サイト内検索とは?総合通販には欠かせない商品検索の基本を解説

サイト内検索とは

ECサイトで商品を検索するときに使う検索機能のことです。

サイト内検索はネットショップ構築時にカートシステムに搭載されていることが多いです。しかし、低価格で利用できるカートASPでは細かい機能の調整ができません。細かいところまで充実させるには、サイト内検索サービスを利用すると良いでしょう。ただし、サイト内検索サービスは運用費が比較的高いため、売上規模大きい事業者向きとなっています。

力を入れたほうが良いショップの属性としては、単品通販ではなく、総合通販のような数百、数千といった商品数から顧客が欲しい商品を的確に表示させる場合になります。

サイト内検索の重要性

複数の商品を取り扱う総合通販系のECサイトでは、トップページにランキングや特集、レコメンド等の商品とのタッチポイントを作る項目が多々存在するものの、目的をもって訪れた顧客は必ずと言って良いほどサイト内検索を利用します。

そのとき、目的の商品に辿り着けない結果を表示させてしまっては、一度や二度再検索をしたとしても、最終的に顧客は別のサイトに行ってしまうでしょう。

ECに適したサイト内検索の機能とは

サイト内検索サービスを利用する場合どのような機能が搭載されているか解説します。カートシステムに元々入っているサイト内検索でも開発次第で機能を追加できる場合がありますので、気になる場合はお問い合わせしても良いと思います。

サジェスト機能

文字を途中まで入力すると候補となる言葉が挙がってきます。

サジェスト機能

表記ゆれ(ゆらぎ)修正

入力した単語の入力ミスや漢字間違えなど、表記のゆらぎを修正します。

Google検索で「みkん」と検索すると自然に「みかん」の検索結果が表示されるのは表記ゆれの修正によるものです。表記ゆれが機能しない場合、「みkん」で検索した結果が0件になるため、離脱の要因になってしまうでしょう。

システム的に自動で学習するものや、間違えが起きやすい単語であれば類義語集を作成し、サイト内検索を学習させることができます。

絞り込み(ドリルダウン)

検索キーワードのみでなく、より詳細な条件から絞り込みを行います。

また、条件による絞り込みを行う際に、条件ごとにどれくらい該当する商品があるかを把握するファセットカウント機能があるとユーザービリティが上がるでしょう。

ファセットカウントのイメージ
ファセットカウントのイメージ

並び替え(ソート)

検索結果に表示された商品を任意の条件で並び替えます。

価格の高い順や低い順、新着順、レビュー順などが一般的です。

他にも検索結果のアルゴリズムを調整する重み付けの機能や多言語対応、商品レコメンドの機能や画像検索など、サイト内検索サービスによって搭載されている機能は様々です。

どのような仕組みで検索されているのか

サイト内検索ではGoogleやYahooのようにクローラーによってインデックスされた情報を表示するものとは性質が異なり、一般に自社のデータベースから情報を引き出して検索結果に反映させます。情報を検索結果に反映させる際に、「形態素解析」「N-gram」の大きく2つの手法で結果が表示される仕組みになっています。どちらもバランス良く取り入れたハイブリッド型など、サイト内検索サービスによって、そのアルゴリズムは様々ですが、基礎知識として知っておくと良いかと思います。

形態素解析

形態素解析とは日常的に使われている文章(自然言語)の意味を持つ最小単位(形態素)まで分割し、検索ワードに対応する言葉を作成します。サイト内検索サービス内で利用する辞書によって分解される形態素が異なります。

例えば「東京国際空港」という単語であれば「東京/国際/空港」という形に分解されます。そこで、「東京 空港」と検索されれば、分解されて出来上がった形態素に含まれる「東京」「空港」と紐づき、検索結果に表示される仕組みになっています。ただし、「東京国際空港」をひとつの固有名詞する場合、「東京」や「空港」という検索ワードでは表示されず、「東京国際空港」という固有名詞にのみ紐づく仕組みとなっています。

メリット

形態素へ文章が分解されるため、無駄なデータを持たなくなります。その結果、検索の速度が比較的速くなることがメリットと言えるでしょう。また、検索結果のノイズが少なくなることも特長です。

デメリット

形態素解析を行う際に、商品名やブランド名など、特定の固有名詞は必要以上の形態素へ分割されてしまうことや、その反対に本来であれば分割して欲しい位置で分割されないことが起きてしまいます。その場合は一般的には都度辞書登録を行うなど、学習させる手間が発生してしまいます。膨大な商品数を出品している場合、主要なワードがどのような検索結果になっているか確認する手間は避けられないでしょう。

N-gram

N-gramとは文字列をn個の文字列で分割する方法を指します。例えばn=2として「東京国際空港」を考えた場合、「東京」「京国」「国際」「際空」「空港」のような形で、nで定められた文字数で区切っていきます。

メリット

自然言語の文法構造にとらわれないため、辞書登録の作業は不要です。また、細かい文字列に分解されるため、検索漏れを防ぐことができるのが特長です。

デメリット

細かく分割されることで対象になる検索範囲が広がり、検索結果にノイズで出てしまいます。「東京国際空港」であれば「京国」や「際空」のような意味を持たないデータを持つため、形態素解析と比較し、検索速度が遅いです。

検索漏れが発生する一方でノイズが少ない形態素解析と検索漏れが少ないがノイズが発生してしまうN-gram、どちらの機能も兼ね揃えたハイブリッド型も存在します。サイト内検索サービスによって仕様が異なるものの、形態素解析を検索上位へ表示させ、下位をN-gramにすることで検索にヒットする件数としては網羅的に対応できることになるでしょう。

さいごに:サイト内検索がサイトの売上に大きく影響

どの検索ワードがよく調べられているか、調べられているワードで表示される商品は顧客が求めているものなのか、用意されている絞り込み条件で求められている商品にたどり着けるのか、担当者が実際に検索をして顧客の行動を真似ることが重要であると考えます。明確な意思をもって検索されたキーワードは情報の宝庫と言えるでしょう。

自社でカスタマイズを行う規模であれば、アルゴリズムの調整や絞り込み条件を一つ変更するだけで数十万円、数百万円と売上への影響が出てくる可能性があります。自社の検索が顧客にどのように使われているか是非確認してみてください。

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