【2023年取材まとめ/前編】CRM・海外販売と可能性は無限大?メーカーや地方自治体もEC市場に参入

この1年、多くの事業者さんと支援事業者さんにインタビューさせていただきました。ご協力いただいた皆さん、お忙しい中ありがとうございます。私からは2023年に取材させていただいた支援事業者さんの記事をご紹介させていただきます。

継続して購入いただくためにも「CRM」がますます重要に

2023年、最初の取材記事は「EC業界の2022年の振り返りと2023年の展望」というテーマで、フューチャーショップの安原さんをインタビューさせていただきました。

総務省の調査からECの支出額は増加しているものの、利用世帯の割合は横ばいである結果が出ていると、安原さんは言います。外出機会が増えた2022年においても、自社ECサイトの利用が定着している一方、新規でECを利用する消費者数は減っているのです。加えて、個人情報保護の観点から広告が効きづらくなっており、新規集客として重要なSNSもPR投稿の効果が厳しくなっているとのこと。

そのような状況でも、しっかりとリピート対策を行っている事業者様の売上はあまり落ちていないことから、今後は「このブランドだから買い続ける!」といった買う理由の創出・情報発信・CRMがさらに重要になると力説されておりました。

こういった背景を踏まえ、futureshopでは以前から力を入れている無料コンサルやfutureshop ACADEMYなどのEC担当者のスキルアップを目的としたラーニングプログラムは更に強化していくそうです。

ライフェックス社へのインタビューでも、リピート対策が重要であると、安原さんと同様のことをおっしゃっていました。

特にCRMは、お客様との関係を維持するためにやり続けなければいけないものであるため、事業が続く限り、求められ続ける施策出しをするには、ブレーンとなる頭数が必要になると言います。

D2Cという言葉が登場したように、顧客と直接コミュニケーションを取ることができる事業者は、CRMが行いやすい環境にあります。

ところが、CRMは新規と比べ、既存のお客様に継続的に購入していただく成果を短期的な数字で見づらい点があるため、専任で担当者が置かれづらいのです。加えて、自社の商品が好きな方が担当を務められることが望ましいこともあり、条件に合致する専任者を配置するのも難しいとのこと。

上記の理由から、ライフェックス社ではCRMのプロフェッショナルを育成できる「みんなのCRMアカデミー」を開講されたと言います。無料説明会も実施されていますので、CRMの強化を考えている事業者さんは参加してみてはいかがでしょうか。

先を見据えて「海外販売」に挑戦する企業

CRMは重要ですが、新規集客も避けては通れません。とはいえ、高齢化と人口減少で日本の個人消費は縮小傾向にあります。だからこそ、先を見据えて海外販売や越境ECに挑戦する企業も多いです。しかし、うまくいかずに撤退してしまう企業が後を絶たないと聞きます。

なぜ、海外販売や越境ECが失敗に終わってしまうのか、その理由や成功する秘訣について、BEENOSグループBeeCruiseの小林さんにインタビューさせていただきました。国内同様のリソースと予算をかけられるかが鍵を握ると小林さんは話します。

そのため、BEENOSグループでは、越境ECの環境構築に一切費用がかからないようにすることで、海外で売上を作るためのマーケティングなどに取り組みやすい状態を提供しているのです。

これから海外販売や越境ECに力を入れようと思っている事業者さんや、既に取り組んでみたけれど思うようにうまくいかなかった事業者さんは、BEENOSグループに相談してみてはいかがでしょうか。

海外販売や越境ECを行うにあたって、どこの国で販売するかを決める必要があります。ターゲットとなる国が決まったら、次は販路です。例えば、東南アジアであればShopee、中国であればPOIZONといったECモールが今、注目されています。詳細については、下記のインタビュー記事をご覧いただければと思います。

まだまだポテンシャル秘めるECにメーカーや地方自治体も参入

ここまでCRMや海外販売などについてお話しさせていただきましたが、まだまだECがポテンシャルを秘めていることがわかるのではないでしょうか。小売業者だけでなく、メーカー企業や自治体もEC市場に参入しています。

楽天グループの浅貝さんとCARTA COMMUNICATIONSの西さんによる対談では、メーカーが楽天市場に力を入れている理由について伺っています。ロボット掃除機のルンバで有名なアイロボットさんの事例を踏まえながらお話しいただいています。

ふるさと納税を活用して地方自治体を支援されることで、地方創成に取り組むイミューの田中さんのお話も面白いので、ぜひご覧いただきたいです。

EC事業の成功にはパートナー選びが肝

EC事業は参入障壁が低いですが、業務範囲が多岐に渡るため、売上を伸ばすとなると幅広い職能が求められます。即戦力の方を雇えればいいですが、そう簡単なことではありません。だからこそ、支援企業(パートナー)選びが重要になってくるのです。

しかし、委託先の支援企業とのミスマッチによる失敗が後を絶たないと、StylePicksの深地さんやR6Bの対人マンさんは言います。事業者が自社に合った支援企業を選ぶためのポイントについてお二人に伺いましたので、こちらの対談記事はぜひご覧いただければと思います。

最後に

CRMや海外販売など、ECの可能性について触れながら、支援事業者さんのインタビュー記事を紹介させていただきました。事業者さんのインタビューに関しては、舟本がまとめております。2023年12月29日に掲載予定ですので、合わせて読んでいただけますと幸いです。

1年間、コマースピックをご覧いただき、ありがとうございました。2024年もよろしくお願いいたします。

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