
2022年4月21日に、アマゾンは「Buy with Prime」を発表しました。「Buy with Prime」は、Amazonに限らず自社ECサイトでもプライム会員の特典を利用可能にするプログラムです。現在はアメリカのみを対象としています。詳細についてまとめました。
▼ リリース元
https://www.aboutamazon.com/news/retail/prime-shopping-expands-beyond-amazon-com
この記事の目次
「Buy with Prime」とは
「Buy with Prime」とは自社ECサイトに導入することで、自社ECサイト上の対象商品にprimeマークを表示することができます。primeマークが付与された商品は、配送予定日と「Buy with Prime」ボタンが表示されます。消費者は「Buy with Prime」ボタンから商品を購入することが可能です。また、Amazonのレビューを表示することもできます。

プライム会員の特典がAmazon以外でも受けられるようになることから、購入の後押しとなるでしょう。実際にBuy with Primeを導入することで、自社ECサイトの転換率が平均25%向上したことをアマゾンは発表しています。
参考:Amazon’s Buy with Prime Increases Shopper Conversion by an Average of 25%
消費者のメリット
消費者が「Buy with Prime」を利用するメリットとしては、Amazonプライム会員の特典である配送料および返品が無料になることです。もちろん、配送スピードが早いということもポイントでしょう。
また、Amazon Payで購入できることもメリットとしてあげられます。Amazon Payはアマゾンが提供するID決済です。Amazonアカウントの配送情報と支払い情報をもとに決済を行ってくれるため、入力の手間が省けます。
ID決済の詳細については下記をご覧いただければと思います。
「Buy with Prime」を導入するには
「Buy with Prime」のプログラム開始時は招待制でしたが、現在は登録制となっています。Amazonのモール内で販売している必要はありませんが、FBA(フルフィルメント by amazon)を利用していることと、Amazon Payに登録していることが条件になります。
FBAは、商品の保管から注文処理、配送、返品対応までをアマゾンが代行してくれるサービスです。詳しくは下記の記事をご覧ください。
「Buy with Prime」の費用
「Buy with Prime」を導入するにあたって、初期費用はかかりません。月額費用としては商品の保管料のみとなっています。それ以外にかかる料金は、商品が売れた際に発生します。商品の大きさや重さ、販売価格、一回あたりの注文数などによって、料金は変わってくるため、「Buy with Prime」のプログラムに登録した事業者に、アマゾンの担当者から詳細について案内されるようです。
今後の展開に注目が集まる「Buy with Prime」
商品ページ内にprimeマークを掲示できる点や、自社ECサイトでもAmazonと同様の配送サービスを提供できる点は「Buy with Prime」を活用する上で魅力的なことといえるでしょう。その一方で、「Buy with Prime」を通した注文はFBAからの発送が必要であるため、オリジナリティの高い物流対応を行っている企業には活かしづらい施策といえます。
物流体制をFBA中心に構築していた事業者にとってはすぐに始められ、効果が出そうな取り組みではないでしょうか。今現在、対象範囲はアメリカのみ、利用できる事業者は招待制です。Amazonによるテストマーケティング段階として、費用対効果や経由流通へのインパクトなどの様子を伺っている時期だと思います。今後、日本に導入されることがあれば、どのような条件でサービスが提供されるのか目が離せません。
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