
この記事の目次
ディスプレイ広告とは?
ディスプレイ広告はWebサイトやアプリなどの画面上に表示される「画像とテキスト」や「動画とテキスト」による広告で、バナー広告と呼ばれることもあります。ユーザーの興味を引きやすいよう、表示されるWebサイトやアプリと関連性が高い広告が表示されるのが特徴です。また視認性が高い画像や動画をクリエイティブとして使用するため、ブランドや商品のイメージを伝えやすいというメリットもあります。
リスティング広告との違い
リスティング広告はGoogleなどの検索エンジンを使用した際に表示される検索結果に表示される広告です。広告にはテキストとWebサイトのリンクのみが掲載されます。表示される広告の内容を比べると、文字だけのリスティング広告よりも、画像や動画が表示されるディスプレイ広告のほうが目に止まりやすい傾向にあります。
また、広告を閲覧するユーザーの状態にも違いがあります。先述の通りディスプレイ広告はユーザーが閲覧しているWebサイトやアプリ上に表示される広告です。つまり、関連性が高い広告枠であるとはいえ、別の目的で閲覧している環境にディスプレイ広告が表示されているのです。一方のリスティング広告はユーザーが自らキーワードを入力して検索した検索結果画面に表示されるため、ユーザーのニーズに合致している可能性が高く、一般にディスプレイ広告よりもリスティング広告のほうがコンバージョン率が高いといわれています。
リスティング広告は既に商品名を知っている場合や特定の商品ジャンルの商品を探すことを目的にしている顕在層のユーザーに最適です。しかし、そもそも認知されていない商品やブランドは購入されづらいため、認知を高めていくにはディスプレイ広告のほうが向いているといえるでしょう。
リターゲティング設定の活用がおすすめ
ディスプレイ広告を利用する際にはリターゲティングの設定を活用することをおすすめします。リターゲティングとは一度以上Webサイトなどに訪問したユーザーに対し、繰り返し広告を配信する手法です。一度広告を見ただけではなかなか強い印象を与えるのは難しいですが、何度も繰り返し目にすることで親近感が湧くようになり、ブランドや商品を認知することや、愛着を持つことになるのです。
リターゲティング広告の設定にはWebサイト上にタグを設定し、訪問ユーザーのリストを蓄積した上で配信設定を行う必要があります。リターゲティング広告の詳細は下記の記事をご覧ください。
▶リターゲティング広告とは?リマーケティング広告との違いやメリット・デメリット、配信の注意点を解説
ディスプレイ広告を活用すべきECサイト
ディスプレイ広告を活用すべきECサイトの特徴をご紹介します。
認知が低い新ジャンルの商品
新しく開発したユーザーが想起しにくい商品を取り扱っているECサイトにはディスプレイ広告の活用がおすすめです。他社では販売していないような新しく開発された商品は、ユーザーに検索されることはありません。商品の認知や、商品の利用シーンを伝え、ニーズを喚起するためにディスプレイ広告が活用できます。
開発ストーリーやブランドにこだわりがある
商品の開発ストーリーやブランドにこだわりがあり、ユーザーの共感を得られるECサイトの場合には、画像や動画を用いて伝えられるディスプレイ広告を活用すると良いでしょう。テキストだけでは伝えにくいことも、広告の中で伝えられるためユーザーの獲得に繋がります。
高額商品や趣味のアイテム
高額商品や趣味のアイテムは、購入までに長い期間をかけて検討するユーザーが少なくありません。先述のリターゲティング設定により、繰り返し商品情報を提示することで、購入意欲を継続してもらい、最終的な購入につながる可能性があります。
ディスプレイ広告のメリット
ディスプレイ広告の3つのメリットをご紹介します。
潜在顧客へアプローチできる
潜在顧客とは、課題へのニーズを持ちながらも、そのニーズを満たせる商品に出会えていないユーザーのことをいいます。自ら検索するほど積極的ではないため、他の情報を閲覧しているときにディスプレイ広告を見ることでニーズを喚起できる可能性があります。
クリエイティブの表現方法が多彩
繰り返しになりますが、ディスプレイ広告は「画像とテキスト」や「動画とテキスト」で表示されます。商品画像や、ECサイトのロゴ、配送料やギフト梱包などの付加価値の提示など、クリエイティブの中に盛り込める情報が多く、多彩な表現が可能です。またクリエイティブの色合いやフォントなどによって、ブランドのイメージも伝えられます。
ブランディング効果が期待できる
ディスプレイ広告のクリエイティブには、ブランドロゴやキャッチコピー、イメージカラーなどブランドを伝える情報を多数盛り込むことができます。これらを潜在顧客に継続してアピールすることでブランドの認知を高め、将来的な顧客とすることができるでしょう。
ディスプレイ広告のデメリット
次にディスプレイ広告のデメリットを3つ紹介します。運用を始める前に確認しておきましょう。
コンバージョン率は低め
ディスプレイ広告は潜在顧客へのアプローチを主とするため、リスティング広告と比べてコンバージョン率は低くなるのが一般的です。売上に直結する広告を考えるのであれば、あまり向いていませんので、商品やターゲットユーザーの特性を考慮して使い方を検討すると良いでしょう。
効果検証がしづらい
ディスプレイ広告は多様なクリエイティブで配信できるため、効果につながった要素は何かの検証がしづらい場合があります。同じ構成のクリエイティブのうち、一部の文言を変更するなどの方法を取れば明確な比較ができますが、安定した成果が出るまでの間には、大幅なクリエイティブ変更を行う場合が多く、良し悪しの判断が不明瞭になりがちです。管理画面のデータを活用しながら、思い込みで施策改善を進めることがないよう注意が必要です。
広告費を消化しやすい
先述の通り、潜在顧客に向けて広く配信するという特性から、クリックは多くされているものの、コンバージョンは取れていないというケースが発生しやすい広告でもあります。売上が上がらないまま広告費を大幅に消化してしまいますので、広告予算の設定を適切に行い、設定後も定期的な見直しを行うと良いでしょう。
配信プラットフォームの種類
ディスプレイ広告を配信できるプラットフォームは、Google 広告、Yahoo!広告、Microsoft 広告の3つが主流です。
- Google 広告
Googleディスプレイネットワーク(GDN)は、WebサイトやYouTube動画、Gmail、アプリなどに配信できます。200万以上のWebサイトに出稿でき、世界の90%ものインターネットユーザーにリーチが可能です。
▶Google 広告とは?広告の種類やEC事業者にとってのメリットなどを解説
- Yahoo!広告
Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)は、Yahoo! JAPANのほか、Yahoo!ニュース、Yahoo!メールなどYahoo!の提携サイトに広告を配信できます。
▶Yahoo!広告とは?広告の種類やECショップでの活用事例を紹介
- Microsoft 広告
Microsoft 広告は、Microsoft Edge、MSN、Outlookなどに配信が可能です。
▶Microsoft(マイクロソフト)広告とは?Google 広告やYahoo!広告との違いを活かす
おわりに
ディスプレイ広告についてご紹介しました。リターゲティング設定と上手く組み合わせて活用することで、潜在顧客に向けたブランディング効果を発揮します。リスティング広告と比べると売上には直結しにくい面がありますが、商品の認知拡大やユーザー層の拡張に向けて長期的な視野で取り組んでみてはいかがでしょうか。
合わせて読みたい