Nano Banana Proでデザイナー不要に!?EC業界を激震させる画像生成AIの衝撃

「毎月のデザイン外注費が重い」「急ぎのバナー制作が間に合わない」そんなお悩みはありませんか?本記事では、日本語完全対応の最新AI「Nano Banana Pro」を活用し、EC業務を劇的に効率化するノウハウを専門家が解説します。

これを読めば、コスト削減と制作スピード向上の具体策がわかります。Google Geminiが「専属デザイナー」へと変わる、これからのEC戦略を今すぐ取り入れていきましょう。

この記事の執筆者

山本 達巳
つきみ株式会社

静岡市出身、関西学院大学卒。地元医療系の企業で修行後、父親の経営する医療介護系企業に入社。経営とバックオフィス業務を学ぶ傍ら、留学がきっかけで以前から関心が高かった輸入品雑貨のネット販売事業を開始。令和元年に独立し、複数の海外メーカー取引きの経験を経て、自社アウトドアブランドを展開。

その後、自社ブランドを伸ばしていきたい事業者を応援したいという思いから、令和6年につきみ株式会社を設立。商品ページ作りや広告運用、SNSなどECに関係する領域を幅広く対応しつつ、商品ブランディング支援を行っている。

つきみ株式会社
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日本語対応で進化した「Nano Banana Pro」AIはデザイナーの敵or味方?

「AI画像生成は英語で指示(プロンプト)を書くのが難しくて、途中で挫折してしまった…」そんな経験をお持ちではありませんか?2025年11月、画像生成AIの世界に一つの革命が起きました。それが、日本語に完全対応した「Nano Banana Pro」の登場です。

これまで多くのEC担当者が感じていた「言語の壁」が消滅し、日本語の微妙なニュアンスや文脈を理解する「思考モード」が実装されたことで、ビジネスでの実用性は飛躍的に向上しました。

その進化を象徴するのが、こちらの事例です。私が「白黒の4コマ漫画を描いて」と日本語のみで指示を出したところ、オチまで構成された漫画が一瞬で生成されました。単なる一枚絵ではなく、前後のストーリー(文脈)をAIが理解している証拠です。

さらに驚くべきは、その修正能力です。「カラーにして」「アメコミ風にアレンジして」と、まるで隣にいるデザイナーに口頭で伝えるような感覚で指示を出すだけで、即座に全く異なるタッチのクリエイティブが提案されます。

ここで、ひとつの重大な問いが浮かびます。「これほど高性能なら、もうデザイナーは不要なのか?」と。結論から言うと、デザイナーは不要ではありません。しかし、その役割は大きく変わります。

Nano Banana Proが得意とするのは、「0から1を生み出すスピード」と「無数のバリエーション出し」です。一方で、ブランドの厳密なレギュレーションを守ったり、細部の違和感を調整して最終的なクオリティを担保したりするのは、依然としてプロのデザイナー(人間)の領域です。

素早くAIを取り入れているEC事業者が実践しているのは、「ラフ案やたたき台作成はAI(3分)」「最終ブラッシュアップはデザイナー(3時間)」という徹底した分業です。

AIを「デザイナーの敵」と見なして拒絶するか、それとも「超高速のアシスタント」として迎え入れるか。この判断が、今後のクリエイティブ制作のコストとスピードに決定的な差を生むことになります。

商品開発のリードタイムを短縮。在庫リスクゼロで挑む「売れるグッズ」の作り方

自社ブランド(D2C)や店舗のファン作りにおいて、オリジナルキャラクターやグッズ展開は非常に強力な武器となります。しかし、いざ開発しようとすれば、デザイン費用の高騰と「作ったけれど売れ残る」という在庫リスクが、常に経営者の頭を悩ませてきました。

Nano Banana Proの真骨頂は、この商品開発プロセスにおいても遺憾なく発揮されます。

例えば、私が「Amazonのコンサルタントをイメージしたダンボールロボット」と指示を出したところ、ものの数秒で愛らしい?キャラクターが誕生しました。しかし、単に正面からの絵が一枚あるだけでは商品作成は難しいですよね。

