
2022年11月に一般リリースされたAIチャットボット「ChatGPT」は、瞬く間に注目を集め、わずか2か月後の2023年1月にはユーザー数1億人を突破しました。それ以来、AIに関連するニュースが途絶えることはなく、特に文章や画像、動画生成AIは、EC運営においても活用できる場面が数多く存在しています。
そこで、カラーミーショップでは、EC運営事業者のAI活用状況を把握するため、ショップオーナーを対象に「AI活用に関するアンケート」を実施しました。本調査では、現在のAI活用状況やその効果、また、AI活用に対するためらいの要因についてもまとめています。
・アンケートに協力いただいたショップの概要

調査対象となったショップオーナーたちが取り扱う商材は多岐にわたり、AI技術の導入による業務改善が期待される分野も多様です。
石川 あずみ
GMOペパボ株式会社
EC事業部 マーケティングチーム PR担当
大手通信会社やベンチャー企業を経て、2015年に広報担当としてGMOペパボ株式会社に入社。ハンドメイドマーケット「minne」をはじめとする各サービスの広報担当として、キー局や全国紙・地方紙など数多くのメディア掲載・出演実績を持つ。現在は、ECサイト構築サービス「カラーミーショップ」のPR担当として、自らも100名以上へのインタビュー取材を実施するほか、これまでに100件以上のオンラインセミナー・イベントのディレクションも担当している。
GMOペパボ株式会社
https://pepabo.com/
この記事の目次
アンケート結果
EC運営業務におけるAI技術の活用状況

「ECサイトの運営業務にAIを活用していますか?」という質問に対して、「活用している」と回答した方は全体の17.5%でした。一方で、「興味はあるが導入する予定はない」との回答が37.5%に達しており、AIに対する関心は高いものの、実際の導入には至っていないケースが目立っています。
AI活用をためらう主な障壁

AI活用にあたっての主な障壁として、「技術的な知識やスキルの不足」が全体の55.6%を占めており、AIの使い方がわからないことが導入の妨げになっていることがわかりました。
AI活用業務の内容

AIを活用している業務として最も多かったのは「商品ページの文章作成」で、61.5%の回答者がこれに利用していると答えています。次いで「SNS投稿やブログ記事の文章作成」が多く、文章生成AIが広く利用されていることが確認されました。
AI導入による効果
AIを導入したことで得られた効果については、以下のような回答が寄せられました。
- 広告運用やライティング業務が、以前の3割以下の工数で完了するようになった
- SEOを考慮した文章の作成が大幅に短縮された
- 新規ページの作成が迅速化した
- 商品ページのSEO対策がより効率的に行えるようになった
- 問い合わせ対応の返信文の作成が楽になった
- キーワードの提案など、コンテンツSEOでの作業が便利になった
全体として、業務の効率化、特に作業時間の短縮に関するポジティブな効果が多く挙げられています。
今後のAI活用予定

今後、AIを導入・活用していきたい業務として最も多かったのは、「チャットボットによる顧客対応」でした。一方で、AI導入予定がないとの回答が全体の29.6%に上り、AIに対する興味や期待に個人差が見られることが明らかになりました。
EC業務以外でのAI活用

EC業務以外でAIを活用していると回答した人は77.5%に達しており、特に文章生成や画像生成が多く利用されています。また、エクセルの自動化など、社内事務処理にもAIが活用されていることがわかりました。
AI技術発展への期待
最後に、今後のAI技術の発展に期待する分野については、以下のような回答がありました。
- サイト内検索機能や商品レコメンド機能の強化
- 新商品のアップ作業の自動化
- 簡単かつ効果的な費用対効果測定機能
- 複雑な問い合わせへの対応
特に、手間のかかる作業や顧客対応の自動化に期待が寄せられています。
総括
今回のアンケート結果から、EC事業者の間でAIに対する関心が二極化していることがわかりました。AIを導入している事業者は一定数存在し、主に作業時間の短縮やSEO対策に効果を感じている一方で、AIに対する知識・情報不足が大きな障壁となっていることも確認されました。
今後は、チャットボットや商品レコメンド機能など、ユーザー体験を向上させるAI活用がさらに進むことが期待されます。カラーミーショップでは、引き続き、セミナーやコンテンツ公開を通じて、EC事業者がAI技術を効果的に活用できるよう支援を続けていきます。
調査概要
- テーマ: AI活用に関するアンケート
- 対象: カラーミーショップユーザー
- 回答者数: 40名
- 調査期間: 2024年6月5日~2024年6月21日
- 調査方法: カラーミーショップ契約者へのメール配信
- 主催: カラーミーショップ by GMOペパボ
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