
Metaは2025年第4四半期および通期決算を発表しました。第4四半期の売上高は599億ドル(前年同期比+24%)となり、主力の広告事業が引き続き成長を牽引しています。特に広告配信の最適化やAIによる改善施策が成果につながり、インプレッション増加とコンバージョン向上が同時に進みました。
また、オンラインコマース関連企業の広告需要が売上成長の最大要因となったことも明らかになっており、広告基盤が事業者の販売チャネルとして機能している実態が示されています。本記事では、決算内容の中から事業者に影響のあるポイントに絞って整理しました。
この記事の目次
業績サマリー:売上は+24%、広告事業が成長を牽引
2025年第4四半期の売上高は599億ドルとなり、前年同期比で24%増加しました。営業利益は247億ドルで、営業利益率は41%でした。純利益は228億ドルです。
セグメント別では、主力の「Family of Apps(Facebook、Instagram、WhatsAppなど)」の売上が589億ドルとなり、前年同期比25%増と大きく伸長しました。一方、VR・AR事業を含む「Reality Labs」の売上は9.55億ドルで、前年同期比では減収となっています。
売上構成の大半を占める広告収入は581億ドルで、前年同期比24%増となり、全体成長の中心的な役割を果たしました。
広告事業の状況:配信量と成果の両方が改善
第4四半期は広告配信数(インプレッション)が前年同期比18%増加しました。増加の主因はユーザー数の拡大と利用時間の増加であり、広告表示量そのものの増加は一部にとどまっています。広告単価も前年同期比6%上昇しました。これは広告パフォーマンスの改善により広告主の需要が高まったことが背景とされています。
実際、広告成果の指標として示したデータでは、広告クリック率の改善やコンバージョン増加が確認されています。たとえば広告ランキングモデルの改良により、Facebookではクリック数が3.5%増加し、Instagramではコンバージョンが1%以上向上しました。
売上成長の要因として「ユーザー体験の向上」と「エンゲージメントの増加」を挙げており、広告表示数の単純な増加ではなく、AIによる配信最適化が成果を押し上げている点を強調しています。
コマース領域の進展:広告成長を最も押し上げたのはEC分野
広告売上成長に最も貢献した業種はオンラインコマース分野でした。ホリデー商戦期の需要増加が背景にあり、地域や広告主の規模を問わず幅広く成長が確認されています。
特に年末商戦期間にあたる「Cyber Five(ブラックフライデーからサイバーマンデーまでの期間)」を含む時期を通じて広告需要は高水準で推移し、その流れは2026年初頭まで継続しているとのことです。
また、企業と顧客の接点となる新しい広告導線も拡大しています。たとえば「Click-to-Message広告」は前年同期比50%以上の成長を記録しました。これは広告から直接チャットに誘導する形式で、商品問い合わせや購入相談などのやり取りをそのまま会話内で行える仕組みです。
さらにWhatsAppの有料メッセージ機能は、年間売上換算で20億ドル規模に到達しました。企業が顧客対応や販促通知にメッセージを活用する動きが拡大していることが背景です。
メッセージングを「ビジネス成果に直結する接点」と位置づけており、チャット基盤をコマース機能の中心として強化していることが読み取れます。
AIが広告成果に与えた影響:配信精度の向上が成長を支える
広告事業の成長要因として、AIモデルの高度化による配信精度の改善を挙げています。同社は広告ランキングモデルの学習に使用するGPU数を第4四半期に倍増させ、より大量かつ複雑なデータを扱える体制を整えました。
また、新しいシーケンス学習モデルを導入したことで、ユーザーの行動履歴をより長い期間で分析できるようになり、興味関心の予測精度が向上しています。これにより広告表示の最適化が進み、成果指標の改善につながりました。
さらに、複数の広告モデルを統合する取り組みも進めています。2025年にはFacebookのフィードや動画など複数の配信面のモデル統合を実施し、広告品質が12%向上したと説明しています。
同社は、こうしたAIモデルの拡張によって広告パフォーマンスの改善余地は依然として大きいと述べており、2026年はモデル規模の拡大と学習データ増加を通じてさらなる改善を見込んでいます。
新プロダクト戦略:AI活用機能の拡張と自動化支援を推進
2026年に向けて、AIを活用した新機能の拡張を進める方針です。広告領域では、広告主向けAIアシスタントのテストを開始しており、キャンペーン最適化やアカウント管理を対話形式で支援する機能を提供しています。今後は対象広告主を拡大する予定です。
クリエイティブ制作分野でもAI活用が進んでおり、広告制作の自動化需要が拡大していることが示されました。また、AIを広告配信だけでなく顧客接点にも活用しています。メキシコとフィリピンでは、企業対応を行う「Business AI」がすでに導入されており、メッセージング上で週100万件以上の対話が発生しています。同社はこの機能を今後さらに多くの国へ展開する予定です。
さらに、広告・コンテンツ・検索など複数領域のAIモデルを統合することで、ユーザー理解を深め、より関連性の高い広告や商品提案を行う仕組みの構築を進めていると説明しています。
まとめ:広告性能の改善とコマース支援機能の拡張が同時に進行
今回の決算では、Metaの売上成長が広告配信量の増加だけでなく、AIによる配信最適化と成果改善によって支えられていることがわかりました。インプレッションと広告単価がともに上昇し、コンバージョン指標も改善している点から、広告効率の向上が確認されています。
業種別ではオンラインコマース分野が売上成長への最大寄与領域となっており、事業者の広告需要がMetaの収益構造の中で重要な位置を占めていることも明らかになりました。
加えて、メッセージングを起点とした顧客接点の拡張や、広告運用・クリエイティブ制作を支援するAI機能の提供など、企業の販売活動に直結する機能開発が進んでいます。MetaはAI基盤への投資を継続する方針を示しており、広告配信精度や自動化機能の強化が今後も進む見通しです。
こうした動きから、同社の広告プラットフォームは単なる配信媒体ではなく、販売支援インフラとしての性格を強めつつあることが読み取れるのではないでしょうか。
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