル、もしくは隣接するファネルで施策を行うと、どの施策が影響して数字が上がったか、下がったかの確認ができなくなってしまいます。

例えば特集ページを刷新し、商品ページへのアクセス数が高まった場合、商品ページからカート画面への遷移が同時に高まることが予測されます。その際、並行してサイト内検索のロジックを変更し、商品ページへのアクセスが増えたもののカート画面への遷移が減っていたとしたら、どちらの施策がどの程度影響したかを確認しづらくなってしまいます。

各ファネルの機能を充実させてCVRを上げていく

階層ごとに機能を改善するにあたって、いくつかポイントを絞って解説をしていきます。

サイト内検索

サイト内検索は総合通販であればユーザーが目的の商品に到達するために最も利用する場所と言えます。まずユーザーが期待した商品を出す仕組みづくりが必要です。検索バー下に関連するキーワードが表示されるサジェスト機能や諸条件に合わせて商品を絞り込める詳細検索、表示された商品を登録順や価格順に並び替えるソート機能などが一般的です。

導入するカートシステムにデフォルトで搭載されていることが多いですが、物足りない方やゼロからサイト構築を行う場合、より高度な検索ができるサイト内検索エンジンを導入すると良いでしょう。

レコメンド

トップページや検索結果、商品ページなど、どの画面にも気軽に追加でき、ユーザーと商品の接点を増やすことで回遊性を高めることができます。「一緒に購入されている商品」や「関連する商品」、「イチオシ商品」など様々な方法で商品の提案が可能です。手動で更新をすることもあれば、レコメンドツールを導入しレコメンド内容を最適化する方法もあります。

ID決済

Amazon Payや楽天ペイなど、既に会員となっているユーザーIDを活用し、ネットショップ内での会員登録を行わずして商品を購入できる仕組みです。大手マーケットプレイスから始まったID決済ですが、現在ではapple payやPayPayなどネット通販とは異なる領域から始まった会員情報を活用したID決済が台頭しています。ユーザーが会員登録をする手間を省略できるため、会員登録時の離脱防止、楽天ポイントなどのポイント利用でCVR向上を見込むことができます。

EFO(Entry Form Optimisation)

EFOとは入力フォーム最適化のことを言います。一般に会員情報や送り先情報を入力する際にユーザーが一定数離脱するため、入力の際にストレスなく入力できるように入力フォームを最適化することでCVRの向上を図ります。例えば、ソーシャルログインや商品を決済するボタンの色・形・文言の変更、誕生日やカード情報など数値情報を入力する場合input typeをtextからnumberに変更するなど、ユーザー目線で入力が楽だったと感じる体験を自社に活かすことが必要だと言えるでしょう。

Web接客ツール

Web接客ツールとは、ネットショップ上でユーザーに接客を行うツールを指します。具体的にはサイト内でユーザーと対話ができるチャットツールやページ内で特定のユーザーにポップアップでオファーをかけるツールが挙げられます。メールで問い合わせを行う従来の形式とは異なり、リアルタイムで商品についての問い合わせを行い、問題解決ができるため離脱を防ぎ、ユーザーにとってストレスの少ない購買体験を提供できます。

UGC連携

UGC(User Generated Contents)と言われるインスタグラムなどのSNSでユーザーが生成したコンテンツをサイト内に埋め込めます。商品レビューの機能がないサイトであっても、自社商品を利用したユーザーによる生の声をサイト内に埋め込めるため、商品を購入してもらいやすくなります。

コーディネートツール

STAFF STARTやSNAPBOARDのような店舗スタッフがコーディネートを提案するツールが出ています。アパレルを中心に自社の商品をどのように着こなすと良いかをブログやSNSへ発信します。発信したコンテンツはサイト内で活用し、ユーザーが商品を購入する際の選択肢を増やす提案を行うことでCVRを向上させます。UGCと異なる点は、情報の発信元が店員かユーザーか、自社コンテンツであるためメルマガや商品画像への入れ込むことも可能です。また、ツールを用いることで店員のアカウント経由で立った売上を確認できるため、評価制度が確立し、店員が能動的にコンテンツ発信に取り組むことができます。

さいごにCVR改善の道はコミュニケーションの質を磨くこと

ECでは実際に手に取って商品を試せないため、見たことも触ったことも試したこともない商品を購入する際に、ユーザーは不安な気持ちになります。CVRはそういった不安やストレスを一つずつ取り払っていくことで向上していくものです。

マクロで見る数値の改善にはミクロでユーザーと対応していくことが必要不可欠です。他社と比較し、自社サイトは使いやすい設計になっているか。自社単体で見たときにユーザーのニーズに即したサイト設計になっているか。実店舗であればどういった購買行動をしているか、ネット上とはどこに差異があり、その差異は障壁になるかどうか、どのようにして解決していくのか、など考え始めたら課題は無数に出てくると思います。

自社のCVR改善に際して、課題を感じている方やツールの選定で迷っている方はお気軽にご相談ください。

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