そこで私は、続けて「このキャラの6面体を作って」と指示を出しました。

このように、正面、横、背面、上、下。これだけの情報が揃った設定資料があれば、ぬいぐるみ制作業者への見積もり依頼も、3Dモデラーへの指示も驚くほどスムーズに進みます。

通常、デザイナーに依頼すれば数万円のコストと数週間のやり取りが発生する工程が、わずか1回のプロンプト入力で完結してしまうのです。

さらに衝撃的なのが、グッズ展開のシミュレーション能力です。「アクリルスタンド、タオル、Tシャツを作って」と指示するだけで、デザインが適用された完成イメージが即座に可視化されます。

この機能の真の価値は、単にイメージ画像が作れることではありません。「作る前に売れるかどうかがわかる」という点にあります。

これまでの常識では、試作品を作ってから撮影し、市場の反応を見ていました。しかし、これからは違います。試作品を作る前に、このAI生成画像をSNSやメルマガで配信し、「どのグッズが欲しいですか?」とアンケートを取ればいいのです。

需要があるものだけを製品化する。あるいは、予約販売で受注が集まってから発注する。

このプロセスを経ることで、私たちの敵、「不良在庫」のリスクを極限まで減らすことが可能になります。Nano Banana Proは、単なる画像生成ツールではなく、健全なキャッシュフローを守るための経営ツールと言っても過言ではないのです。

クリック率を劇的に変える。迷う時間を「テストする時間」に変える販促物制作

ECサイトの運営において、バナー広告やランディングページ(LP)、商品同梱チラシのデザインは、クリック率(CTR)や転換率(CVR)に直結する生命線です。しかし、「どんなデザインがターゲットに刺さるか」は、実際に市場に出してみるまで誰にもわかりません。

本来であれば複数のデザインを用意してA/Bテストを行うべきですが、従来は「A案とB案の両方を作る予算も時間もない」という理由で、担当者の勘や上長の好みに依存した一発勝負になりがちでした。

Nano Banana Proの導入は、この博打のようなクリエイティブ制作に終止符を打ちます。ターゲットに合わせたデザインの切り口を、AIがコスト度外視で量産してくれるからです。

例えば、冬の風邪予防対策をテーマにしたブログ記事のアイキャッチ画像を作成するとしましょう。私はAIに対して、あえて全く異なる3つの方向性を指示しました。

1つ目は、手書き風のタッチで温かみを強調したデザイン。2つ目は、キャラクターを使用したポップで元気なデザイン。3つ目は、整然とした写真風で清潔感を重視したデザイン。

これらが生成されるのにかかった時間は、わずか1分です。これまで「どの方向性でデザイナーに依頼しようか…」と会議室で悩み、議論していた時間は、全て無駄になります。「迷うくらいなら、全部AIで作って市場に出し、数字が良いほうを採用する」。これが、AI時代のECマーケティングの正解です。

この手法は、Web上の画像だけでなく、リアルのチラシ制作でも同様です。例えば、スタッフ募集のチラシを作る際、「アットホームさを求める層」には温かいイラストのチラシを、「活発に働きたい層」には漫画のような集中線を使った勢いのあるチラシを配布し分けるといった施策が、追加コストなしで可能になります。

素材作成のコストがほぼゼロになることで、私たちは「制作作業」という時間や費用がかかる作業を圧縮できるようになります。そして、空いたリソースを「検証と改善」という、直接価値を生むマーケティング業務に集中させることができるのです。それこそが、売上を伸ばすための最短ルートだと確信しています。

本記事で紹介した事例のプロンプト詳細や、その他のビジネス活用法(Webサイトモックアップ作成など)は、こちらの動画で詳しく解説しています。記事と合わせてご覧いただくことで、より実践的なイメージが掴めるはずです。

まとめ:Google Geminiの画像生成AIをEC事業に導入しよう

Nano Banana Proは、コスト削減と開発速度を劇的に向上させる強力なビジネスツールです。AIを脅威と捉えるのではなく、「優秀な部下」としてマネジメントする視点こそが、今後のEC経営には不可欠です。

ラフ案出しはAI、最終決定は人。この分業体制が、チームのクリエイティブ力を飛躍させます。まずはGeminiを開き、「バナーサンプル作って」と話しかける小さな一歩から始めてみてください。

つきみ株式会社 https://tsukimi.ne.jp/

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