「Amazon・LINEヤフーの挑戦」と「新興SNSのmixi2・BeReal.の動向」EC関連ニュースまとめ【2024年12月】

日々の業務でニュースをキャッチアップする時間がなかなか取れない方もいらっしゃると思います。そこで、2024年12月のEC・ネット通販関連ニュースをまとめました。今回取り上げるテーマは、「AmazonとLINEヤフーの挑戦」と「新興SNSのmixi2とBeReal.の動向」です。

本記事とは別に、運営堂の森野さんとニュースの詳細解説をポッドキャストにて配信しております。お時間がある方はこちらもあわせてチェックしていただければと思います。

Amazonの地域貢献とLINEヤフーの越境EC戦略

Amazon、新サービス「ふるさと納税」を開始

Amazon社は2024年12月19日、新サービス「Amazonふるさと納税」を開始しました。ローンチのタイミングでは、国内約1,000の自治体が参加し、約30万点を超える返礼品が提供されます。ユーザーはAmazonアカウントを使えば簡単に寄付でき、一部の返礼品は最短翌日に受け取ることが可能です。

また、地方自治体はAmazon社の物流網「フルフィルメント by Amazon(FBA)」を活用し、寄付の募集から返礼品の発送までを一括管理。地域経済の活性化や中小企業の支援を目指した取り組みとして注目されています。

森野さん
配送が最短翌日というのは大きな強みですよね。自治体が支払う手数料も他と比べて低いと聞きます。
竹内
2025年10月からは、ふるさと納税でのポイント付与が禁止されるため、年末にかけてAmazonが大きくシェアを伸ばしていきそうです。
森野さん
市場ができあがったタイミングで、Amazonのようなプレイヤーが参入してくるのは、他の企業にとって脅威かと思います。Amaznの参入により、ふるさと納税ポータルサイトの統廃合が進むのではないでしょうか。

LINEヤフー、BEENOS買収で越境ECを強化

LINEヤフー社は、越境ECを中心としたコマース機能の強化を目的に、BEENOS社の株式公開買付けを発表しました。BEENOS社は「Buyee」などのサービスを提供する越境ECの先駆的企業であり、LINEヤフー社との連携により以下が期待されています。

  • LINEアプリとの連携で海外展開を強化
  • 商品ラインナップの拡充で越境ECを拡大
  • エンタメ事業で新たな市場価値を創出

この買収は、LINEヤフー社のコマース戦略において重要な一手と位置づけられています。

森野さん
LINEヤフーさんはいろいろと買収や提携を進めていますが、サービス間の連携が不十分ですよね。トータルの売上は上がるかもしれませんが、ユーザー側がメリットを感じにくいのが課題だと思います。
舟本
BEENOSさんとうまく連携することで、Yahoo!ショッピングが海外からも購入してもらえるモールとなれば、出店企業にとっても魅力的に映るでしょう。
森野さん
Ozieの柳田さんを取材させていただいた際に、楽天市場やAmazonで越境ECに取り組むも、あまりうまくいかなかったとおっしゃっていました。それだけに、LINEヤフーさんには頑張ってほしいですね。

新興SNSの台頭:mixi2とBeReal.の最新動向

MIXI、次世代SNS「mixi2」を正式リリース—登録ユーザー数120万人突破

2024年12月16日、MIXI社は次世代SNS「mixi2」の正式サービスを開始し、登録ユーザー数が120万人を突破しました。

mixi2は、短文投稿と時系列表示のタイムラインを採用し、「今を共有でき、すぐ集える」をコンセプトとしています。親しい友人との交流を重視し、招待制やプライバシー保護機能を備えた安心して利用できる環境が特徴です。

MIXI社は「mixi」創設20周年を迎え、SNS本来のコミュニケーション価値を再定義する狙いで『mixi2』をリリースしました。同社の笠原健治さんは「新たな価値を提供し続けたい」とコメントしています。

SNSの進化を遂げた「mixi2」が正式サービスを開始し、登録ユーザー数が120万人を突破

森野さん
今のところ、mixi2は「昔のTwitter」みたいな雰囲気がありますね。ただ、フォロバ100%や怪しいDMみたいなものも早速見かけます(汗)。でも、広告がなく、imp(インプレッション)の概念がない分、変なアカウントが少ないという印象です。
竹内
僕もmixi2を使っていますが、交流会を通じてフォローいただいたり、DMでお仕事の相談をいただいたりして驚きました。どちらもポジティブな内容なので良かったですが(笑)。
森野さん
mixi2は、本当にしょうもないことを投稿しても、誰かしら反応をくれるのがいいですよね。それだけで嬉しくなるものです。

BeReal、日本市場で運用型広告と企業連携を加速!

フランス発の写真共有に特化したSNS「BeReal.」を運営するBeReal社は、2024年11月29日、日本市場広告責任者に笹川明人さんを任命しました。笹川さんはZ世代向け広告を推進し、2025年には運用型広告の開始を予定しています。日本市場でのユーザーベース拡大とさらなる市場展開が期待されています。

2024年12月6日には、Qoo10が「BeReal.」に公式アカウントを開設しました。これは日本企業として、BeReal.で公式アカウントを開設した初の事例です。このアカウントを通じて、Qoo10は日常のリアルな様子を発信し、顧客とのつながりを深めることを目指しています。

【Qoo10のBeReal.アカウントの特徴】

  • リアルな業務風景の発信
  • フォロワー限定の特別割引やイベント
  • 参加型クイズや投稿イベントで顧客交流を強化

BeReal.の「リアルな瞬間を共有する」という特性を活かし、Qoo10は特にZ世代に向けた親和性の高いマーケティング活動を強化しています。

森野さん
Bereal.は若い人が主に使っているので、Qoo10とユーザー層が重なっていて、良い取り組みだと思います。
舟本
他のECモールとは異なり、若年層に特化しているQoo10は、この分野で特に引きが強そうですね。
森野さん
Bereal.はTemuとも相性が良さそうですし、もし参入してきたら面白い展開になるのではないでしょうか。

12月のおすすめ記事

お時間がありましたら、下記の記事もご覧いただければです。事業者さんや支援事業者さんによる、事例を踏まえた内容となっていますので、日々の業務に何かしらお役に立つかと思います。ポッドキャストでは、配信者のお気に入りの記事について、コメントや取材の裏話をお伝えしています。ここではその一部を紹介しますが、気になる方はぜひお聞きください。

森野さんのお気に入り記事
森野さん
「他社がやっているから」「リアルの売り上げが減少しているから」といった理由でECを始めるケースが非常に多いです。しかし、それでは明確なコンセプトがなく、ただ売上だけを追い求める形になり、結果的にうまくいかないことがほとんどでしょう。ECに課題を感じている方にぜひ読んでいただきたい記事です。
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竹内
文化や国民性から「日本ではライブコマースは流行らない」という意見をよく耳にします。しかし、Myuの岩科さんのお話を伺うと、ショッピングとライブ配信がシームレスに結びついていないことが課題の一つなのではないかと感じました。ライブコマースに注力しようと考えている方には、ぜひ参考にしていただきたい内容です。
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舟本
「ECカンファレンス2024 秋」は、多くの企業さんにご登壇いただきました。このイベントレポートでは、その中から5つの講演をピックアップしてご紹介しています。内容が端的にまとまっているため、短時間でノウハウを得ることができるでしょう。2025年の運営や施策を検討されている方は、参考にしていただければと思います。

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