地域としてのふるさと納税の取り組み度合いを分析するため、都道府県ごとに1自治体あたりの平均寄附額を整理しました。1位の宮崎県は都城市、都農町が牽引し、2位の佐賀県はどの自治体も水準が高く、3位の山梨県は富士吉田市を始め、3割以上の自治体で10億円を超えていました。都道府県別合計寄付額であれば圧倒的に1位の北海道が平均では平均11位に下降し、逆に26位の福井県が9位に上昇と、大きな変動がありました。

分析の背景
ふるさと納税における都道府県の役目は大きくなっています。共通返礼品の設定や総務省との調整により、寄付額の増加に貢献しています。また、都道府県内の自治体の競争意識、ノウハウやネットワークの共有意識等により、都道府県内の自治体の競争戦略は異なっています。それらの戦略がどのように数字に反映されるのかを分析していくとともに、都道府県の特徴も探っていきます。

「令和3年度ふるさと納税の都道府県別に1自治体あたり平均寄付額を分析」の主な結果
■1位から10位
数値のバラツキを示す分散も計算し分析しました。飛び抜けた少数の自治体で寄付を集めている宮崎県と平均的にどの自治体も寄付を集めている福岡県が対照的になっています。。宮崎県都農町がふるさと納税制度から指定除外になりますので、令和4年度にはこの順位から下落する可能性が高くなるかもしれません。

■11位から20位
北海道は自治体の数が179と他の都道府県と比較しても非常に多く、また小規模な自治体も多いこともあり、自治体間の寄付額格差が大きくなっています。大分県はこのグループでは唯一100億円を割り込んでいますが、どの自治体も平均して寄付額を伸ばしています。


■21位から30位
長野県も77と自治体数が多く北海道と同様に小規模自治体が多いため、平均では順位を落としました。四国地方では香川県が最も高い順位となり、観音寺市が牽引しています。

■31位から40位
中国地方では鳥取県が順位が最も高くなっています。中国地方の都道府県は全て30位以下となっています。


■41位から47位
東京都が46位となり、奈良県を上回りました。山口県、徳島県、奈良県は20億円台の寄付額であり、1自治体あたりの寄付額も相対的に厳しい結果になっています。

今回の分析を通じて
大きな差がついている、というのが正直な感想です。奈良県の1自治体あたり寄付額は宮崎県と比較して、約30分の1でした。県内総生産(内閣府、平成30年データ)において両県は非常に近い金額になっており、これほど寄付額に差は出るとは想定以上でした。地域産品の競争力に左右されるとはいえ、共感できる寄付の使い道を丁寧に説明、寄付者とのコミュニケーション強化し評判を高める、地域産品のブランド化を進める、ポータルサイトの拡充する、共通返礼品を採用して県全体で対応する、などの打ち手もあるのではないかと考えています。今後、これらの格差が市場の成熟とともに解消されることを願っています。

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