社内でCRM担当者を育成するには?「みんなのCRMアカデミー」開講!
株式会社ライフェックス
SNS Marketing Manager 大元 由実子さん(写真左)
CRM Division Manager 江森 清文さん(写真右)
インタビューの概要

EC・D2Cブランドのマーケティングプロデュースカンパニーである株式会社ライフェックスは2023年5月16日(火)に4ヶ月でCRMのプロフェッショナルを育成できる「みんのCRMアカデミー」を開講します。今回は講師を務めるライフェックスのSNS Marketing Managerである大元由実子さんとCRM Division Managerの江森清文さんに昨今のD2C業界の現状から、アカデミーに関する内容について伺いました。

D2C業界とCRMの今

――まず、昨今のD2C業界の状況について教えていただけますか。

江森さん:コロナ禍にD2C事業を始めた方は多く、消費者の在宅率が高いことを理由に、ウェブ広告を活用した集客が好調でした。しかし、現在は広告の獲得単価が高騰しています。競合が増えたことに加え、コロナが明けたことにより外出機会が増えていることも理由としてあげられるでしょう。また、一部では不適切な広告により消費者を誤認させて購入させることも問題に上がり、法改正が進んでいます。このような背景から、飽和するEC市場において、広告による新規集客ではなく、お客様一人ひとりと末永くお付き合いをするためのCRMの重要性が問われているのです。

しかし、事業者様においては集客のためのマーケティング担当者は専属でいるものの、CRMの担当者となると兼任であったり、不在であったりすることが多いです。CRMについて考えて動ける方が増えれば、お客様との良好な関係を永く築く意識が芽生えるため、よりD2C業界が良くなると思うのです。

株式会社ライフェックス CRM Division Managerの江森清文さん

CRMは専任者がいない?その理由と求められる人材像

――広告の獲得単価の高騰や短期的に刈り取るような集客方法は話題によく上がります。CRMの担当者が専任で置かれづらいのはどういった理由からなのでしょうか。

大元さん:新規と比べ、既存のお客様に継続的に購入していただく成果は数字で見づらい点があることが考えられます。そのため、知見を持っていないと成果を試算しづらく、社内での予算取りが難しいのです。また、CRMは和訳すると顧客関係管理。つまり、お客様との関係を維持するためにやり続けなければいけないものです。事業が続く限り、求められ続ける施策出しをするには、ブレーンとなる頭数が必要になります。加えて、自社の商品が好きな方が担当を務められることが望ましいこともあり、条件に合致する専任者を配置する難しさをご理解いただけるのではないでしょうか。

いわゆるCRMツールを導入するとお客様をデータで結びつけることはできますが、お客様一人ひとりと関係を持てるかどうかは担当者の熱量の高さが求められます。お客様が増えれば増えるほどデータを通してまるで森を見ているかのようにデータ上の数字でお客様を捉えている方が多いですが、CRMを通してお客様と密につながるには誠実に木、つまり一人ひとりのお客様を見なければいけません。ツールを導入するでもなく、コンサルに依頼をするでもなく、CRMを行うには自社に担当者がいることが重要なのです。

株式会社ライフェックス SNS Marketing Managerの大元由実子さん

「みんなのCRMアカデミー」初回のテーマは?

定性的な心構えを養う

――たしかに、お客様に繰り返し商品を購入してもらうために、事業者側が同じ気持ちを感じられていないと意識にズレができてしまいそうですね。アカデミーでもそういった話はされるのでしょうか?

江森さん:アカデミーではノウハウだけではなくCRMに向き合う心構えについてもお伝えしています。最初の講座では、自社の商品を愛しているか、お客様の気持ちをわかっているかなど、ブランディングに近いところからお話する予定です。

大元さん:第1回のテーマは「CRM思考と活用するITツール総まとめ」です。ブランドとしてどのようにして顧客満足度を上げるのか、どういった打ち手を取ろうとするのか決まっていないと、たくさんあるツールの中から本当に必要なものを絞ることは難しいでしょう。

事業者様が保有しているデータを分析する際の切り口にCRM担当者の意志が入るため、その重要性を学んで欲しいです。ここに至るまでの思考プロセスや体系的なITツールに関する情報をお届けする時間を第1回ではご用意しています。

定量的なストーリーを描く力

――具体的にITツール導入する場合、どういったこと考え方が必要でしょうか。

江森さん:ツールを導入すると安いものでも大体月々5万円ほどかかります。初期費用など諸経費を含むと1年目は100万円弱になるでしょう。会社としてツール導入を決める判断をするには、売上が伸びる見込みがあるかどうかが決め手になります。年間の費用に対して、売上をどのように伸ばせるのかストーリーを描ける力が必要です。

大元さん:CRMは成果が出るのに時間がかかるため、投資効率を見るのにもある程度の期間が必要になります。CRMの効果はLTVを上げることで見ることができますが、施策によっては成果が出るまでに1年~1年半かかるでしょう。新規獲得の広告運用に注力している事業者様にとっては辛抱強さが求められます。しかし、広告の入札単価が高騰し、定期通販自体が消費者から怪しまれている中で、新規獲得施策に終始する定期通販モデルでは立ち行かなくなることが見えています。

