電通の「2023年 日本の広告費」から読み解くネット広告のトレンド!EC関連ニュースまとめ【2024年3月】

日々の業務でニュースをキャッチアップする時間がなかなか取れない方もいらっしゃると思います。そこで、2024年3月のEC・ネット通販関連ニュースをまとめました。今回のテーマは、「2023年における広告費およびインターネット広告媒体費」です。

本記事とは別に、運営堂の森野さんとニュースの詳細解説をポッドキャストにて配信しております。お時間がある方はこちらも合わせてチェックしていただければと思います。

2023年における広告費は7兆3,167億円と過去最高

電通社が毎年発表している、日本の総広告費と媒体・業種別広告費を推定した「日本の広告費」が今年も発表されました。

2023年の日本の総広告費は7兆3,167億円(前年比103.0%)で、2022年に続き過去最高を更新。そのうち、インターネット広告費は3兆3,330億円(前年比107.8)と伸長し、総広告費の45.5%を占める結果になりました。

特に、物販系ECプラットフォーム広告費は、2,101億円(前年比110.1%)と2023年も二桁成長しています。巣ごもり特需として伸長した家電やインテリアなどの業種は低調な結果だったそうですが、コロナ禍前の2019年から4年で市場規模がほぼ倍増していることから、成長の著しさを伺えるのではないでしょうか。

一方、マスコミ四媒体広告費は2兆3,161億円(前年比96.6%)と、2023年も減少を続けています。マスコミ四媒体由来のデジタル広告費は1,294億円(前年比106.9%)と全体では増加していますが、ラジオデジタルとテレビメディアデジタルが大きく牽引し、新聞デジタルと雑誌デジタルは伸び悩んでいることがわかります。

プロモーションメディア広告費に関しては、2022年の1兆6,124億円 (前年比98.3%)から2023年は1兆6,676億円(前年比103.4%)と、一転して増加しました。プロモーションメディア広告費とは、屋外・交通・折込・DM・フリーペーパー・POP・イベント・展示などの広告を指します。2023年に大きく伸びた理由として、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う各種イベントの再開や大規模化、そしてインバウンド需要の回復が挙げられています。

森野さん
わざわざ紙の新聞を読む理由がないですし、テレビも見る必要がないですからね。広告費が減るのは仕方ないかと……。
舟本
インターネット広告費が伸び、マスコミ四媒体広告費が縮小するのは時代の流れでしょうね。
森野さん
マスコミ四媒体広告費の中で雑誌広告費は増えていますが、違和感はなく、そうだろうなと思います。
竹内
購読される方が一定数いますからね。付録目的で雑誌を買う人も多いかと。うちの妻もその一人です(笑)

2023年におけるインターネット広告媒体費のトレンド

「2023年 日本の広告費」のインターネット広告媒体費について、国内電通グループのデジタル領域を牽引するCCI社・電通社・電通デジタル社・セプテーニ社の4社が、広告種別や取引手法別などの切り口でさらに詳しく分析されています。

広告種別で見ると、構成比が39.9%と最も多い検索連動型広告は1兆729億円(前年比109.9%)ですが、成長率では構成比が25.5%のビデオ(動画)広告が最も高く、6,860億円(前年比115.9%)という結果に。ソーシャル広告に関しては、9,735億円(前年比113.3%)で、インターネット広告媒体費に占める構成比は36.2%となり、こちらも大きく伸びています。

取引手法別で見ると、運用型広告は2兆3,490億円(前年比110.9%)で、構成比は87.4%となりました。純広告やタイアップ広告などの予約型広告は2,648億円(前年比100.0%)とほぼ横ばいです。一方、成果報酬型広告は、2022年の965億円(前年比102.7%)から2023年は732億円(前年比75.8%)と、一転して大きく減少していることがわかります。

2024年のインターネット広告媒体費は2兆9,124億円(前年比108.4%)と予測されており、引き続き堅調に伸長するとのことです。

森野さん
検索連動型広告は皆さん、出稿されますよね。市場が飽和し、クリック単価が上がっているので、そりゃあ広告費は増えるかと。
竹内
ただ今後はAIの登場によって、市場が拡大しているにも関わらず、働き手は減っていくなんてこともありそうですね。
森野さん
成果報酬型広告は、あれだけ規制が入ってしまうと、リスクが高くて出稿を見送くる企業が増えてしまうのは致し方ないことかと思います。
舟本
加えて、今後はクッキーの規制が強化されることになるので、成果報酬型広告の市場はますます厳しくなりそうです。

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お時間がありましたら、下記の記事もご覧いただければです。小売事業者さんや支援事業者さんによる、事例を踏まえた内容となっていますので、日々の業務に何かしらお役に立つかと思います。

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