EC業界最前線!TikTokを活用した中長期的マーケティング戦略の秘訣【セミナー体験レポート】
イベントの概要

企業のTikTok広告配信ソリューションを提供している「TikTok for Business Japan」が、2022年4月27日・28日の2日間、「#ForYou Summit2022」を開催しました。さまざまなセッションが開催された中から、本記事では、28日に開催された「EC業界最前線 TikTokを活用した中長期的マーケティング戦略の秘訣」の要点を紹介します。

本セッションは、「DUO(デュオ)」「CANADEL(カナデル)」など人気のスキンケアブランドを展開するプレミアアンチエイジング株式会社(以下、プレミアアンチエイジング)のTikTok活用について解説されました。同社のTikTok活用においては、マーケティングDX支援を手掛ける株式会社ピアラ(以下、ピアラ)が支援を行っています。

【登壇者】
岩本 隼人さん
プレミアアンチエイジング株式会社

市村 光希さん
株式会社ピアラ
BuzzCreate事業部 部長

辻 香菜子さん
TikTok for Business Japan
Global Business Solutions

高木 詩織さん
TikTok for Business Japan
Global Business Solutions

マーケティングにおける広告出稿媒体の選定基準

岩本さん(プレミアアンチエイジング):各社それぞれの広告出稿媒体の選定基準があるかと思いますが、弊社としては、TV・デジタル・リテールとあらゆる場面でブランドに触れる機会を作る、フルファネル型のポートフォリオを作ることに重きを置いています。とは言え、同一チャネルでの複数回接触はなるべく避けています。なぜなら、チャネルを横断して、チャネルごとに目的に合わせたメッセージを発信することが、ブランドへの好印象を増すという考えがあるからです。その考えに基づき、新たなチャネルのひとつとしてTikTokを重視しています。

高木さん(TikTok for Business Japan):チャネルの横断の点で、テレビCMをTikTokでも見ると、記憶が高まりやすいという結果も出ています。

辻さん(TikTok for Business Japan):売上への影響はいかがでしょうか?

岩本さん(プレミアアンチエイジング):メディアミックスの相乗効果が生まれており、通信販売ならびに卸売販売が毎年右肩上がりで伸長しています。

TikTok導入の決め手

岩本さん(プレミアアンチエイジング):TikTokの導入は、販路を拡大したいという気持ちがあり、従来の顧客層や販路からさらに幅広いターゲットを取り込みたいという狙いから決めています。アカウントの立ち上げ当時から、動画が各媒体の主流になっていく流れがありました。その中でTikTokはインタラクティブなコミュニケーションでファンを獲得できる点に良さがあると思っています。

辻さん(TikTok for Business Japan):パートナーとしての視点から、市村さまは、TikTokの強みがどのような点であると考えられますか?

市村さん(ピアラ):媒体を攻略していくなかで重要なのが、コンテクストを捉えていくことです。TikTokは動画による情報伝達が100%というところが、まずひとつ、大きな強みだと考えています。エンタメ性で目を引き、インサイトでクロージングできるところがTikTokならではと思います。さらに、タイムスペンドの長さ、つまり平均再生時間が顕著に伸びている点も強みでしょう。事業成功のカギとして、消費者の可処分時間をどれだけ奪えるかは、とても重要です。

TikTok の果たす役割とその戦略~成功事例を踏まえて~

市村さん(ピアラ):プレミアアンチエイジングさんの場合、オーガニックアカウント運用と、獲得広告としてのプラットフォーム利用を行っています。フルファネルの活用が本来の目的でしたので、オーガニックの運用と獲得広告を並行して実施することで、中長期的にTikTokでのコミュニケーションを取り続けていきたいと考えています。

辻さん(TikTok for Business Japan):アカウント運用はいつ頃から、どのように始められたのでしょうか?

市村さん(ピアラ):2020年暮れごろからアカウント運用を開始しました。もともとはブランドの売上をもっと伸ばすことが入口でした。そこから、プレミアアンチエイジングさんのほうでマーケティング全体において若年層をターゲットにするフェーズに入ります。ちょうど結果が出始めていたなかで、TikTokに着手したいと提案を頂き、アカウント運用を始めました。

当時はまだ企業アカウントも少なく、先行者として始めることによる認知やファンの醸成が期待できました。また、商品とTikTokの相性が良かったことも、着手理由のひとつです。

辻さん(TikTok for Business Japan):どのような点を意識して運用をされていますか?

市村さん(ピアラ):新規・既存を問わずお客様が持つネックポイント(課題)が必ずあるので、そのインサイトを解決する取り組みを行っています。実際にあったのが、商品の使い方がわからないというインサイトで、TikTokのコンテクストに合わせたHOWTO動画を投稿したところ、すぐに100万回再生を突破して、効果や反響の多さを実感しました。

もともとはインサイトをダイレクトに捉える動画を積極的に投稿してきましたが、今後はユーザーが飽きないよう、よりエンタメ性のある動画作りも考えています。

TikTok活用の効果

辻さん(TikTok for Business Japan):アカウント運用を始めて、どのような効果が出ているでしょうか?

