EC・D2Cの成長に必要不可欠なブランディングとは? ブランド構築でLTVを最大化
株式会社ライフェックス 代表取締役  工藤 一朗さん
インタビューの概要

様々な企業のEC事業を支援されてきた株式会社ライフェックス(以下、ライフェックス)は、ブランディングを軸としたマーケティング・CRMによって愛されながら売れ続ける販売戦略が重要だといいます。なぜ今ブランディングが重要なのか、同社の代表取締役である工藤一朗さんとCOOの吉田淳一郎さんにお話を伺いました。

プレイヤーが飽和するEC市場に求められるブランディング

―― なぜ今ブランディングを軸としたマーケティングが重要なのでしょうか?

工藤さん:ブランディングという考え方が重要なことは昔から変わりません。しかし、なぜ改めてブランディングが必要になっているのかをお伝えするために、まず、EC・通販業界の変遷からお話できればと思います。

私と吉田は2003年、株式会社ベルーナに新卒入社として勤め始めました。当時の商品企画としては良い商品を作って売り方は後で考えるプロダクトアウトの思考で動いていたものの、テレビにインフォマーシャル(テレビCM)を配信することで、売れるような時代でした。

ライフェックスを立ち上げた2009年にはスマートフォンの普及などの背景から主戦場がウェブへと移っていきます。当時はマーケットインの考え方で市場に合った商品を打ち出して販促していくことで自ずと売上が伸びていきました。

その後、ECはプレイヤーが増えて、どの市場もレッドオーシャン化が加速します。そこで、消費者に選んでもらうにはどうすればよいのか?という考え方が大切になってくるのです。消費者に新しく商品を購入してもらうためにかかるCPO(Cost Per Order:顧客1件あたりの獲得単価)と、その後の継続率を掛け合わせたLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)が指標になりますが、数字を伸ばすのは簡単なことではありません。

少し前まで、定期通販では定期縛りによって初回購入から複数回購入しないと解約できない仕組みでLTVを高める方法を取る場合もありました。しかし、こういった販売方法は事業者都合な側面が強く、現在ではより消費者ファーストな方向に法令が整備されて定期縛りを利用する場合は少なくなっています。

株式会社ライフェックス COO 吉田 淳一郎さん

吉田さん:弊社の調査データにはなりますが、平均的なLTVは3.1~3.2ヶ月となっていることからも、事業者にとっては厳しい中での運営が強いられていることがわかるのではないでしょうか。

こういったEC・通販業界の背景から、消費者が継続的に商品を購入する、つまり、LTVを伸ばしていくために、定期縛りのような強制力を持った繋がりではなく、ブランドが消費者に対して約束を果たす形で繋がりを持つブランディングという価値観が必要不可欠になっているのです。

企業の理念・考え・想いを消費者に体感してもらうことがブランド価値の向上に繋がる

―― プレイヤーが少なかった2009年頃から、最近の定期通販業界における背景を伺い、LTVを簡単に伸ばせない状況であることがわかりました。解決策として『ブランディング』がキーワードになってくるかと思いますが、ライフェックスにとってのブランディングとはどういったものでしょうか?

吉田さん:当社ではブランドを『消費者に認識されている企業・商品・サービスそのもの』と定義しています。そして、ブランディングを『ブランドの理念や考え、想いというものを消費者に理解してもらう』ことを指してお話しています。この理念や考え、想いのような事業者から発信するメッセージを、ブランドは消費者との約束事として、この約束(ブランドプロミス)を果たすことでブランドの価値が高まっていくのです。

ブランドプロミスを決めたとしても、消費者がブランドを体験するにはプロミスをしっかりと表現し、届ける必要があります。その表現方法は、キャッチコピーやキーワードを活用しメッセージとして届ける方法と、サイトデザインやフォント、コールセンターなど消費者との接点を通じて与える心理的な印象の2つに分けられます。

メッセージを届けることに関しては得意な事業者様が多い印象ですが、消費者との接点を細部までこだわり抜く必要がある心理的な印象を上手く届けられている事業者様は少ないように思います。

ブランドプロミスをブランド体験に昇華させるためのプロセス

ブランディングの実践に必要な視点

―― たしかに、メッセージを見て興味を持ったブランドであっても、サイトのトンマナや販売方法、顧客対応など様々な接点でメッセージと異なる印象を受けると、消費者として気持ちが離れてしまう気がします。企業としてブランディングを実践するにはどういった視点が必要でしょうか?

