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顧客は様々な支払い方法から選択できることを好む
近年、決済手段は急速に発展しており、特に2021年は市場が大きく変化しています。ヨーロッパ全域で、クレジットカードやデビットカードに代わる決済手段が浸透しています。
顧客は決済時に、様々な支払い方法の選択ができることを求めているという調査データもあります。そのうちの1つが、Amazonの会員情報を使って他のサイトで買い物ができるオンラインチェックアウトサービス、Amazon Pay(アマゾンペイ)です。
一貫した決済体験を提供できる企業は、顧客ロイヤリティを高める
Amazon PayのEUマーケティング責任者であるジェニー・カッターフェルドさんは、これまでの業績を振り返り、決済業界が今後提供すべきものについて次のように話します。
「顧客は、より流動的な方法でお金を管理できることを望んでいるため、必ずしも従来の決済サービスプロバイダを選ばないことがわかっています。顧客の要望に適応し、シームレスな決済体験を一貫して提供できる企業は、顧客ロイヤリティとカスタマーバリューを高めることができるでしょう」
Amazonの購買体験を拡張するAmazon Pay
全世界で2億人のAmazonプライム会員がおり、Amazon PayはそのアクティブなAmazonカスタマーアカウントを持っています。2021年の初めに、Amazon PayはCheckout v1からCheckout v2にバージョンアップしたことで、チェックアウトプロセスのデザインを刷新しました。それにより、顧客の決済体験はより簡単でわかりやすいものになったのです。
「Amazon Payが選ばれる理由は、Amazonでの楽しく、信頼できる購買体験を、世界中のオンラインショップに拡張しているからだと思います。一度、Amazon Payでのチェックアウトの速さを体験した顧客は、継続して利用してくださっています」とジェニーさんは言います。
Amazon Payを導入する事業者は今後も増えていく
ジェニーさんは続けて「多くの事業者は、顧客が幅広い決済手段を望んでいることを知っています。しかし、クレジットカードなど従来の決済手段だけを提供するところもまだ少なくありません。クレジットカードはオンライン決済の先駆者ということもあり、事業者はクレジットカード払いを信頼しています。今後は他の支払い方法も時間をかけて事業者からの信頼を得られるようになっていくでしょう」と話しました。
「Alexaを使った配達通知など、他のAmazonサービスとの連携により利便性が高まることからも、Amazon Payは今後も決済業界でのシェアを伸ばしていくことがわかります。Amazon Payを利用している多くの事業者は、支払いが非常にシンプルかつスムーズであるため、チェックアウト率などのコンバージョン指標にプラスの影響を与えたと言っています。消費者のほとんどがすでにAmazonのアカウントを持っているため、多くの事業者にとってAmazon Payをオンラインショップに追加しない理由はないと思います」とジェニーさんは締めくくりました。
最後に:日本では三つ巴の状況
今回はEUのマーケティング責任者によるインタビューでしたが、その内容は日本国内にも十分当てはまるものだと感じられました。しかし、日本における会員IDを活用したオンライン決済はAmazon Payだけではなく、楽天ペイやPayPayなど潤沢な顧客基盤を保有しているサービスが存在しています。
国産のサービスはポイントキャンペーンを中心に消費者の生活にとって欠かせないエコシステムを築いています。使いやすさという点においてAmazon Payに分がある一方で、顧客を誘引する仕組みは現状弱いと考えられます。事業者が導入を選択する上で、決済手数料やシステム開発の手間、キャンペーンの有無など、様々な要素があるかと思いますが、こういったオンライン決済サービスの導入により顧客の利便性が向上することは間違いないでしょう。
※この記事は「Ecommerce News」に掲載されているニュースをもとに翻訳しています。日本のEC事業者の方の参考になればとのことで、Ecommerce News社にご協力いただいております。
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