「AIを前提に進化するShopify」と「EC運営における人材課題」EC関連ニュースまとめ【2025年12月】

日々の業務でニュースをキャッチアップする時間がなかなか取れない方もいらっしゃると思います。そこで、2025年12月のEC・ネット通販関連ニュースをまとめました。今回取り上げるテーマは、「AIを前提に進化するShopify」と「EC運営における人材課題」です。

本記事とは別に、運営堂の森野さんとニュースの詳細解説をポッドキャストにて配信しております。お時間がある方はこちらもあわせてチェックしていただければと思います。

Shopify、プラットフォーム進化を軸に外部連携が広がる

Shopifyは2025年12月に、大型アップデート「Winter ’26 Edition」を発表しました。今回のEditionでは、コマース体験全体へのAI統合を中心に、150以上の機能アップデートが行われています。

主な更新点の一つが、AI搭載コマースアシスタント「Sidekick」の機能拡充です。管理画面上での優先タスク提示、自然言語によるテーマ編集やShopify Flowの自動化、管理アプリの生成、AI画像編集などが追加され、日常業務の効率化が進みます。

このほか、AIとの会話を通じて商品発見や購入につなげる「Agentic Storefronts」、仮想顧客によるストア検証を行う「SimGym」、実験と最適化を業務フローに組み込む「Rollouts」なども発表されました。一部機能はグローバル先行で提供されており、日本での展開時期は未定とされています。

これらのアップデートにより、Shopifyは運営・改善・意思決定までを包含するプラットフォームとしての性格をさらに強めています。

こうした動きと並行して、Shopifyを基盤とする外部サービスとの連携も進みつつあります。その一例として、Temuは、Shopifyとの連携を強化し、ShopifyマーチャントがTemu上で商品を出品・管理できる新アプリの提供を開始しました。アプリはShopify App Storeで公開されており、Temuが展開する「国内販売事業者の募集プログラム」への参加が可能になります。

この連携により、Shopifyの商品カタログをTemuと同期し、日本を含む30以上の国・地域のローカルマーケットプレイスへ出品できます。商品登録、在庫更新、注文・配送情報の連携が自動化され、個別にインフラを構築することなく出店できる点が特徴です。Shopifyを基盤に商品管理や運用を行う事業者にとって、既存の運営フローを大きく変えずに販路を広げる選択肢が増えた形となります。

森野さん
もうShopifyを“カート”だと思っていると、だいぶ見誤りますよね。AIの統合も含めて、普通のECプラットフォームというより“事業基盤”に近づいている印象です。
舟本
そうですね。ライトなASPカートとして使い始めても、気づくと拡張性がかなり広がっている。今回のアップデートや外部連携を見ても、単体で完結する存在ではなくなっています。
森野さん
だから利用料が高い・安いという話よりも、Shopifyが描いている流れにどこまで乗れるかが重要になってくる。運用する側が、Shopifyの進化に合わせて業務を変えていく感覚ですよね。
竹内
決算を見ても、すでに“カートの売上”が中心ではなく、ビジネスモデル自体が変わってきています。Shopifyを土台に、機能や役割が広がっていく中で、もはやカートという言葉では収まらない存在になっていると感じます。

EC人材不足を背景に、採用支援・即戦力活用の動き

EC市場の拡大が続く一方で、現場では人材不足や実行力不足が課題となっています。こうした状況を背景に、EC人材の確保や活用を支援する新サービスが発表されました。

ECソリューション事業を展開する株式会社ワンプルーフは、2025年12月8日に、EC業界に特化した採用代行サービス「EC採用ドットコム RPOサービス」をリリースしました。

同サービスは、媒体選定・求人原稿改善・媒体運用・スカウト・応募管理までを一気通貫で代行する点が特長です。EC運営、ECマーケティング、CRM、SNS運用、EC責任者など、EC特有の職種に最適化した独自モデルを採用しています。

EC市場の拡大に伴い、EC人材の需要が高まる一方で、採用の難易度は上昇しています。ワンプルーフ社は、これまで累計2,000社以上のEC支援で培った知見やデータを活かし、EC事業成長を“人”の側面から支援するとしています。

また、EC市場データ分析ツール「Nint ECommerce」を提供する株式会社Nintは、2025年12月11日に、EC特化の即戦力プロフェッショナル人材を提供する新サービス「EC Talent」を開始しました。

「EC Talent」は、戦略立案から施策実行までを担えるEC実務経験者を、必要な領域に応じて活用できる人材サービスです。広告運用、SEO、CRM、商品企画、モール運営、データ分析など、EC運営に必要な専門領域を対象としています。

Nint社は、データ分析によって課題を可視化できても、実行フェーズで人手不足により施策が進まないケースがある点を背景として挙げています。同サービスでは、データ分析と即戦力人材を組み合わせることで、事業課題の解決まで伴走するとしています。

森野さん
ECの採用が難しくなる背景には、業種や業態によって“ECでやること”が大きく違う点があります。ECという言葉でまとめてしまうと、前提が揃いにくいですよね。
竹内
また「EC経験者」と言っても、職種や役割の幅が広く、採用側と人材側で指している内容が揃いにくいと感じます。コールセンター、物流、マーケなど領域もさまざまで、使っているツールによっても前提が変わるかと。
森野さん
その状態で外部人材や即戦力を活用しようとしても、マネジメントや現場の受け入れ体制が整っていないと機能しません。AIで“何をやるか”は見えやすくなった今だからこそ、最後にボトルネックになるのは人だと思います。
舟本
スキルや運用が細分化する中で、何を任せたいのかをどう定義するか。採用や人材活用も、その設計次第になってくるのではないでしょうか。

12月のおすすめ記事

お時間がありましたら、下記の記事もご覧いただければです。事業者さんや支援事業者さんによる、事例を踏まえた内容となっていますので、日々の業務に何かしらお役に立つかと思います。ポッドキャストでは、配信者のお気に入りの記事について、コメントや取材の裏話をお伝えしています。ここではその一部を紹介しますが、気になる方はぜひお聞きください。

森野さんのお気に入り記事
森野さん
2025年は、ECを“お店をネットでやる”感覚のままでは続けにくくなった一年でした。ITやセキュリティまで含めて事業として向き合うのか、それとも規模を抑えて続けるのか。前提条件の変化が、事業の立ち位置そのものを問い直しています。
竹内のお気に入り記事
竹内
扱っている商品自体は特別なものではなくても、組み合わせやヒアリングによって価値をつくれるのがWeb接客の面白さだと感じました。ECは自販機ではなく、きちんと接客することで単価やリピートにつながる。その具体像がわかる記事ではないでしょうか。
舟本のお気に入り記事
舟本
ブランドは誰のものか、どう語り、どう伝えていくのかを考えさせられる記事です。レビューを載せないという判断や、ファンが接客に立つ旗艦店のあり方など、EC発ブランドが理念を守りながらリアルと向き合う姿が丁寧に描かれています。ブランドづくりの一つの考え方として、参考にしていただけたらと思います。

本放送はSpotify以外にApple PodcastsやYouTubeでお聴きいただけます。今後、ニュースまとめ以外のコンテンツも発信していく予定ですので、ぜひフォローをお願いいたします。

コマースピックLINE公式アカウント

コマースピックメルマガ