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クチコミから「選ばれる理由」を見つける。AI時代の店舗集客と店舗AIO

クチコミから「選ばれる理由」を見つける。AI時代の店舗集客と店舗AIO

皆さんは店舗を探すとき、どのように検索し、何を基準に選んでいますか。場所や価格、クチコミの評価に加えて、「自分に合う店かどうか」も気になるのではないでしょうか。

生成AIには、「車に詳しくないので、必要な整備を相談しながら決められる店を探している」と、自分の状況や希望をそのまま伝えて相談できます。ただ、「駅から3分」「車検対応」「評価4.5」といった情報だけでは、安心して相談できる店なのかまではわかりません。

そこで手がかりになるのが、クチコミに書かれた具体的な体験です。「必要な整備だけを説明してくれた」「初めてでも安心して相談できた」。こうした声から、星の数やクチコミ件数だけでは見えてこない、その店が選ばれる理由を読み取れます。

本稿では、AI検索や対話型AIで店舗が正しく理解され、生活者の相談内容に応じて候補に挙がる状態を整えていく取り組みを「店舗AIO」と呼びます。

クチコミを顧客理解のデータとして読み解き、店舗での体験やWeb上の発信に生かす。その視点から、店舗AIOの考え方と具体的な取り組みを紹介します。

この記事の執筆者

光山 誠一
ソウルドアウト株式会社

Web広告、CRM、新規事業開発を経て、2021年からGoogleマップを中心とした店舗集客支援に従事。多店舗企業を中心に、Googleビジネスプロフィール活用や店舗AIO、クチコミ・顧客の声を起点とした店舗マーケティング支援に携わる。現在は、店舗スタッフへの感謝・応援の声を集め、集客や接客改善などに活用する「スタッフバリュー」の事業責任者を務める。

AIで変わる店舗探しと、店舗が伝えるべき情報

これまでの店舗検索では「渋谷 ジム」「大阪 車検」のように、場所と業種を組み合わせて検索し、出てきた店舗を距離や価格、評価などで比較する方法が一般的でした。

しかし生成AIの普及により、自分の状況や希望をそのまま伝えて、店舗探しができるようになりました。たとえば、「運動初心者で、一人だと続くか不安。仕事帰りに相談しながら通えるジムはある?」「車に詳しくないので、必要な整備を相談しながら決められる店を探している」といった聞き方です。

Googleが2026年5月19日に公開した米国の利用データでは、Google検索のAIモード(AI Mode)で入力される質問は、従来のGoogle検索と比べて平均で約3倍の長さになっています。

出典:Google「How AI Mode is changing the way people search in the U.S.」(2026年5月19日)

店舗の検索方法の変化に伴い、店舗側が伝えるべき情報も変わります。

「駅から3分」「車検対応」「評価4.5」といった情報だけでは不十分で、「初めての利用でも、一つずつ説明してくれた」「必要な整備だけ提案してくれた」など、具体的な体験があると、その店舗を選ぶ材料が増えます。

店舗AIOでは、具体的な体験を通じて、「どんな悩みや希望をもつ人に、どのような対応ができる店舗なのか」を伝えていくことが重要になるのです。

クチコミに表れる、店舗が気づいていなかった価値

クチコミは、星の数や件数に目が向きがちです。ただ、一件ずつ読んでいくと、その数字の裏側には多くの情報があります。

「初めてで緊張したけれど、一つずつ説明してくれた」「自分に必要なものがわからなかったけれど、希望を聞いてから提案してくれた」など、「スタッフが親切だった」という評価ひとつとっても、誰が、どんな状態で来店し、どんな対応を受けたのかまで読むと、その店舗がどんな人に向いているのかが具体的になります。

私が責任者を務める店舗ビジネス向けソリューションツールの「スタッフバリュー」でも、店舗で生まれた顧客の声を集めています。店舗が打ち出している強みと、顧客から繰り返し評価されていることが違うケースは珍しくありません。

「品揃え」が強みだと思っていたら「自分に合うものを一緒に選んでくれること」が評価されている、「スピード」を訴求していたら「急かされず説明してくれること」のほうが多く書かれていた、といったことがあります。

店舗側が考えた訴求より、顧客自身が使った言葉のほうが、その店舗が選ばれている理由をうまく表していることがあるのです。

AIによる推薦条件はクチコミの件数だけではない

私たちは、AIによる店舗推薦とクチコミの関係についても調査しています。

都内のある主要駅周辺のパーソナルジムを対象に、「初心者でも通いやすい」「食事について相談できる」といった50種類の質問をAIに投げ、紹介された店舗や引用元を調べました。

その結果、クチコミ件数が最も多い店舗が、AIから最も多く引用されていたわけではありませんでした。また、平均評価がほぼ同じ店舗同士でも、AIからの引用回数には差がありました。

引用が多かった店舗のクチコミには、初心者への対応、食事、身体の悩み、トレーナーの知識など、さまざまな顧客体験が具体的に書かれていました。

整骨院を対象にした別の調査でも、長いクチコミが多いからといって、さまざまな検索で広く推薦されるとは限りませんでした。また、店舗によって、クチコミで語られている悩みや利用場面にはかなり違いがありました。

もちろん、この調査だけで「クチコミの内容がAIの推薦を左右している」とは言い切れません。公式サイトや外部サイト、立地など、AIが参考にする情報はほかにもあります。

そのうえで、AIに「どんな人に向いている店舗なのか」を理解してもらうには、クチコミの件数や長さに加えて、「どんな顧客体験が語られているのか」にも目を向ける必要があると考えています。

店舗の強みを、Webでも伝わる情報にする

店舗で良い体験が生まれていても、それがスタッフと顧客の間だけで終わってしまえば、Web上からは分かりません。店舗の特徴を伝えるには、基本情報とともに、そこでどんな体験ができるのかを具体的に記載する必要があります。

