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閉店後の再出発に「おかえり」の声。イーザッカマニアストアーズの信頼づくり【コマース通信】

閉店後の再出発に「おかえり」の声。イーザッカマニアストアーズの信頼づくり【コマース通信】
株式会社ズーティー イーザッカマニアストアーズ 店長 浅野かおりさん
記事の概要

一度は閉店したECショップの再出発を、顧客が「おかえり」と迎える。なぜ、イーザッカマニアストアーズは長年にわたり支持されてきたのでしょうか。

2026年10月、EC業界向け情報誌『コマース通信 2026 Autumn』を発行しました。通販通信ECMOを運営するユニメディアが発行元となり、コマースピックが企画・編集・制作を担当した全32ページの冊子です。

本記事から全4回にわたり、掲載内容の要点とEC運営のヒントを紹介します。今回は、巻頭インタビューに登場した浅野かおりさんが大切にするブランドづくりの考え方と、本誌の3つの特集「AIコマース」「越境EC」「運営効率化」の見どころをお届けします。

閉店しても失われなかった、顧客とのつながり

楽天ショップ・オブ・ザ・イヤーを通算11回受賞したアパレルEC「イーザッカマニアストアーズ」。同店は一度閉店を余儀なくされましたが、2025年10月末に再始動を果たしました。しかし、その再出発にはさまざまな苦労があったのです。

以前は自社ECや複数のモールに出店していましたが、再開時は販売チャネルが限定されていました。特に難しかったのが、以前のお客さんに再開の情報を届けることです。モールに紐付いているお客さんには、そのモールでしか情報を得られない方も多く、再開のお知らせを届けるのに苦労したといいます。

それでも、再開のニュースが広がると、SNSには「おかえり」という声があふれ、レビューなどでも「帰ってきたんだね」「ずっと待っていました!」といった反応が寄せられました。浅野さんが再出発を通じて実感したのは、「お客さんがそこにいてくれた」という事実でした。このエピソードは、ECにおける顧客との関係性を考えるうえで示唆に富んでいます。

ECでは、売上や購入頻度、リピート率などの数値を通じて顧客との関係を把握します。しかし、そうした数値だけでは捉えきれない価値もあります。販売チャネルが変わっても、再びその店で買いたいと思ってもらえること。顧客の記憶に残り続けるブランドであることは、短期間では築けない強みといえるでしょう。

年齢で顧客を区切らない「卒業しないでいいお店」

同店が掲げる「卒業しないでいいお店」というコンセプトにも、特徴的な考え方が表れています。浅野さんは、マーケティングで用いられる「ペルソナ」や「ターゲット」という言葉に、以前から違和感を抱いていたと話します。

実際の顧客は10代から80代まで幅広く、20代の頃に購入した人が40代、50代になっても着続けているケースがあります。母親が着ていた服を娘が着るなど、世代を超えて商品が愛用されることもあるそうです。こうした顧客の姿から生まれたのが、「年齢を理由に、好きだったテイストを諦めなくていい」というコンセプトです。

ECのマーケティングでは、顧客を年齢や属性で分類し、対象を絞り込むことが一般的です。それ自体は有効な方法ですが、分類によって顧客の可能性まで限定してしまうことには注意が必要でしょう。イーザッカマニアストアーズでは、実際のお客さんの暮らしや行動を見つめるなかで、ブランドの価値を言語化してきました。その考え方は商品づくりにも反映されています。

例えば、同店が大切にする品質基準は「お下がりできる品質」。流行を追いかけすぎず、手頃な価格であっても長く着続けられる商品を目指しています。特定の年代だけに合わせるのではなく、ライフステージが変わっても使い続けられる商品をつくる。そうした一貫した姿勢が、幅広い世代からの支持につながっていると考えられます。

「嘘をつかない」を徹底することが、ブランド価値になる

今回のインタビューで、特に注目したいのが「嘘をつかない」という言葉です。浅野さんは、割引率やポイント還元などの見せ方によって購入を誘導する手法について、短期的には売上につながっても、顧客が「騙された」と感じれば信頼は崩れてしまうと指摘しています。そのため、同店では商品や接客における透明性を重視しています。

