EC関連ニュースまとめ

日々の業務でニュースをキャッチアップする時間がなかなか取れない方もいらっしゃると思います。そこで、2023年1月のEC・ネット通販関連ニュースをまとめました。今回は、物流をテーマに「配送会社」と「ECモール」の動向をみていきます。

また、運営堂の森野さんとニュースの詳細解説をポッドキャストにて配信しております。お時間がある方はこちらも合わせてチェックしていただければと思います。

配送会社の企業努力と限界

宅配便個数の増加にエコ配が動く

年々、EC事業者による宅配便個数が増加しています。その状況を受け、自転車で配達していることから「80サイズ」以下の荷物のみ対応していたエコ配が、2023年2月から「100サイズ」の取り扱いを開始しました。今後は100サイズ超過の荷物も取り扱う予定だそうです。

森野さん
100サイズも取り扱っていただけるようになったのは有難いのですが、自転車で運ぶとなると配達員さんは今まで以上に大変になってくるかと思います。
竹内
利便性・安全性の両面において、自転車の機能と性能の向上に期待したいですね。

ヤマト運輸、個人間取引やビジネス利用をより便利に

ヤマト運輸が提供している「配送連携 API」を活用すれば、送り状の手書きが不要になります。ヤマト運輸営業所・コンビニエンスストア・PUDO ステーションへ荷物を持ち込んで発送する際に、システム上から生成された二次元コードをかざすだけで簡単に送り状が発行できます。

「配送連携 API」は、宅急便・宅急便コンパクト・ネコポスのサービスが対象でした。近年、フリマアプリなど個人間取引で冷蔵・冷凍商品を購入する機会が増えた一方で、冷蔵・冷凍商品の個人間取引や返品・回収時の発送は手書きの送り状を使う機会が多くなっています。そこで、配送ニーズの拡大に対応するために「配送連携 API」の対象商品にクール宅急便が追加されました。

他にも、ビジネスパーソンがオフィス以外の場所から宅急便を発送する際の利便性向上や業務効率化に向け、「Slack(スラック)」と「Microsoft Teams(マイクロソフト チームズ)」上で、宅急便の発送手続きができる機能の提供を始めています。これにより日常業務で使用するツール上で簡単に発送手続きができるように。配送費用の個人精算は不要という点もポイントです。

佐川急便、2023年4月から運賃の値上げ

佐川急便は、物価高騰が続く昨今、宅配便のインフラとその品質を維持・向上することを目的に、「飛脚宅配便(飛脚クール便含む)」「飛脚特定信書便」「飛脚ラージサイズ宅配便」の運賃を2023年4月から値上げすることを発表しています。佐川急便を利用されている事業者さんは料金を事前に確認するといいでしょう。

森野さん
2024年問題(ドライバーの労働時間の上限規制)もあるので、佐川急便さんだけに限らず、今後も配送料金は上がる可能性が高いでしょう。
舟本
EC化率の上昇に伴い、宅配便個数は増えていくので、業界の発展において避けては通れない課題となってきますね。

物流を重視する大手ECモール

物流に投資を続けるAmazon

アマゾンは、迅速かつ安全・効率的に商品を届けるために、物流拠点であるフルフィルメントセンター(FC)と配送拠点であるデリバリーステーション(DS)のインフラ強化に取り組んでいます。2022年の拠点やサービス拡大の内容について発表されました。取り組みとしては下記を挙げられています。

  • 日本全国に18の配送拠点を新たに開設、配送ネットワークを強化
  • 新たに10県において置き配指定サービスによるお届けを可能に。また置き配利用率が70~75%に拡大
  • 700万点以上の商品を、沖縄県を含む地域に翌日のお届けが可能に
  • 西日本最大の物流拠点となるFCを兵庫県尼崎市に新設
  • 新たな配送プログラム「Amazon Hubデリバリーパートナープログラム」を発表
  • 商品の受け取りができる「Amazonロッカー」のネットワークを拡大、3,000カ所以上に設置
  • 「Amazon Key for Business」の導入を15都道府県の5,000棟以上の集合住宅に拡大
  • 都市部を対象に「当日便」の利用がさらに便利に

一方で、フルフィルメント by Amazon(FBA)の手数料を2023年4月から値上げすることを発表しています。手数料の値上げは最近始まったことではなく、定期的に行われています。おそらく、今後も物流費は高騰すると思われますので、FBAに限らず他のECモールのフルフィルメントサービスの手数料も上がっていくのではないでしょうか。

▼参考
https://sellercentral-japan.amazon.com/gp/help/G201411300
※Amazon Seller Centralへのログインが必要です。

森野さん
高価なモノでもない限り、置き配で問題ないと思います。配達員さんによっては写真をLINEで送ってくれるので安心して荷物を受け取れますね。
竹内
マンションに住んでいますが、私も含めて、置き配を利用する方は多いです。今や置き配は当たり前なものになったと感じます。

配送を重視するYahoo!ショッピングと楽天市場

Yahoo!ショッピングが配送品質を向上するために、「優良配送」に力を入れています。「優良配送」の有無は検索順位にも影響するので、売上にも関わってきます。

楽天市場でも、配送品質の向上のために、今後Yahoo!ショッピングの「優良配送」のような取り組みをすると発表がありました。本取り組みは、2024年の実施に向けて進めているそうです。今後、ECモールに出店されている店舗は、ますます物流が鍵を握るようになるでしょう。

森野さん
今後、大手ECモールでは365日配送が必須になってきますね。自社で配送されているところは休めなくなってしまうため、外部に委託するところが増えてくるのではないでしょうか。
舟本
楽天市場の配送に関する取り組みは、具体的な情報が発表され次第、コマースピックでも取り上げさせていただければと思います。

1月のおすすめ記事

お時間がありましたら、下記の記事もご覧いただければです。小売事業者さんや支援事業者さんによる、事例を踏まえた内容となっていますので、日々の業務に何かしらお役に立つかと思います。

ポッドキャストでは、配信者のお気に入りの記事について、コメントや取材の裏話をお伝えしていますので、ぜひお聞きください。

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