【2023年取材まとめ/後編】ページづくり・顧客コミュニケーション・ECサイトの立ち上げ

2023年は18の事業者様に取材を行いました。取材にご協力いただいた皆様にはお礼申し上げます。本日が2023年最後の更新日ということで、取材をさせていただいた事業者様の記事を僭越ながらまとめさせていただきます。

まとめるテーマの兼ね合いですべての記事をご紹介することはできませんが、年末年始にお時間の許す限りご覧いただけますと幸いです。

仕入れ商品を差別化するための商品ページづくり

商品の魅力を伝えるうえで商品ページの作り込みは非常に大切です。2年連続で楽天ショップ・オブ・ザ・イヤーを受賞したメンズファッション専門店「GENELESS」は代表取締役の矢田さんが商品の買い付けや発注からご自身で担当し、メーカーから事細かに情報収集をしています。その情報をもとに、ファッション業界での経験が長い矢田さんならではのお客様に伝わりやすい表現で、商品の情報を正確に伝えるための工夫を随所に凝らしています。

その細かい工夫を下記の記事にてまとめています。特にファッション系の事業者様はご覧いただきたく思います。

2023年にカラーミーショップ大賞で優秀賞を受賞した日用品や暮らしの道具を扱うお店「紡ぎ舎」を運営する増富さん夫妻のページづくりにも注目です。日本国内で丁寧に作られた「いいもの」を通じて人々の心や暮らしを豊かにしたいという想いの中で、「いいな」と思える商品に出会えると、まずは消費者として商品を買い、いち消費者として価格に対する満足度や使い勝手を判断しているとのことです。そこで良いと思えた商品にアプローチをし、実際に作り手とお話しながら魅力を深ぼっていきます。

他店でも扱われている商品を販売してはいますが、作り手から直接聞いたお話や作業風景など「紡ぎ舎」でしか発信できない情報を届けることがお客様に評価されているようです。具体的な商品ページのイメージはぜひ下記の記事からご覧ください。

どちらも共通しているのは、仕入れ商品でありながらもメーカーや作り手とのコミュニケーションにより取り入れた情報に独自の視点を織り交ぜたページづくりをしていることです。ECモールが直接商品を仕入れて販売する中で、資本力に勝る価値を提供するポイントとして参考になるのではないでしょうか。

お客様との接点を生み出すECのコミュニケーション術

情報発信の姿勢

企業によっては軽んじられていることもあるメルマガですが、その効果を侮ってはいけません。株式会社アルビオンでは友だち数が100万件以上いたLINE公式アカウントを休止し、メルマガの運用に専念します。メルマガを読んでくれるコアなファンに向けた情報発信が功を奏し、目に見えた効果を実感しているとのことです。コンテンツの作り方や各媒体におけるメルマガの重要度など、情報発信するうえで参考になる点が多い記事になっています。

新規のお客様にリーチする手段として、Instagramを活用している事業者の方は多いのではないでしょうか。アロハシャツブランド「Eanbe(いあんべ)」では2022年の4月頃には2,000人ほどだったInstagramのフォロワーが、投稿内容の軸を定めたことで2023年6月には2.1万人になりました。ブランド立ち上げ時は「商品をかっこよく見せること」を意識していましたが、途中からブランドの根幹である「いい気分」を自らの活動やライフスタイルで体現しているアーティストや芸人さん、ブランドやデザインのテーマに合う方をキャスティングしたことで反響が大きく変わります。具体的にどのようにクリエイティブに変化が起きたのか、記事の中に事例を掲載しています。

双方向のコミュニケーション

今やECサイトを運営していても、オンラインだけで施策を完結させることは少なくなりつつあります。その一つにポップアップストアが挙げられるでしょう。鎌倉に工房を構え、木工&アパレルブランドを展開する「KIBACOWORKS」ではポップアップストアを最初の頃は商業施設で開催し、苦戦したといいます。しかし、オンライン接客に力を入れ、お客様との関係が築けたことや開催場所にストーリーをもたせることで反応が良くなりました。「うちのお店には特に個性がないから」とお考えの事業者様にはぜひご覧いただきたい内容になっています。

販売されている商品が信頼できる人からの情報だと安心できますよね。ライフスタイルWebメディア「Women's Health」では2021年にそのメディアと連動する日本向けECサイト「Women's Health SHOP」をオープンしました。取り扱っている商品はバイヤーのいるECチームだけでなく、「Women's Health」の編集部を含めて、日々の生活で気になったものスタッフの顔出し、コメント付きで紹介しています。「Women's Health」に掲載する記事だけでなく、インスタライブも頻繁にやっていて、「顔が見えているこの人から買いたい」と思っていただけるのは大きなポイントだと話されていました。

双方向のコミュニケーションは売上向上のみならず新たな商品開発の着眼点を見つけるきっかけにもなり得ます。猫用品の専門店「nekozuki(ねこずき)」は「ネコ目線のモノづくり」にこだわり、他にはない特徴的な商品を販売しています。極力卸を行わずに販売することで、お客様からのお問い合わせを社内で直接受けられる体制を構築しているのです。混じり気のないお客様の声を聞くことにこだわり、そんな生の声が商品の開発や改良の種として活かされているといいます。

ECサイトを立ち上げ、継続させるには

食品卸を中心に展開する岐阜県恵那市の企業「株式会社ナカヤマ」は創業70年の老舗企業でありながら2020年のECサイト開設から、わずか2年で月商1千万円を超え、その後コロナ特需が明けた今も売上は安定的に成長しています。ITの知見を持っておらず、BtoBを中心に事業を展開していた企業が着実に売上を伸ばす事例は稀ではないでしょうか。

今回の成功した大きな要因は3つに分かれるかと思います。1つが既存業務の経験が浅いメンバーをアサインしたこと。2つ目が信頼できる実力あるパートナーとタッグを組めたこと。そして3つ目が会社全体の後押しがあったことです。下記の記事ではオフラインの卸中心の企業がECサイトの立ち上げをするうえでの苦労や成功までの流れについて記しています。

一方、ここ数年でインフルエンサーがブランドを立ち上げては、気づいた頃には終了しているケースが増えているかと思います。そんな中、着実に成長を続けているのがインフルエンサーであるりぃさんがディレクターを務める女性向けファッションブランドの「nairo(ナイロ)」です。

細部までこだわり抜かれて作られた商品はりぃさんご自身も愛用し、なおかつお客様の声を取り入れながらアップデートを繰り返しています。また、確実に商品を購入したい方がお買い求めになる仕組みとして「予約会」の制度を立ち上げ、受注生産で効率的な経営を行っているのです。新規顧客向けの取り組みやお客様対応など、P2Cブランドに限らずECサイトを運営する方にとって広く参考になるお話を伺ったので記事をご覧いただければと思います。

最後に

「ページづくり」「顧客コミュニケーション」「ECサイトの立ち上げ」の3つのテーマに分けて記事を紹介させていただきました。こちらで紹介させていただいた記事以外にも活きたノウハウが詰まった記事が多数ありますので、「こんなことを知りたい」という要望がございましたらお気軽にコマースピックのLINEアカウントからご連絡ください。また、ぜひウチに取材を!と思ったいただける事業者様がいらっしゃいましたらお気軽にご連絡ください。

それでは、1年間コマースピックをご覧いただきありがとうございました。2024年も引き続きよろしくお願いいたします。

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