
Recustomer株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:柴田康弘、辻野翔大)は、同社のサービスを導入している500ブランドを超えるECストアの実購買データをもとに、「Returns, Exchanges & Delivery Report 2026 上半期」を発表しました。
このレポートでは、2026年1月から6月における約1,790万件の注文と、約12.5万件の返品・交換に関する実購買データを詳しく分析し、返品理由や申請が行われる時間帯、交換への転換率、返品・交換を経験した顧客の購買行動などについて調査が実施されました。
分析結果によると、返品申請の61.1%は平日9時から18時の営業時間外に集中していることが判明しました。さらに、アパレル業界では返品の25.5%が交換に転換されており、「交換」という選択肢によって返品の約4件に1件が売上として維持されていることが明らかになりました。加えて、返品・交換を経験した顧客の顧客生涯価値(LTV)は、未経験者と比較して約2倍(1.95倍)になる傾向が見られています。
その一方で、返品申請の61.1%が営業時間外に発生しており、返品理由の64.2%は「サイズが合わない」「イメージ・色・素材感が違う」といった購入前の情報とのミスマッチが原因となっていました。
これらの調査結果から、返品・交換は単なる返品処理業務ではなく、顧客との良好な関係を継続し、売上機会を維持するための購入後体験として設計できる可能性が示されました。
この記事の目次
調査結果のサマリー
主な調査結果は以下の通りです。
- 返品申請の61.1%は営業時間外(平日9時から18時以外)に発生
- 返品申請の78.7%は1時間以内に承認され、返金完了までの中央値は7.4日で、そのうち返品商品の配送待ちが5.5日を占める
- アパレル分野では返品の25.5%が交換へ転換し、返品の約4件に1件が売上として維持される
- 返品・交換経験者のLTVは未経験者の約2倍(1.95倍)
- 返品理由の64.2%はサイズ・イメージなど購入前のミスマッチによるもの
- 配送追跡メール開封後5日以内の購入率は9.2%(前年比+2.3ポイント)
返品申請の約6割は営業時間外に集中、24時間対応可能な体制が必要
返品申請が発生する時間帯を詳しく分析した結果、61.1%が平日9時から18時の営業時間外に集中していることが分かりました。
また、時間帯別の分析では、平日11時から12時と19時から21時に申請が集中する「二山型」の傾向が確認されました。
この結果は、顧客が返品手続きを行いたいタイミングと、カスタマーサポートが実際に対応可能な時間帯との間にギャップが存在することを示しています。
営業時間外でも返品の受付や案内を行える体制を整備することは、顧客満足度を向上させるだけでなく、事業者側の対応負担を軽減することにもつながると考えられます。

返品申請の約8割は1時間以内に承認、返金までの時間は配送が大半を占める
Recustomerを活用した返品対応を分析したところ、返品申請の78.7%が1時間以内、90.8%が24時間以内に承認されていることが分かりました。返品申請後の承認処理は迅速に行われており、承認待ちによる時間はほとんど発生していない状況です。
一方で、返金完了までの中央値は7.4日となっており、そのうち返品商品の配送待ち時間が中央値5.5日を占めていました。返金までに要する時間の大部分は、返品商品の配送工程によるものであることが明らかになりました。
この結果から、返品対応のスピードを左右する主な要因は承認処理ではなく、返品商品の配送を含めた購入後フロー全体にあることがうかがえます。

返品の約4件に1件は「交換」で売上として維持される
返品を「返金」で処理した場合、その取引の売上は失われます。一方で、「交換」に転換できれば売上は店舗に残る形になります。
今回の分析では、アパレル分野における交換転換率は25.5%(中央値)となり、返品の約4件に1件が交換として成立していることが判明しました。一方、返金後5日以内に同じ店舗で再購入される割合は6.6%にとどまっており、「交換」が売上維持に効果的であることが示されました。
さらに、返品ポリシーと購入行動にも相関が見られました。顧客あたりの年間購入回数は、「返金・交換ともに可」のストアでは1.87回、「交換のみ」が1.57回、「返金のみ」が1.49回、「不良品のみ受付」が1.38回となり、最も寛容な返品ポリシーを採用するストアでは約1.4倍の差(参考値・相関)が確認されています。
加えて、返品・交換を経験した顧客のLTVは未経験者の約1.95倍となる傾向も確認されました。
返品・交換は単なるコストではなく、顧客との関係を維持し、継続的な購買につなげるための購入後体験の一つであることがうかがえます。