最近のトレンドは定期通販モデルでCPA(顧客獲得単価)が1万円のとき、5,000円の商品を何回買ってもらうと利益が取れるのか計算するのではなく、単発で購入してもらうことを推奨されています。事業者都合の縛りで定期購入をしてもらうのではなく、単発で購入したお客様がまた買いたいと思ってくれるにはCRMで差がつくのです。

株式会社ライフェックス SNS Marketing Managerの大元由実子さんとCRM Division Managerの江森清文さん

CRMを学び、活かす機会を

――定期通販モデルが逆境に立たされている今、事業者様が主体的にCRMを自走するのは難しいのでしょうか?

江森さん:やらないといけないと思いつつ、やれていない事業者様が多くいらっしゃいます。新規向けのチームにリソースが集中し、他のことにリソースを割くことが難しく、新規を獲得し続けないといけない状況に置かれている事業者様は少なくありません。また、CRMに取り組んでいるもののうまく回っていなかったり、片手間で対応しているため細かいところまでやりきれていなかったりと、事業者様によって状況はさまざまです。

対象となる受講生像

――1からCRMを手探りで始めて正解を探すよりもプロに教えてもらうほうが近道になりそうですね。「みんなのCRMアカデミー」はどういった方に受講して欲しいとお考えですか?

江森さん:新規獲得は好調だがリピート率に満足できていない事業者様や、どのような打ち手を取ればよいかわからない方、スタートアップでCRMをこれから取り組む方など広く受講いただきたいと思っています。また、事業者様に限らず、制作会社様やツールを提供している会社様などEC・D2Cに携わっている方に参加いただければクライアントと同じ、もしくは一歩先の目線で話ができるようになるでしょう。

3~4年前まではCRMの対象となると既存顧客のみでした。最近はお客様との接点が購入前から始まっており、SNSやLPなど、どのような媒体を介して購入に至ったのか、お客様になる前から購入以降の体験を一気通貫して考える必要があるのです。こういった現代のCRMにフォーカスした実務的なことに興味を持っていただける方はぜひご参加ください。

株式会社ライフェックス「みんなのCRMアカデミー」5つの特徴
みんなのCRMアカデミー」5つの特徴

少ない不安でひとり立ちできる受講後の姿

――「みんなのCRMアカデミー」に参加した方が最終的にどういった状態になることが理想でしょうか。

大元さん:CRMの仕組みやオペレーションを1から設計できるようになったり、初回の購入のみで終わっているお客様をリピートいただけるようになったりすることが理想です。4ヶ月の講習が終わってからもCRMの担当者同士が繋がれるコミュニティを作る予定なので、弊社の講師陣との壁打ちや受講生同士の交流、変化の激しい業界情報のアップデートなどで活用いただきたいと思っています。

新規開講に向けたライフェックスの意気込み

――講習期間だけで終わらないところが、まさにCRMという感じがしますね。最後に、「みんなのCRMアカデミー」の開講に向けて意気込みをお聞かせいただけますか。

江森さん:アカデミーを発足するのは今回が初めてのことです。セミナーは年間20~30回開催しているので話すことには慣れていますが、今回のスクール形式では一人でも多くの方にCRMの価値を丁寧にお伝えしたいと思っています。アカデミーの活動を通して受講いただいた企業が発展できるよう努めていきたいです。

大元さん:D2Cは消費者や時代の流れに左右されて環境が変わります。そんな中でも参加いただいた方たちがお互いに刺激し合い、情報交換をし、D2C業界を良くするための礎を一緒に築いていきたいです。どんな広告であればコンプライアンスの網をかいくぐれるのかという話ではなく、お客様のために納得して全員の幸せを追求できるような考え方を広めていきたいと思います。

インタビューを通して:法規制のイタチごっこから抜け出し、顧客と良好な関係を

CPAの高騰により、少しでも費用を抑えるためにグレーな広告や定期縛りを行う売上至上主義は商品を購入するお客様を幸せにする販売方法とはいえないでしょう。たびたび行われる法改正の抜け穴を探して、イタチごっこを続けるのではなく、真摯にお客様と向き合うきっかけが「みんなのCRMアカデミー」です。

ライフェックスの講師陣は全員事業者出身者で構成されています。現在ではさまざまな企業のCRMを支援していることもあり、受講者の対象となる顧客に合わせて柔軟に講座の事例をわかりやすくお伝えすることもできるそうです。受講金額内で1社あたり3名まで参加できるため、1名だけ参加してノウハウが属人化することも避けられます。

月々5万円と実践的な講習の中ではかなりお得な価格で受講できると思います。無料説明会も実施されていますので、気になる方はまずは下記URLより詳細を確認してみてはいかがでしょうか。

「みんなのCRMアカデミー」の詳細

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