工藤さん:ブランドというと、日本の場合いわゆるハイブランドが想起されがちですが、価格が高い安いは関係なく、ポリシーをしっかり持つことが重要です。ブランドの舵取りを担う重要なポジションとして、海外では商品やサービスにはブランドマネージャーがいます。日本ではそういったポジションを務めている方が少なく、ブランドを醸成することにコストや時間をかけていない場合が多いです。

また、そもそも商品やサービスを立ち上げる際に、理念構築の考え方がないままに事業を推進している場合や、定めたブランドプロミスが事業者様自身の体験に紐付いていない場合はブランディングが失敗しやすいと思います。

吉田さん:ブランディングを実践する上で必要な視点は、ブランド育成に終わりはないということと目先の数字を追い求めすぎないことです。

当社で立ち上げの支援を行う場合、ブランドプロミスやブランド体験といったブランドアイデンティティを決めるコンセプトの設計に2~3ヶ月、そこからサイトデザインの作成やSNSの運用、コールセンターの対応など細部に至るまでのプランニングに半年かかります。その後、新規顧客の集客としてPDCAを回しながらマーケティングを3ヶ月ほど行うため、軌道に乗るまで約1年要しますが、成果が目に見えてわかるかと思います。

更に、そこから新規顧客に対して継続的に購入いただけるようなCRMのプランニングと運用を行います。

PDCAを回しながらブランド育成を継続的に行っていく

吉田さん:このとき、目先の利益を追い求め過ぎると、消費者のブランド体験がずれてしまいがちです。例えば新規顧客の集客に使うためのランディングページを作成する際に、売れるライティングを意識することで、CPOを下げて低い単価で新規顧客を集客できるかもしれません。しかし、ブランドアイデンティティからずらさないライティングによって、CPOが若干高くなったとしても最終的なLTVが良くなり、継続的に購入していただけるでしょう。

『ライフェックス』が提供するブランド構築の形

――今お話いただいたブランド構築の流れを、具体的にどうやって実践したら良いかわからない企業は少なくないと思います。ライフェックスでは、どのような形で事業者様の支援を行うのでしょうか?

工藤さん:弊社では事業者様への支援を通して、消費者へ本質的なワクワクを提供できることを目的にしています。消費者が買い物をするときのワクワク感を裏切らないために、ブランドプロミスを正しく伝えなければなりません。そのため、最適に支援を行う体制として、社内に「ブランディング」「マーケティング(新規獲得)」「CRM(顧客維持・育成)」の3つのチームを立てています。支援の際はクライアントごとに各チームのスペシャリストを集めた1つのチームを作ることで消費者の接点となるいかなる点において、ブランドアイデンティティをずらすことのない購買体験を提供できるようにしています。

また、今お伝えした3つのチーム以外にもEC事業を川上から川下まで一気通貫でサポートすることにこだわっています。コールセンターの対応やマーケティング手法の研究など、クライアントの課題に応える形で一つ一つサービスを増やしながら、消費者に満足いただける仕組みづくりを支援します。

ブランディングを自社で挑戦する方に向けて

―― ブランドアイデンティティの決定から施策の遂行までコンセプトをずらさずに消費者へ届けられるチーム作りはクライアント目線でのストレスが少なく、一貫した支援をしていだけるに違いないと思います。最後に、これから自社でブランディングをしたい企業に向けて気をつけたほうが良いことがあれば教えていただけますか?

吉田さん:課題をきっかけにブランドが立ち上げることが多いと思います。自分たちで解決したい課題感を深堀りし、解決したいという思いが強まることで誰にも真似できないブランドプロミスができあがっていきます。その際、マーケットの状況など定量面を無視することはできないため、リサーチやアンケートを実施しながらブランディングを行っていくと良いでしょう。

工藤さん:加えて、課題に対して、ブランドの存在意義を深堀りしていくと良いでしょう。既にブランドが立ち上がっている場合でも、自社の存在意義や価値を深堀りして考える時間をしっかりと作ることで、自然と今のクリエイティブが修正される軸が見えてくると思います。

ブランディングが上手くいっており、素敵だなと思う会社では、どの社員の方に会社のブランドの話を聞いても同じ回答が返ってきます。どのような課題を解決するのか、どんな存在意義があるのか、ブランドイメージが上手く擬人化されることで社内に浸透しやすくなるので、ぜひ試してみてください。

インタビューを通して:商品やサービスの軸となるブランディング

D2Cの流行によって、オシャレで格好良いブランドが立ち並ぶ一方で、なんとなく「オシャレだな」という印象が先行し、ブランドを通して提供したい価値やぶれない姿勢が消費者視点では見えづらいことがあるように思えます。

ライフェックスはウェブで完結する施策だけではなく、消費者との接点では欠かせない物流やコールセンターを含めた支援を行っています。EC・D2C領域において、LTVやCRM、ブランディングにお悩みの方は、ブランドプロデュースカンパニーとして通販の基本的な型から現在のトレンドまで包括的なノウハウを持つライフェックスにぜひ相談してみてはいかがでしょうか。

▼株式会社ライフェックスへの相談はこちら
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