返品理由の約6割はサイズ・イメージのミスマッチ
返品理由を分析した結果、「サイズが合わない」が45.3%、「イメージ・色・素材感が違う」が18.9%となり、両者を合計すると64.2%を占めることが分かりました。
一方で、品質・不良・破損を理由とした返品は13.6%にとどまり、返品の多くは商品の不具合ではなく、購入前に得られる情報と実物とのギャップによって発生していることが明らかになりました。
カテゴリ別では、アパレルではミスマッチ起因が69.8%、シューズではサイズ起因が70.9%を占めています。
この結果から、サイズガイドや着用画像、レビューなど、購入前に適切な情報を提供することが返品削減につながる可能性があることが示されています。

考察:「返品対応の競争力」は購入後体験の設計で決まる
今回の分析では、返品・交換を経験した顧客のLTVは未経験者の約1.95倍(相関)となる傾向が確認されました。また、アパレルでは返品の約4件に1件が交換へ転換しており、返品申請の約6割は営業時間外に発生していることも明らかになりました。
これらの結果から、返品・交換は単なる返品処理業務やコストではなく、顧客との関係を継続し、売上機会を維持するための重要な購入後体験であることが分かります。
また、返品理由の大半はサイズやイメージなど購入前の情報とのミスマッチであり、返品を完全になくすことは難しい一方で、交換への転換やスムーズな返品手続き、適切なコミュニケーションを設計することで、顧客体験と事業成果の両立を目指せる可能性が示されました。
EC市場では新規顧客の獲得競争が激しさを増す中、今後は「返品を減らすこと」だけではなく、「返品・交換を含めた購入後体験をどう設計するか」が、リピート購入やLTV向上につながる重要な競争力になると考えられます。
Recustomerでは、返品・交換・注文キャンセル・配送追跡など購入後体験を一元的に支援するサービスを提供しています。返品・交換を単なるコストではなく、顧客との関係を深める接点へと変えることで、EC事業者の売上向上と顧客体験の向上を支援しています。
2026年下半期に向けた示唆
本レポートでは、上半期の分析から2026年下半期に向けた3つのテーマが提示されています。
第一に「繁忙期オペレーションと交換在庫の設計」です。返品申請の6割超が営業時間外に発生する以上、繁忙期には有人対応のキャパシティを超える申請が集中します。申請から承認、案内までを自動化し、交換に転換するための在庫を計画的に確保できるかが、繁忙期の顧客体験と売上維持を左右します。
第二に「返品ポリシーの設計」です。ポリシーの寛容度と購入頻度・LTVには相関が見られました。「返金のみ」から「交換も選べる」設計へ踏み込むことが、返品を売上として残す起点になり得ます。
第三に「配送体験の可視化」です。配送追跡メールの開封後5日以内の購入率は9.2%(前年比+2.3ポイント)と、配送体験の可視化が次の購入接点になっていることが確認されました。お届け予定日の通知や進捗の可視化を、購入後の重要な顧客接点として設計する余地があります。
調査概要
レポート名:Returns, Exchanges & Delivery Report 2026 上半期 by Recustomer
調査主体:Recustomer株式会社
調査期間:2026年1月から6月(LTV・返品ポリシー・返金後再購入の分析は直近1年=2025年7月から2026年6月)
調査方法:Recustomerを導入するECストア(500ブランド超)における実購買・返品・交換・配送追跡データの集計分析
対象規模:
- 対象注文:約1,790万件
- 返品・交換:約12.5万件(承認ベース)
- 追跡対象出荷:約892万件
- 追跡メール送信:約1,273万件
集計上の注意:
- 返品率の前年比較は、同一ブランド群を対象とした固定コホートで算出(2.00%→2.41%、+0.41ポイント。同コホートの注文数は−3.8%)されています。
- 返品・交換の件数は承認ベースとなっています。集計対象ストアの拡大に伴い前年から件数自体は増加しているため、件数の増減はそのまま市場動向を示すものではありません。
- 2025年版レポートとは集計基準・対象範囲が一部異なるため、単純比較には注意が必要です。
購入後体験プラットフォーム「Recustomer」について
Recustomerは、購入後の体験向上・顧客接点創造を実現する購入体験プラットフォームです。具体的には、注文を追跡してお届け予定日を通知する「Recustomer 配送追跡」、返品・交換・注文キャンセル業務を自動化する「Recustomer 返品・交換」、「Recustomerキャンセル」、お試し購入を可能にする「Recustomerお試し購入」、再オーソリの特許技術で柔軟な販売方法を実現する「Recustomer 予約購入/再入荷確保」の5つのサービスが提供されています。特別な購入後体験を提供することで、ユーザーの体験向上を実現し、EC事業者の売り上げ向上を支援します。
Recustomer株式会社の概要
会社名:Recustomer株式会社
代表取締役:柴田康弘、辻野翔大
事業内容:購入後体験プラットフォーム「Recustomer」開発・運営
設立:2017年3月
所在地:東京都中央区銀座5丁目14−1 銀座クイント 8F
出典元: Recustomer株式会社














