
日々の業務でニュースをキャッチアップする時間がなかなか取れない方もいらっしゃると思います。そこで、2022年8月のEC・ネット通販関連ニュースをまとめました。今回は、2021年における「物販系分野のBtoC-EC」と「ふるさと納税」の市場規模を中心にみていきます。
また、運営堂の森野さんとニュースの詳細解説をポッドキャストにて配信しております。お時間がある方はこちらも合わせてチェックしていただければと思います。
拡大するEC市場に伴う社会問題
経済産業省は、2021年における日本の電子商取引市場の実態などについて調査し取りまとめました。その調査によると、物販系分野のBtoC-EC市場規模は、2020年の伸長率が21.71%に対して、2021年は8.61%と鈍化していますが、それでも1兆円以上増加し、13兆2,865億円となっています。EC化率は2020年が8.08%に対し、2021年は8.78%です。
また、2021年度の通信販売市場の売上高は、2020年度比7.8%増の11兆4,600億円と公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)が発表しています。金額ベースでは前年に比べ8,300億円の増加です。2020年は新型コロナウイルスの影響による巣ごもり消費で、20%以上の伸び率でしたが、2021年は例年並みの伸び率となりました。
ECの市場規模は依然と拡大していることがわかります。それに伴い、宅配便個数やクレジットカード不利用被害は増加し、社会問題となっているのです。
宅配便個数の増加問題を解決すべく、ヤフーをはじめ、さまざまな企業が模索をしています。また、不正注文対策を講じる事業者も多く、課題解決に向けて業界全体で取り組んでいることが伺えます。
他にも、サブスクリプションサービスを採用する事業者が増え、トラブルが多くなったことを受けて、2022年6月に特定商取引法の改正が施行されました。これにより、EC事業者はカートにおける「最終確認画面」において、契約事項を顧客が簡単に確認できる形での表示が義務付けられます。
拡大するEC市場において、消費者の行動やニーズ、また事業者が進めるべき取り組みが変化していることを認識し、事業の舵取りを進めていく必要があるでしょう。




年々増加するふるさと納税の市場規模と格差問題
2021年度のふるさと納税の寄附額は8,302億円で、2020年度比で120%超の結果となりました。経済波及効果は、推計2兆8,044億円で寄附額の3倍以上といわれています。寄附者は過去最多の740万人ですが、日本の人口の12.45%であるため、まだまだ成長の余地があると思われます。
納税受入額が最も多い都道府県は、北海道で1,200億円以上となっており、最も少ない徳島県の20億円と比べて、その差は60倍以上になります。北海道は自治体数が179に対して、徳島県は24であるものの、1自治体あたりの受入額を比較しても、6億8,000万円と8,600万円で大きな差があります。
ちなみに、1自治体あたりの受入額が最も多いのは宮崎県で17億8,000万円、最も低いのは奈良県で6,700万円です。県内総生産(内閣府、平成30年データ)において両県は非常に近い金額ですが、30倍以上の差があるのは驚きではないでしょうか。
また、ふるさと納税は各自治体が寄附を受けるためにポータルサイトを利用する必要があります。全体的に自治体が契約するポータルサイトの利用数は増加傾向にあるようです。しかし、ポータルサイトの利用数は自治体によって大きく差があり、1サイトから21サイトとなっています。
本調査レポートでは、ポータルサイトの利用数と寄附額の関係は緩やかに比例しているものの、サイト数を増やせば必ず寄附額が増えるともいえない程度のばらつきがあると述べられています。各自治体は平均で約4サイト利用していることから、まずは主要なポータルサイトへの参加から始めていくのが良いことがわかります。




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