
日々の業務でニュースをキャッチアップする時間がなかなか取れない方もいらっしゃると思います。そこで、2022年6月のEC・ネット通販関連ニュースをまとめました。今回は、「物価高騰が与える消費者と企業への影響」と「日本で広告事業を開始するPinterest(ピンタレスト)」を中心にみていきます。
また、運営堂の森野さんとニュースの詳細解説をポッドキャストにて配信しております。お時間がある方はこちらも合わせてチェックしていただければと思います。
物価高騰が与える消費者と企業への影響
消費者の動向
新型コロナウイルスやロシア・ウクライナ情勢などが理由で原油や原材料費が高騰している中、急激に進む円安は仕入れコストの上昇に拍車をかけています。
インテージ社の調査によると、食品を中心に店頭販売価格が高騰しており、今後は日用品などにも影響してくるとのことです。
そのような状況から、新型コロナウイルスの影響は薄れているものの、物価の上昇で7月の消費意欲指数(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)は伸び悩むだろうと、シンクタンク博報堂生活総合研究所は発表しています。
また、向こう半年間の消費者マインドを示す消費者態度指数は、どの年齢層も低下していますが、高齢層は他の年齢層と比べて低下幅が大きいというデータが出ています。



企業の動向
帝国データバンクのアンケート調査によると、店頭販売価格は上がっているものの、小売業をはじめ、仕入れコストの上昇分を販売価格やサービス料金にすべて転嫁できている企業は6.4%だそうです。
価格転嫁率は44.3%と半分以下となっています。つまり、仕入れコストが100円上昇した場合に44.3円しか販売価格に反映できていないのです。
販売価格に反映するために、価格は据え置いたまま商品の重量・容量を減らすといった取り組みをしている企業も少なくありません。
ステレス値上げとも呼ばれるこの取り組みですが、「仕方がない」と思う方もいれば、「不快に感じる」方もいます。プライシングスタジオ社の調査によると、26~35歳ではネガティブな意見が多くみられるそうです。そのため、商品のターゲット層が26~35歳である場合は、ステレス値上げは慎重に検討したほうがよいとアドバイスしています。



日本で広告事業を開始するPinterest(ピンタレスト)
コロナ禍で、ロックダウンや外出規制により、ECとSNSの利用が大きく増えました。海外ではECはShopify、SNSはPinterestが急成長し、注目されています。
ShopifyのようなECサイトを簡単に立ち上げられるプラットフォームが広がるとともに、D2Cというビジネスモデルが盛り上がりを見せています。D2C事業者はSNSを活用して認知を拡大する中で、PinterestなどのSNSを提供する企業もECの可能性に目を向け、取り組み始めるのです。
グローバルのMAUで4億人を超えるPinterestは本格的に日本へ参入していませんでした。2022年6月1日の発表により、広告事業を行います。日本国内のユーザー数はまだまだ少ないPinterestですが、グローバルではTwitterを上回るユーザー数を保有しています。日本人向けの販促のみならず、海外展開を考えている事業者にとっても活用できる販促手段になるのではないでしょうか。
また、AI を活用したファッション通販プラットフォーム「THE YES」を買収し、Pinterest本体としてECにも注力する様子が伺えます。
Pinterestが日本で広告事業を開始するという発表を受けて、国内の広告代理店などが対応します。代表的なところでいうと、ソウルドアウト社やコムニコ社、フィードフォース社です。今後、事例が増えると共に、Pinterestを活用する事業者や支援事業者は増えていくでしょう。


6月のおすすめ記事
お時間がありましたら、下記の記事もご覧いただければです。小売事業者さんや支援事業者さんによる、事例を踏まえた内容となっていますので、日々の業務に何かしらお役に立つかと思います。
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