ヘッドレスコマースとは?次世代のコマースアーキテクチャ

ヘッドレスコマースとは

フロントエンドとバックエンドのシステムがAPIを介して連携される構造のことを言います。

フロントエンドとは顧客と接点を持つ場のことであり、

  • 自社サイト
  • ブランドサイト
  • モールの店舗
  • 実店舗
  • コールセンター

などを指します。

バックエンドとはフロントエンドにおいて必要な情報データであり、

  • 商品情報
  • 在庫情報
  • 顧客情報
  • セキュリティ情報
  • インフラ情報

などの情報を指します。

これだけでは分かりづらいため、イメージを使って従来の構造とヘッドレスコマースの構造を解説していきます。

従来の構造

基本的には自社サイトやブランドサイト、モールなど、ユーザーから認識できるサイトごとにUI(ユーザーインターフェース)とデータベースが連動しています。これをモノリシックアーキテクチャといい、イメージとしては下図のような構造となります。

受注処理や在庫連携をするために、一元管理システムを活用することで一部の情報を連携させることはできますが、連携することができないデータは各サイトで運用を行う必要があります。例えば、一元管理システムに対応していない自社サイトに商品をアップロードする際に、モール型ECに商品をアップする作業が発生してしまいます。

また、バックエンドの事情によりUIの変更を柔軟に行うことができない場合が多々存在します。これはデータベースとフロントエンドが密接に連携しているため、改修を行う際の影響範囲がどの程度になってしまうか把握できず、改修に伴う確認作業など、一見簡単に見えるUIの変更でも慎重に対応する必要が出てきます。

ヘッドレスコマースではフロントとバックがそれぞれ独立しており、APIで連携しているため、UIの変更が柔軟に行なえます。では、それぞれが独立し、APIで連携している状態とはどういうことかヘッドレスコマースの構造で解説します。

ヘッドレスコマースの構造

今回データベース内にある項目は馴染みが深い内容を一部抜粋しています。各機能がAPIを介して繋がっており、バックエンドの各機能とデータベースが独立した構造を取っています。これをマイクロサービスアーキテクチャといい、イメージとしては下図のような構造になっています。

従来の構造では自社サイトやブランドサイトなどフロントとバックを1セットとしてそれぞれデータを持っていましたが、どのサイトからでも同じ情報と連携できるようになります。商品が登録されればAPIを介して自社サイトやモールにアップされます。実店舗やブランドサイト経由で注文が入った場合、全体の在庫から注文が入った数だけ減るようになるのです。

顧客の分析はどのチャネルでいつ・どの商品の購買を行ったかが明確になり、マルチチャネルで施策を考えることができます。OMOを考えるにあたってヘッドレスコマースは今後必要な考え方になってくるでしょう。

ヘッドレスコマースのメリット・デメリット

今後ゼロからEC及び物販業界に参入する企業はヘッドレスコマースを選択することが増えてくるのではないでしょうか。新しい考え方ではありますが、メリットのみではなくデメリットも存在します。自社で導入するに見合うものなのかはメリット・デメリットから判断して考えていくのが良いでしょう。

メリット

  • フロントエンドの仕様変更がデータベースに依存せずに行える
  • 全チャネル横断的な分析・施策を行える
  • バックエンドの開発コストが削減できる

デメリット

  • 導入にかかる時間とコストが膨大

メリットについてはほとんど前述の内容であり、通信速度が高速化する5G時代においてIoTとの連携等を考慮すると導入する企業は徐々に増えてくるでしょう。

今まで既存のモノリシックな構造でEC事業を運営していた企業では、導入に際して大きな時間とコストを必要とします。しかし、ヘッドレスコマースに対応できる構造に変えることで、バックエンドの各機能が独立し、マイクロサービスな作りとなるため、エンジニアの開発に掛かる工数削減のみならず、ディレクターやデザイナーがUIの設計や要件定義をする際に要する工数削減にもつながるため、結果としてコストを削減できる可能性があります。

移行後に従来の運用以上にコスト削減ができるとしても元々の規模にはよるものの、デメリットとして、導入にかかる時間とコストは見過ごせません。実装に向けた開発を行う際、規模が大きければ要件定義から運用まで請負できるベンダーは限られるでしょう。

どんな事業者に向いているのか

既に多数にチャネル展開している企業が導入に向いていると思います。モノリシックな構造で高負荷になりがちなサイトを運営している場合、マイクロサービスな構造へと変更することで負荷やリスクが分散され、サイトが落ちづらい構造になります。

既にテレビ通販や実店舗、ネット通販にカタログ通販など、多岐に渡って販売チャネルを持っていると、雑多に管理された情報をいつか統合するときが出てくることでしょう。顧客価値を高める手段として検討の価値はあると思います。

最後に

まだまだ5Gが浸透しない中でこれから先の未来の在り方を想像することは難しいでしょう。5G以降の高速通信及び低遅延(回線が遅くならない)状態が進むことで、IoTは爆発的に加速していくと言われています。ヘッドレスコマースはまだ自分自身の生活に置き換えてもピンと来ることは少ないでしょう。しかし、これから必ず必要となってくる領域です。ヘッドレスコマースを中心に考えるOMOとオムニチャネル、O2Oの世界に向けた準備を進めていくのはいかがでしょうか。

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