岩本さん(プレミアアンチエイジング):一方的なメッセージではなく、これまで届かなかった層に対して、ショートムービーによる楽しく、固くなりすぎないコミュニケーションを行うことで、ファンを獲得できています。そういった点は、他の媒体にないTikTokの独自性であり、うまく活かしていきたいです。TikTokは、クリエイター起用などマーケティング施策において、他の媒体とは別軸の発信ができる効果があり、今後も期待しています。

辻さん(TikTok for Business Japan):オーガニックアカウント運用と獲得広告の2軸があるメリットはどのような点でしょうか?

市村さん(ピアラ):オーガニック投稿を行うとTikTokユーザーの生の声がコメントで入ってきます。これと視聴回数の伸びがユーザーのインサイトであり、それらをヒントに動画を広告にカスタマイズしています。こうすることで、他の媒体に比べてCPAが1/2~1/3までコストダウンしました。オーガニック運用でヒントを得て獲得広告に活かすという、2軸があることで好循環が生まれています。

実際に効果の出たクリエイティブのポイント

辻さん(TikTok for Business Japan):実際に効果の出たクリエイティブは、どのように戦略を立てられましたか?

市村さん(ピアラ):プレミアアンチエイジングさんは、すでに認知率が高いなかで、新しい購入者を取り込まなければいけない課題がありました。これまでに取りきれていないインサイトを考えたときに、購入したユーザーが次の購入をやめる、かつ、商品を認知していても購入に至らないユーザーの共通する理由が「価格」ではないかという仮説にたどり着いたのです。そこで、価格についてTikTokのエンタメ性やコンテクストに寄り添ったクリエイティブを作ることを決めます。価格ネックを解消することにコミットしていくことで良い結果が出るはずだと考え、戦略の柱としました。ちょうどプレミアアンチエイジングさんで価格メリットが出せるキャンペーンを行うタイミングだったため、TikTokでもその内容を訴求しました。

岩本さん(プレミアアンチエイジング): TikTokは他メーカーでも注目されている媒体です。その中で、いかにTikTokのコンテクストを活かした動画を作成し、自社商品の良さを届けられるかがカギになってくるかと思います。

TikTok全体で効果が出やすいクリエイティブのポイント

辻さん(TikTok for Business Japan):ここからはTikTokとして実績のあるクリエイティブのポイントをご紹介します。

高木さん(TikTok for Business Japan):商品価格の表示は非常に効果があり、価格を表示しない動画に比べると、CTRが131.7%高い傾向があります。商品価格は基本的に動画内に表示することをおすすめします。

高木さん(TikTok for Business Japan):「今なら○○円」「今だけ○○%OFF」といった限定要素がある動画は、限定要素がない動画に比べて、CTRが220%高い傾向があります。

高木さん(TikTok for Business Japan):使用効果、強み、選ばれる理由のようなベネフィット紹介ありの動画は、ベネフィット紹介なしの動画に比べて、CTRが178.3%高いというデータがあります。訴求ポイントとして、おさえていただきたい点です。

TikTok活用の総括

辻さん(TikTok for Business Japan):これまでの活用を通し、TikTokの活用について今、どのようにお考えでしょうか?

岩本さん(プレミアアンチエイジング):中長期的にオーガニック運用と獲得広告の両輪を回していくことが、ファン醸成と獲得につながってくると考えています。ユーザーさんとコミュニケーションをとりながら、今のトレンドに乗ることができているのではないでしょうか。

TikTok導入における課題およびレスポンス

辻さん(TikTok for Business Japan):今後、TikTokにおいて改善していくべき課題があればお教えください。

岩本さん(プレミアアンチエイジング):これまではユーザーの間口を広げていろいろな施策を実施してきましたが、ECビジネスで重視されるのがLTVです。TikTokに限らず各媒体において、LTVの改善が必要です。今後は、そこを意識した動画や、施策を盛り込みながらトライしていきたいです。

高木さん(TikTok for Business Japan):直近では、カスタマーファイルを活用したターゲティングも可能になりました。これは、LTV改善に有効だと考えられています。また、ブランド広告やクリエイターを活用した施策など、Always onでのタッチゾーンを増やしていただくことも、LTV改善に役立つのではないかと思います。

辻さん(TikTok for Business Japan):今後、取り組んでみたいことはありますか?

岩本さん(プレミアアンチエイジング):フルファネルで尚且つメディアミックスということが、ひとつのプラットフォーム内で可能なところが、TikTokのポテンシャルだと思います。弊社としては、卸売販売が右肩上がりで数字が上がっているなか、今後、店舗での連動やWebとのメディアミックスなどに挑戦してみたいと考えています。

セミナーに参加してみて

アカウント運用と獲得広告の2軸により好循環が生まれる点が印象的でした。これは、TikTok活用における良いヒントになるのではないかと思います。

TikTokに限らず、どの媒体でもユーザーの反応を見ることは重要ですが、TikTokは特に、ユーザーの生の声やリアルタイムの反応がよくわかる媒体であると感じます。そのため、ユーザーインサイトをどれだけスムーズに反映できるかが、TikTok活用で効果を出すために重要であるようです。

広告出稿媒体にはそれぞれの媒体の特徴がありますが、TikTokは特に、動画100%の情報伝達である点など、特徴が強い媒体です。活用にあたっては、まずはアカウント運用をしてみて、その独自の感覚をつかむことも必要かもしれません。

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