【楽天市場】RPP広告が進化!7月14日開始の「自動最適化機能」で広告効果が劇的改善?

楽天市場で多くの店舗が活用している「RPP広告」が、AIによる自動最適化機能の導入で大きく進化を遂げようとしています。本記事では、すでに実装された機能と今後導入予定のアップデート内容を整理し、自動最適化の具体的なメリットや導入手順、注意点をわかりやすく解説します。広告運用の負担を減らしつつ、売上拡大を目指す店舗にとって必読の内容です。

この記事の執筆者

米原 広兼 / ジャグー株式会社

新卒で楽天株式会社へ入社。ECコンサルタントとしてSOY受賞店舗などをサポート。在籍中、2万人の社員の中から楽天賞MVPを受賞。2020年 ジャグー株式会社を設立し、EC運営の実行支援を行う。楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonで累計200店舗以上のコンサルティングを担当。担当企業のうち、累計9店舗が楽天SOY受賞。2店舗がYahooショッピング年間ベストストア受賞。

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RPP広告とは?基本概要と活用メリット

RPP広告とは、楽天市場内での検索結果やカテゴリページ、商品ページなどに自店舗の商品を表示できる「クリック課金型広告」のことです。設定したCPC(クリック単価)に応じて広告が表示され、ユーザーがクリックした際に費用が発生する仕組みです。

売上向上や認知拡大はもちろん、広告の出稿対象商品を細かくコントロールできる点や、予算の柔軟な設定が可能な点もRPP広告の強みです。

新機能「自動最適化」と3つのアップデート

RPP広告の新機能「自動最適化」とは、従来のように店舗側が手動で入札単価(CPC)や予算を調整するのではなく、楽天のシステムが自動的に最適な配信設計を行ってくれる仕組みです。これにより、効率的に成果を上げる設計が可能になりました。

【自動最適化機能】のリリースに伴い、以下の3つの仕様においてアップデートが発生しました。

  1. 予算配分/適用CPCの仕様変更
  2. キャンペーンの項目追加(配信タイプ:自動最適化)
  3. クリック単価の仕様変更(名称/単価/請求)

1. 予算配分/適用CPCの仕様変更

※画像引用元:RMSサポートニュース

従来のRPP広告では、1日の上限予算を設定することで広告配信のペースや優先順位をコントロールしていました。しかし自動最適化の導入後は、楽天のシステムが広告の成果に応じて配信ペースや予算配分を調整する仕様に変わります。これにより、限られた広告費でも効果の高い配信が期待できます。

2. キャンペーンの項目追加(配信タイプ:自動最適化)

RPP広告のキャンペーン設定に「配信タイプ:自動最適化」が新たに追加されました。これまでの「手動設定」に加えて、広告運用の自動化を希望する店舗は、この選択肢を利用することでシステムによる最適化が適用されます。設定自体は簡便で、今後の主流運用となる可能性も高まっています。

※画像引用元:RMSサポートニュース

ちなみに、2025年10月31日(予定)までは移行期間となっておりまして、キャンペーン新規登録画面にて配信タイプを自動・手動から選択できる仕様となっております。

※画像引用元:RMSサポートニュース

3. クリック単価の仕様変更(名称/単価/請求)

自動最適化導入に伴い、クリック単価の設定と課金の仕組みにも変更が加えられます。具体的には、従来のCPC単価が「固定クリック単価」という表現から「上限クリック単価」へと名称が変更されます。また、請求されるクリック単価は設定CPC(固定単価)から、楽天が成果に基づいて最適と判断した金額(上限単価までの範囲内)となります。

※画像引用元:RMSサポートニュース

例)上限クリック単価(CPC):20円の場合・・・10円~20円の間で入札が行われる。
  上限クリック単価(CPC):30円の場合・・・10円~30円の間で入札が行われる。

※画像引用元:RMSサポートニュース

新機能導入による影響と対策

やはり気になるのは、今回のアップデートで
「運用方法がどう変わるのか?」
「RPP広告のパフォーマンスが上がるのか?」といったポイントになるでしょう。

運用方法の変化について

固定CPCが上限CPCとして置き換わるだけなので、運用フローにおける大きな変更点はないと言えます。

※画像引用元:楽天大学RUx

RPP広告パフォーマンスの変化について

※画像引用元:楽天大学RUx

2024年12月に楽天側でテストが行われており、そこではROASが+75.7%改善した、という結果もあるようです。ただし、配信金額や商材などは明かされていないため、この結果を鵜吞みにせずに、自社での効果計測もすべきだと考えます。

今後予定されているRPP広告の追加機能

※画像引用元:楽天大学RUx

今回のサポートニュースで正式に発表された新機能は以上となりますが、今後の実装に向けて開発中の機能についても、先行していくつかの内容が紹介されました。注目すべき機能は以下の3つです。

  • キーワード設定の自動化
  • CPC予約設定
  • 広告配信ペースのコントロール

キーワード設定の自動化

現在はキーワード候補の表示や提案機能にとどまっていますが、将来的にはあらかじめ設定された条件に応じて、キーワードの自動設定や削除が行える機能が追加される予定です。これにより、手動での調整作業を大幅に削減でき、効率的な運用が可能になると期待されます。

CPC予約設定

こちらは多くの店舗様にとって「待望の機能」といえるでしょう。楽天市場ではイベント開始が20時、終了が翌1時59分というケースが多く見られますが、多くの運営担当者は日中のうちにCPC単価を調整しておく必要があり、イベント開始時に意図した表示順位を確保するのが難しい状況が続いていました。

今後実装されるCPC予約設定機能により、TDA広告にある「イベント時配信強化設定」のように、あらかじめ時間を指定して単価調整を予約できる仕組みが整うことが想定されます。

広告配信ペースのコントロール

意外にも、これまでRPP広告には配信ペースを調整する機能がありませんでした。しかしYahoo!ショッピングやAmazonなど、他モールでは当たり前のように搭載されているこの機能が、今後RPPにも導入される予定です。これにより、「朝に配信を集中させてしまい、昼や夜には予算を消化しきってしまった」といった事故を防止できる可能性があります。

おわりに|店舗にとっての最適な運用方法とは

最後に、今回のリニューアルに伴う対策についてご紹介いたします。

RPP広告は、楽天市場内で最も利用されている広告機能の一つです。広告経由での売上を最大化し、店舗様の満足度を高めていくことができなければ、長期的に活用され続けることは難しくなります。そのため、今後もさらに機能が進化していくことが予想されます。

一方で、楽天側としても広告収益の減少につながるようなリニューアルには慎重にならざるを得ません。このような背景を踏まえると、店舗様としては「新機能だからといってすぐにすべてを導入する」のではなく、小さく試して、効果を検証しながら、自社に最適な運用方法を見つけていく姿勢が重要になります。

たとえば、上限CPCの変更に伴い、日別のアクセス数にどのような変化があったのか。アクセスが増えた場合、どの商品へのクリックが増加したのか。該当商品の当日のアクセス参照元を確認し、流入元の変化を把握することも重要です。

さらに、アクセスが増加した商品において、販売件数はしっかりと伸びているのか、あるいは転換率(CVR)が大きく低下していないか、といった点についても丁寧に確認していくことをおすすめいたします。

こうした効果測定をこまめに行うことで、新機能を本当に自社にとって有益な形で活用できているかを判断しやすくなります。

なお、「効果の見方がわからない」「検証したものの判断が難しい」といったお悩みがある場合は、ぜひお気軽にコメント欄やお問い合わせフォームからご連絡ください。可能な限り、具体的なアドバイスをお返しさせていただきます。

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