
なんとなくマーケティングをしていませんか?
当社は、企業のマーケティング支援を行っていますが、最近「コストは増えたが、マーケティングの成果が出ない。」というお悩みが多く寄せられるようになりました。詳しくお伺いすると、競合と同じようなマーケティング施策をしており、自社の差別化ができていないケースがほとんどです。
マーケティングの施策は多様化し、チャネルも増えています。「周りの会社もやっているから」、「流行っているから」と、インフルエンサー施策、各種SNSアカウントでのコンテンツ制作、キャンペーンなどをなんとなく実施しているEC事業者の方も多いのではないでしょうか?
マーケティングノウハウが手に入りやすくなったこともあり、他社の模倣の難易度は下がっています。しかし競合全社が同じマーケティング施策を実施するとしたら、最後は資金力勝負になってしまいます。資金を投下し続けられた企業が勝つことになり、消費者に個々の商品の良さは伝わりません。やみくもにマーケティングにコストと時間をかけても、今後はさらに結果が出づらくなると予測されます。
差別化にはコンセプトの確立が必要
では、そこでやるべきことは何でしょうか。
マーケティング施策を実施する前に最も大事なこと。それは、自社のコンセプトを確立することです。
コンセプトとは、マーケットが求める 「新しさ」 と、 自社が提供する価値との接点のこと。当社では、新しい価値の設計図だと定義しています。
コンセプトこそが、全ての起点です。自分たちの本質的な強みや価値がわかれば、コンセプトが最も伝わるマーケティング施策も自ずと見つかります。他社の真似をしたり、流行っている手法をやみくもに試す必要はありません。
ECを展開されている企業における、コンセプトが秀逸な事例でいうと、「北欧、暮らしの道具店」が浮かびます。同社は「フィットする暮らし、つくろう。」をコンセプトに掲げており、発信するコンテンツがコンセプトに沿って統一されています。
多様な人の「暮らし方」のストーリーを発信しており、見た人が自分にフィットする「暮らし」だと感じたら、その中で使われている商品を購入検討できるという流れです。私も、ファンで定期的にYouTubeやECサイトを見ているのですが、すべてにストーリーがあり、コンテンツのトーンが統一されているのは素晴らしいことだと感じています。
当社がご支援した事例ですと、とあるペットメーカーさんで「ペット商品はコミュニケーションツールだ」というコンセプトを見つけました。
コンセプトが定まり、判断基準ができたことで、まずは商品選定にブレがなくなりました。「この餌はペットとコミュニケーションを取れるものか?」と確認していくことで、自社に合う商品ラインナップを揃えることができたのです。加えて「売れるかもしれないけど、自社が売る必要のない商品」が見極められるようにもなりました。
SNS発信についても同様です。「ペットとのコミュニケーション」というコンセプトにあった発信をすることで、テーマに共感したフォロワーが増え、SNS経由の購入も増えていきました。
もし単純にフォロワー数だけを増やそうとした場合には、違うSNS投稿テクニックが近道かもしれません。ですがコンセプトに合わない投稿によって増えたフォロワーが、自社のファンになり商品を購入するかというとどうでしょう。CVRはきっと下がりますよね。
しかしSNS運用において「売上を上げる」とか「フォロワー数を増やす」という目標設定を掲げてしまうと、ズレが起こってしまいます。
ですので、まずは最初にコンセプトを定め、すべての行動において「コンセプトに沿っているか?」という判断基準を設けることが非常に大切なのです。
強調したいのは“現時点で”、という部分。コンセプトは、事業フェーズによって変化していくからです。
成長に合わせて変わるコンセプト
ECサイトが成長し、販売する商品の幅が広がったり、サポート体制が拡充された場合、自社の強みや価値も当然変化しているはずですよね。ですからコンセプトを変更し、そこからまた新たな戦略を組み直すことになります。
変わることは、ブレることではありません。この場合の変化は進化です。ただ、コンセプトや営業戦略、マーケティング戦略を立てて連動させる必要があります。
ノウハウが手に入れやすくなったこともあり、マーケティングがテクニックで勝てる時代は終わっていくでしょう。これからはコンセプトに基づくマーケティングで差別化することが重要になっていきます。マーケティングで成果が出ないと悩むEC事業者の方は、まずは自社コンセプトを見直してみてください。
次回は、具体的なコンセプトの見つけ方についてご紹介いたします。
株式会社EXIDEA
https://exidea.co.jp/
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