潜在力抜群の高齢者市場を動かす!MEGURYにみる、シニアマーケティングのヒント
この記事の執筆者

青木 忠大
サンドディー・アイ・ジー株式会社
CEO/企画ディレクター

1999年エイベックスグループ入社。動画配信サービスの立ち上げメンバーとして、事業初年度に350万人の有料会員を達成。それ以前にも、新規通販事業を立ち上げ、3年間で50億円の事業規模に成長させる。

2014年にサンド ディー・アイ・ジー株式会社を創業し、COMAKI(コマキ)の提供を開始。三井不動産、大塚製薬、DMMといった大手企業のマーケティング支援を行っている。また、2022年からは、新サービスMEGURY(メグリ)を開発。自治体の健康福祉や観光産業の課題解決のためのプラットフォームを提供しており、豊島区や松本市、かすみがうら市に採用実績がある。

企業HP:https://comaki.sunds.jp/comaki_lp/
X(旧Twitter):https://twitter.com/COMAKI2014

シニアマーケティングの重要性について

日本をはじめとする先進国では、急速に高齢化が進んでいます。総務省のデータによれば、2023年の時点で日本の65歳以上の高齢者は総人口の約30%を占めており、2050年にはその割合が40%に達すると予測されています。このような状況下、高齢者市場の重要性はますます高まっており、企業や自治体はこの市場に対する新しいアプローチを模索しています。

シニアマーケティングの重要性は、単に市場規模の大きさにとどまりません。高齢者は長年の経験と豊富な知識を持ち、安定した購買力を有しています。また、健康でアクティブな生活を求める高齢者が増えており、彼らのライフスタイルに対応した商品やサービスが求められています。しかし、高齢者はデジタル技術に対するハードルを感じることが多く、適切なアプローチがなければその潜在力を引き出すことは困難です。そこで、デジタルトランスフォーメーション(DX)が重要な役割を果たすことになります。

シニアマーケティングの推進事例

シニアマーケティングの成功事例として注目されているのが、MEGURYのプロジェクトです。MEGURYは、自治体と共同で行っているLINEアカウントを利用した取り組みで、市民が特定の場所を巡ることでスタンプを集めるデジタル版のスタンプラリーを提供しています。このプロジェクトは特に高齢者に人気を博しており、高齢者市場におけるDXの成功例として注目されています。

MEGURYの概要

MEGURYのプロジェクトは、デジタル技術を駆使して市民の外出を促進することを目的としています。LINEアカウントを通じて提供されるスタンプラリーは、市民が指定された場所を訪れるとデジタルスタンプがもらえる仕組みです。これにより、市民は自然に地域の観光スポットや商業施設を訪れるようになります。この取り組みは、地域経済の活性化にも寄与しています。

高齢者の積極的な参加が確認できている

MEGURYのデータによれば、登録者の25%が60歳以上という結果が出ています。また、10箇所以上を巡った利用者の30%、さらに100箇所以上を巡った利用者の45%が60歳以上です。これらの数字は、高齢者が、より積極的にこのプロジェクトに参加していることを示しており、デジタル技術を利用した新しい形のシニアマーケティングの成功例となっています。

このようなMEGURYの取り組みのポイントとして、以下の3つが挙げられます。

1. LINEの活用


高齢者向けのDX推進手法として、まずLINEの有効性が挙げられます。LINEは日本で非常に普及しており、そのシンプルな操作性と親しみやすいインターフェースが高齢者にも使いやすいツールです。通知機能を活用することで、イベントやキャンペーンの情報をタイムリーに届けることができ、高齢者の参加を促進しています。


2. シニアでも楽しめる仕掛け


高齢者が楽しめる仕掛けの重要性も見逃せません。MEGURYでは、スタンプを集めるというシンプルなゲーム要素が取り入れられています。直感的に操作できるインターフェースや、達成感を感じさせるバッジやランキングなどの工夫が、高齢者の参加意欲を高めています。


3. オフラインの活用


フライヤーなどの配布物を活用した利用者獲得の有用性も大きなポイントです。MEGURYでは、オンラインだけでなくオフラインの手法も積極的に取り入れています。地域のイベントや公共施設でフライヤーを配布し、高齢者に直接アプローチすることで、LINEアカウントの登録を促進しています。このように、オンラインとオフラインを組み合わせたハイブリッドな戦略が効果を発揮しています。

MEGURYの成功要因にみる、シニアマーケティングのヒント

MEGURYの成功要因を分析すると、高齢者向けDX推進において重要なポイントが浮かび上がります。

高齢者でも使いやすいデジタルツールの選定

高齢者がデジタル技術に抵抗感を持つことは少なくありません。そこで、操作がシンプルで直感的なツールの選定が重要です。LINEはその点で非常に優れたツールであり、高齢者でも簡単に利用できるため、プロジェクトの成功に大きく寄与しています。

ゲーミフィケーションの導入

高齢者が楽しみながら参加できる仕掛けを取り入れることも重要です。スタンプラリーというシンプルなゲーム要素は、参加者に達成感を与え、継続的な参加を促します。また、バッジやランキングなどの追加要素も、競争心や達成感を刺激し、参加意欲を高める要因となっています。

オンラインとオフラインのハイブリッド戦略

オンラインだけでなく、オフラインの手法も組み合わせることが成功の鍵となります。特に高齢者は、直接のアプローチや実際に手に取れる情報に対して信頼感を持つ傾向があります。MEGURYでは、フライヤーや地域イベントを活用することで、高齢者の信頼を得つつ、デジタルへの誘導を効果的に行っています。

地域コミュニティとの連携

地域の商業施設や観光スポットと連携することで、プロジェクト自体が地域の活性化にもつながります。地域コミュニティと連携し、地元の施設やイベントに参加することが、プロジェクトの参加者にとってもメリットとなり、結果として高齢者の参加を促進しています。

さいごに

高齢者市場の重要性は今後ますます高まると考えられます。デジタル技術を駆使した新しいマーケティング手法は、高齢者の生活を豊かにし、社会全体の活性化にも寄与するでしょう。MEGURYの成功事例を参考にしながら、今後も高齢者向けのDX推進に取り組んでいくことが求められます。

【COMAKIマーケティングチャンネル】
www.youtube.com/@comakichannelbysundsdiginc9679

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URL:https://comaki.sunds.jp/comaki_lp/

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