
ユーザーの関心にマッチした商品を提案できていますか?
ECサイトには様々な商品がありますが、画面上で目に入る商品の数は多くありません。多様な好みをもつユーザーに何を露出しどのように提案するかは、大変重要です。その施策としてすでにほとんどのECサイトに商品レコメンドが実装されています。
よく知られる成功事例として、AmazonやNetflixを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。彼らは膨大なデータの学習に基づいてレコメンドをチューニングしており、まさにレコメンドの究極といえます。
あらためて今回は、レコメンドの基礎知識と活用方法、重要なポイントついてご紹介します。
この記事の目次
よくあるレコメンドの種類

①ユーザーベース(協調フィルタリング)
特定のユーザーと近い行動をとった他のユーザーの行動(商品閲覧や購買)からレコメンド商品を表示します。よく見かける、「他の人はこんな商品を買っています」や「このアイテムを見ている人におすすめ」紹介されているものがこのレコメンドにあたります。
②アイテムベース
商品の属性に基づいて、類似商品をレコメンドします。たとえば「シャツ」カテゴリを閲覧しているときは「シャツ」の属性からレコメンド。「ブランド」を閲覧しているときは同じ「ブランド」からレコメンド商品を表示します。
③ランキングベース
サイト全体の売れ筋や閲覧数などに基づいてランキング形式でレコメンドします。「今の売れ筋商品」というような表現で、トレンドを示唆して興味を促進するものです。
④ルールベース
サイト運営者側が定めたルールで商品をレコメンドします。たとえば初回訪問のユーザーには「旬な特集商品」や「お得なエントリー商品」を提示します。ユーザーベースやアイテムベースのレコメンドと異なるのは、データではなく人為的にコントロールして訴求することです。
レコメンドが解決する課題と効果的な使い方
様々な訴求ができるレコメンドですが、どのように使うのが効果的なのでしょうか。
たとえば新規ユーザーが多いトップページではどう使うのがよいでしょうか。購入モチベーションの高まっている商品詳細ページではどのような表示が適しているでしょうか。
レコメンドが解決する課題と効果が出やすい使い方は次のとおりです。

トップページ
特集商品が見られずPVが増えない、商品までの回遊性が良くないなどの課題がある場合は③「ランキング」や④「ルール」をベースにして、サイト全体のトレンドや意図したページに導線を作りましょう。
商品一覧
CVRが低くなかなか購入されない場合や、商品検索がしづらく離脱が起こる場合は③「ランキング」や①「ユーザー」ベースで、今閲覧している商品カテゴリに近いレコメンドをすることで、商品にリーチしてもらう導線を作りましょう。
商品詳細
カート投入率やコンバージョン率を伸ばすために①「ユーザー」や②「アイテム」ベースでそのユーザー一人ひとりの関心に刺さるレコメンドを表示しましょう。今その商品に関心を持って閲覧しているので、関心に近い商品を提案することで利便性を改善しましょう。
カート
客単価を上げたい、合わせ買いをしてほしい場合は①「ユーザー」や④「ルール」ベースで、最後のひと押しをしましょう。「ルール」ベースでは商品単価の低いものをレコメンドしてついで買いを促したり、送料無料のラインを超えてくる金額の商品のレコメンドをしたりすると客単価アップが狙えます。
レコメンドを成功させるための重要なポイント
様々な課題解決に効果的なレコメンドですが、ユーザーに見てもらえなければ意味がありません。例えば、Webページに固定で表示されるレコメンドを多く見かけますが、ユーザーがわざわざレコメンド設置箇所までスクロールしないと目に入らない、というサイトは多くあります。より多く認知の機会を作るためには適切なタイミングで自然にユーザーの目に入るようにレコメンドを表示することが重要です。
実際の店舗でも、店員がタイミングを見計らって「こちらの商品もお似合いですよ」と声をかけるように、ECでも同じくユーザーひとりひとりにアプローチする適切なタイミングがあります。レコメンドする「提案の内容」と、レコメンドする「タイミング」の2つが揃ってこそ強力にパーソナライズされたレコメンドが実現できるのではないでしょうか。

タイミングのよい接客をサイト上で表現する方法として、ポップアップでレコメンドを表示する方法があります。ユーザーが商品検索の導線で迷っているタイミングや、サイトから離脱しそうなタイミングでレコメンドを表示することで、離脱を防ぎ回遊を促すことができます。従来の固定表示のレコメンドと、Web接客によるポップアップとをハイブリッドで活用するレコメンドも有効です。

レコメンドをサイト外のユーザーに届ける
ここまでサイト内でのレコメンドについてご説明しましたが、ユーザーにおすすめ商品を訴求する場面はサイト内だけにとどまりません。顧客とのより親密な関係を望む場合は、サイトへの再流入も考慮してレコメンドを設計しましょう。 以下はいくつかのレコメンドを届けるパターンです。

- レコメンドメール
既存の会員登録やメルマガ登録をしているユーザーにメールでレコメンドを配信します。 - プッシュ通知
サイトを閲覧していない際も視認性に優れたプッシュ通知で、タイムリーにレコメンドを配信できます。 - SMSやSNSでの通知
SMSやSNSではブラウジングしていないときや外出時にもタイムリーなレコメンドを配信することができます。
これらのようにサイトを閲覧していない状態のユーザーにもレコメンドを届ける手法があります。配信するタイミングも、サイトに直近訪問したユーザーには「あなたにおすすめ」をレコメンドし、しばらく訪問していないユーザーには「今の売れ筋」をレコメンドするなど区別するとより良いでしょう。
レコメンドは効果検証と改善を
レコメンドは自動で商品を提案できて運用の手間が少なく、大変便利なツールです。しかし便利であるがゆえに、導入されるとそのままになってしまうケースが多くあります。適切な使い方ができているか?を定期的に確認する必要があるでしょう。
導入したけれど費用に見合っているかわからない、改善したいがどう設計すればいいかわからない、という相談をいただくことがあります。そのような方の多くは、レコメンドを導入しっぱなしになっていて効果検証と改善サイクルができていません。
レコメンドの表示回数、クリック率、コンバージョン率、客単価などの指標を確認しながら、実際に効果が出ているかどうか、タイミングや表示方法などを検証し、アップデートしながらレコメンドの質を高めていくことが重要です。例えば、解析した結果レコメンドで商品を購入したことがないユーザーや、そもそもレコメンドしてもクリックすらしないユーザーであれば、レコメンド以外のコンテンツを提示したほうがよい可能性もあります。また、レコメンドするタイミングの問題かもしれません。
このように便利なレコメンドをどう使っていくかは「ユーザーの目線に立って」考慮する必要があります。
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