相次ぐ情報漏洩やPHPの脆弱性でサイト停止、小売大手の再編も:EC関連ニュースまとめ【2026年10月】

日々の業務でニュースを追う時間が取れない方に向け、2026年10月のEC・ネット通販関連の主要ニュースをまとめました。今回は、個人情報漏洩やPHPの脆弱性に伴うサービス停止、小売・アパレル大手の企業再編を取り上げます。
本記事とは別に、運営堂の森野誠之さんとニュースを詳しく解説するポッドキャストも配信しています。お時間がある方は、あわせてお聴きください。
情報漏洩が相次ぐ、PHPの脆弱性でサービス停止も
個人情報漏洩が相次ぐ、外部サービス経由の被害も
10月は、EC・通販事業者やEC支援企業などで、個人情報の漏洩や不正アクセスに関する発表が相次ぎました。過去の事案の続報もあり、大規模な被害が明らかになっています。
EC・通販事業者では、ソースネクストで最大約2,252万件の情報が流出した可能性があり、ブックオフでは約643万件の会員データ、ふるさとチョイスでは約445万件の会員情報の流出が確認されました。ファンケル・アンドエスティHD・アテニア、ミスターマックス、ビューティガレージなども被害を公表しています。
EC支援・物流企業では、佐川急便で最大約5,323万件の個人情報が流出した可能性があり、Eストアーの「ショップサーブ」では約2,336万人が漏洩対象となりました。ヤマト運輸でも約526万件の顧客情報などの持ち出しが確認されています。
また、WASABI SWITCH、ブラストメール、Cuenote FCなどへの不正アクセスでは、複数の利用企業に影響が及びました。
PHPに重大な脆弱性、Webサイトやサービスの停止が相次ぐ
10月はJavaやNode.jsなどでもセキュリティ上の問題が公表されましたが、特に広く話題となったのがPHPです。10月21日に、開発・維持を担う「The PHP Group」が重大な脆弱性を修正した新バージョンを公開。悪用されると第三者にサーバーを不正に操作される恐れがあり、高市早苗総理もSNSで速やかな対応を呼びかけました。
基本的な対策はPHPを修正版に更新することです。すぐに更新できない場合には、攻撃を防ぐため、Webサイトやサービスの一時停止なども求められました。
EC業界でも、カラーミーショップ、makeshop、futureshop、受注管理システムのGoQSystemなどが緊急メンテナンスを実施。ベースフード、SUBARU、養命酒製造などはオンラインショップを一時停止し、楽天市場や資生堂オンラインストアでも一部機能が停止しました。
▼重大な脆弱性に関する緊急の注意喚起(The PHP Group)
https://www.php.net/archive/2026.php?utm_source=chatgpt.com#2026-10-21-5
▼PHPの脆弱性対策について(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619:PHP2shell)
https://www.ipa.go.jp/security/security-alert/2026/alert20261022.html?utm_source=chatgpt.com
▼高市早苗総理のXアカウント(@takaichi_sanae)
https://x.com/takaichi_sanae/status/2112890642590564386
今は攻撃する側も手軽にできる時代になっていますよね。今回で終わりではないと思うので、何かあったときの準備をしておいたほうがいいのではないでしょうか。
一昔前は、データは多いほうがマーケティングに活用できるから、とりあえず集めておこうという風潮もありました。でも今は、何を持って、何を持たないかを考えないといけませんよね。
AIでの分析なども考えると、きちんと狙いを持って必要最低限のデータを集めたほうが、何かとうまくいくと思います。PHPの件では、対応が早いところはちゃんと早かったですよね。
SaaSの場合、今回の対応方針も、今後使い続けるか乗り換えるかを考える材料になりそうですね。バージョンアップによって使えなくなる機能もあるので、そのあたりをどう考えるかもサービス運営のスタンスに出るのではないでしょうか。
利用者側も、バージョンアップのためのメンテナンスなら「仕方ないか」と受け止められるようになるでしょうし、そういう意識は変えていきたいですよね。
小売・アパレル大手で企業再編の動き
ドンキ運営のPPIH、日本トイザらスの事業を取得へ
ドン・キホーテなどを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)は10月1日に、日本トイザらスとの事業譲渡契約の締結を発表しました。
日本トイザらスは同日、民事再生手続き開始を申し立てており、PPIHは完全子会社を通じ、店舗とオンラインでの玩具・子ども用品などの販売事業を引き継ぐ予定です。裁判所の許可などを前提に、10月30日の譲渡を予定しています。
PPIHは、トイザらスの専門性とファミリー層の顧客基盤に、自社の商品調達力・販売力を組み合わせて玩具事業を強化します。大人向けホビーやキャラクター商品の拡充、店舗での体験価値向上も掲げています。
ワールドとTSIホールディングス、2027年3月に経営統合へ
ワールドとTSIホールディングスは10月14日に、共同持株会社「インフィニティ・ユナイテッド」を設立し、経営統合すると発表しました。株主総会や関係当局の承認などを前提に、2027年3月1日の実施を予定しています。
両社は生産・調達、物流、販売、情報システムなどの基盤を共通化し、コスト削減と成長投資の拡大を目指します。顧客情報の統合によるデジタルマーケティングの強化や、店舗とECを連携させた販売戦略も推進する方針です。
PPIHはこれまで玩具の分野が弱かったので、トイザらスとの組み合わせはちょうどいいですよね。大人向けの高額な商品も結構売れていますし。
おもちゃは、その場で買って子どもに渡せるのが店舗ならではの良さですよね。ただ、店舗とWebでは価格差も大きいので、誕生日など特別な日以外は、Webで買うことが多くなってしまいますよね。
ワールドとTSIのような大きな経営統合があると、また別の企業でも起こるんじゃないかと考えてしまいますよね。統合するのも大変ですけどね。
統合による負担を考えても、一緒になったほうがいいという判断なんでしょうね。消費者との接点だけでなく、生産や調達といった上流工程がどう変わるのかも注目したいです。
現場は大変でしょうね。統合によってサービスが変わり、これまで使えていたものがなくなることもありますからね。
10月のおすすめ記事
お時間がありましたら、下記の記事もご覧いただければです。事業者さんや支援事業者さんによる、事例を踏まえた内容となっていますので、日々の業務に何かしらお役に立つかと思います。ポッドキャストでは、配信者のお気に入りの記事について、コメントや取材の裏話をお伝えしています。ここではその一部を紹介しますが、気になる方はぜひお聞きください。
物流は運賃も上がり、状況もどんどん変わっています。EC事業者にも、出荷時間や時間指定の見直し、置き配の活用など、できることがあるんですよね。自分たちの都合だけでなく、配送を支える人たちの負担を少しでも減らすことで、結果的にサービス全体も良くなっていく。そんな視点で読んでほしい記事です。
SNSでは「再生数が多くても売れなければ意味がない」「再生数が少なくても売れればいい」といった議論があります。ただ、再生数を伸ばす投稿と、売上につなげる投稿では、それぞれ役割が違うんですよね。どちらが正解という話ではなく、それぞれの役割を実データで検証している点が面白い。SNSを運用している方にぜひ読んでほしいです。
10月に通販通信ECMOさんと共同制作した冊子「コマース通信」の巻頭インタビューで、イーザッカマニアストアーズの浅野さんを取材しました。お客様との向き合い方や、ブランドとしてのあり方が深く考え抜かれていて、本当にいいお話でした。私があれこれ説明するより、ぜひ読んでほしい内容です。記事から冊子のPDFもダウンロードできるので、あわせてご覧ください。
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