例えば、顧客から届いた厳しい意見も、単に隠すのではなく、どう改善すればよいかをスタッフ全員で考えます。また、レビューの確認や共有を細かく義務化するのではなく、スタッフが自発的に顧客の声を話題にできる文化を大切にしているそうです。

「嘘をつかない」というのは、商売において当たり前のことかもしれません。しかし、売上目標や競争があるなかで、目先の成果よりも顧客との信頼を優先し続けるのは容易ではありません。

だからこそ、それを商品づくりから日々の顧客対応まで一貫させることに価値があります。再出発を待ち望んでいたお客さんの存在は、そうした日々の積み重ねが、ブランドへの愛着につながっていたことをうかがわせます。

本誌では、このほかにも顧客の声からヒット商品が生まれた経緯や、売れ残った2万枚のボアコートをめぐるエピソード、売り手と買い手の垣根を越えた今後の構想などを紹介しています。いずれも、同店が大切にする考え方が、実際のEC運営でどのように形になっているのかを知ることができる内容です。

巻頭インタビューは本誌4〜7ページに掲載しています。詳しくは、PDF版をダウンロードしてご覧ください。

▼『コマース通信 2026 Autumn』無料ダウンロードはこちら
https://support.tsuhannews.jp/cm-202610/

『コマース通信』では、これからのECを3つのテーマで特集

巻頭インタビューでは、長く選ばれ続けるブランドの根底にある考え方を取り上げました。

一方、『コマース通信』の特集では、これからのEC事業を考えるうえで重要な「AIコマース」「越境EC」「運営効率化」の3つのテーマに焦点を当てています。

AIコマース:AI時代、自社ECの価値はどう変わる?

生成AIの普及によって、消費者の商品探しや比較の方法が変わり始めています。フューチャーショップとW2へのインタビューでは、AI時代に重要性を増す顧客のリアルな声や一次情報の蓄積、モールと自社ECの使い分け、購入判断を助ける「メディアコマース」の考え方を紹介しています。

越境EC:海外で売れる商品と市場をどう見極める?

国内市場の競争が激しくなるなか、海外販売は新たな成長機会の一つです。ZenGroupとショッピージャパンへのインタビューでは、海外で支持される商品の特徴や、販売する市場の選び方、国内ECの運営経験を生かした海外展開の進め方などを取り上げています。

運営効率化:売上が増えても業務負担を増やさない仕組みとは?

販売チャネルや受注量が増えるほど、ECのバックヤード業務は複雑になります。コマースロボティクスとキャプサーへのインタビューでは、受注・出荷業務の自動化や、多店舗運営の効率化を紹介。従来18人で対応していたEC運営業務を、わずか2人で対応できるようにした事例も掲載しています。

これら3つのテーマは、「どう選ばれるか」「どこで売るか」「どう運営するか」という異なる視点から、EC事業の成長を考えるものです。

新たな技術や市場の可能性を知るだけでなく、自社では何を見直すべきなのか。その判断につながるヒントを探っています。

次回は「AIコマース」。AI時代に求められる自社ECの役割とは

次回は「AIコマース」を取り上げます。フューチャーショップの安原貴之さんと、W2の鴨下文哉さんのインタビューをもとに、AI時代における自社ECの価値や、モールとの役割分担について考えます。

両社の話に共通するのは、商品情報だけでなく、顧客の実体験や購入判断に役立つ情報を蓄積していくことの重要性です。今回の巻頭インタビューでも、顧客の声を商品づくりや日々の運営に生かす取り組みが紹介されました。

AIがコンテンツを大量に生成できる時代だからこそ、実際の顧客とのやり取りから得られる情報には、どのような価値があるのでしょうか。次回は、2社の見解からそのヒントを探ります。

『コマース通信 2026 Autumn』を無料で読む

『コマース通信 2026 Autumn』では、今回紹介した浅野かおりさんへの巻頭インタビューに加え、AIコマース・越境EC・運営効率化の3テーマについて、計6社へのインタビューを掲載しています。

全32ページの本誌では、各社の具体的な取り組みや考え方を詳しく紹介しています。PDF版は無料でダウンロードいただけます。今後のEC運営を考える際の参考に、ぜひご覧ください。

▼『コマース通信 2026 Autumn』無料ダウンロードはこちら
https://support.tsuhannews.jp/cm-202610/

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