まずは基本情報。Googleビジネスプロフィールを最新の状態にし、Webサイトにも営業時間や住所などを正しく記載します(Webサイトでは、Googleなどの検索サービスが情報を読み取りやすいように、専用の形式でコードに記載する「構造化データ」という方法もあります)。

次に、店舗での体験を記載します。「初心者でも相談しやすい」「必要以上の提案をしない」「子ども連れでも利用しやすい」といった特徴を、店舗ページで具体的に説明し、よくある質問では利用前の不安に答える情報を載せます。

さらに、クチコミに実際の体験が書かれていたり、地域メディアの記事でその特徴が紹介されていたりすると、「どんな店舗なのか」を判断する材料が増えていきます。

Googleも、AIによる概要やAIモードに表示されるためだけの特別な仕組みは必要ないと説明しています。重要な内容を文章で掲載すること、構造化データと実際のページ内容を一致させること、Googleビジネスプロフィールを最新に保つことなど、これまでの基本的な情報整備を推奨しています。

出典:Google Search Central「AI機能とウェブサイト」「Local Business(LocalBusiness)構造化データ」

顧客が店舗の何を評価しているのかを把握し、その価値を公式サイトや店舗情報に反映していく。現場で生まれている強みをWeb上でも伝わる情報にしていくことが、店舗AIOでは重要です。

ECで行っている顧客理解を店舗でも行う

ここまでの話は、ECに携わる方には馴染みがあるはずです。

ECでは購入データに加えて、サイト内検索や商品比較、問い合わせ、レビューなどを見ながら、商品ページやよくある質問、広告、顧客への案内を改善していきます。

リアル店舗でも、同じくらい豊かな情報が日々生まれています。スタッフに聞けば、「初めて来る人はここを勘違いしています」「最初は価格を気にしていたけれど、最後はこの部分で決めていました」といった話が出てきます。

でも、その情報が本部に届いていない企業は珍しくありません。売上や契約した商品、来店数はわかっていても、「なぜこの人が、この店舗を選んだのか」は残っていない。ここに、リアル店舗のもったいなさがあります。

その情報をクチコミや簡単な聞き取りなどを通じて少しずつ残せるようになれば、店舗集客以外にも活用できます。商品ページの表現、よくある質問のテーマ、広告で使う訴求、ECサイトのコンテンツなどにも展開できるでしょう。

店舗で得た顧客理解を、店舗の中だけで終わらせず、ほかの接点にも活かす。この循環は、AI検索が広がるほど重要になっていくはずです。

まずは自社が選ばれたい質問をAIに聞いてみる

店舗AIOについて考えるなら、一度、ChatGPTやGeminiなどに、自社が選ばれたい質問を投げてみるとわかりやすいかもしれません。

たとえば、「○○市でおすすめの美容室」より、「初めてで何を相談すればいいかわからなくても行きやすい美容室は?」と、実際の顧客に近い質問をします。

自社が出るかどうかに加えて、ほかの店舗がなぜ紹介されているのかにも注目します。「初心者向け」と紹介された店なら、その根拠になりそうな情報が公式サイトやクチコミ、地域メディアなどにあるかを見ます。

そのあと、自社の顧客の声を見ます。「初心者でも安心」といっているなら、それを裏づける体験が本当にあるか。どんな不安を、どんな対応で解消したのかまでわかる情報があるかを見ます。

さらに店舗の現場も確認します。クチコミで評価されている体験が、一部のスタッフだけになっていないか。店舗として再現できているかを考えます。

最後に、公式情報を見ます。顧客から何度も評価されている価値なのに、店舗ページやよくある質問には一度も書かれていない。こうしたことはよくあります。

ここまで確認すると、次の4つの間にあるズレが見えてきます。

  • 会社が伝えたいこと
  • 顧客が実際に評価していること
  • 店舗で実際に起きていること
  • Web上の情報

店舗AIOでは、このズレを見つけて修正するところからはじめるとよいでしょう。

店舗AIOは「選ばれる理由」を見つけ、育て、伝える活動

顧客の声から選ばれる理由を見つけ、その体験をほかのスタッフや店舗でも再現できるようにし、公式情報にも反映していく。

「選ばれる理由を見つける → 店舗体験として育てる → 公式情報として伝える」

この循環をつくることが、店舗AIOでは重要です。

すべての質問でAIにおすすめされる必要はありません。大切なのは、自社が誰に、どんな理由で選ばれたいのかを明確にし、実際の顧客体験と発信する情報を近づけていくことです。

クチコミを星の数や件数だけで見るのではなく、顧客理解のためのデータとして見る。店舗AIOは、AIのためだけの施策ではなく、自社の商売と顧客への理解を深める活動でもあります。

最後に:「スタッフバリュー」紹介

ソウルドアウトでは、多店舗企業・店舗ビジネスのための、スタッフ起点の顧客の声活用サービス「スタッフバリュー」を開発しました。

https://www.staff-value.com/

現場で生まれる「ありがとう」をその場限りにせず、スタッフ・店舗・本部へ確実に届けることで、次のお客様が来店する理由(集客力)へと還元する仕組みです。

すでに複数の店舗企業で導入が進んでおり、クチコミ件数の増加や評価向上といった成果が出ています。

【主な導入効果・実績例】
・クチコミ投稿ペースが約5倍に増加(平均評価が3.80から4.73へ向上)
・クチコミ内で「接客・対応」に触れる割合が約42%から約80%へ向上
・導入後3か月間のクチコミ件数が導入前比で約3倍に増加

ご関心をおもちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください!
https://www.staff-value.com/

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この記事を書いた人

光山 誠一 / ソウルドアウト株式会社
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