
株式会社メルカート(本社:東京都港区、代表取締役社長:渡邉章公)は、ECサイトでの商品購入時にChatGPTやGeminiなどのAIを活用して調査や相談を行う20〜60代の消費者400名に対し、「ECサイト利用時のAI相談に関する調査」を実施しました。
調査の結果、AIが利用者の「予算」や「好み」を把握し、カート投入から決済に至る購入手続きまでを代行する機能について、86.0%の回答者が「利用したい」と回答していることが明らかになりました。その一方で、AIが商品選定から購入完了までを担当する購買体験を表す「エージェンティックコマース(Agentic Commerce)」という用語を「全く知らない」と回答した人は50.8%と半数を占めており、用語の認知度に先駆けて、「AIに買い物を委ねたい」というニーズがすでに顕在化している状況が明らかになりました。
エージェンティックコマースの時代を迎えるにあたり、EC事業者はどのような準備を進めるべきでしょうか。今回の調査結果から、その実態を紹介します。
この記事の目次
調査実施の背景
生成AIの普及が進む中、商品を「検索して選択する」スタイルから、「AIに相談して決定する」という購買行動へと変化が広がっています。さらにその先には、AIエージェントが商品の選定から購入手続きまでを一貫して担う「エージェンティックコマース」の仕組み構築が、国内外で加速しています。
しかしながら、日本の消費者はこうした変化をどの程度認識し、受け入れる体制が整っているのでしょうか。今回の調査では、すでにAIを活用して買い物相談を行っている消費者を対象に、エージェンティックコマースの認知状況と、AIによる「購入代行」に対する利用意向が調査されました。
調査結果①:認知と需要のギャップ「全く知らない」が50.8%、購入代行の利用意向は86.0%
「エージェンティックコマース」という用語について知っているかという質問では、「全く知らない」との回答が50.8%と半数以上を占める結果となりました。「言葉は聞いたことがあるが、内容はよく知らない」は27.0%、「意味まで詳しく知っている」は22.3%にとどまっており、AIで買い物相談を行っている層においても、用語の認知はまだ十分に浸透していない状況がうかがえます。

ところが、AIが「予算」や「好み」を理解して、カート投入や決済まで代行してくれる機能の利用意向を尋ねたところ、「積極的に利用したい」(28.5%)、「日用品などのルーチン購入なら利用したい」(38.5%)、「AIが選んだものを最後に承認するだけなら利用したい」(19.0%)を合計すると、86.0%が「利用したい」と回答しています。「利用したくない」は14.0%にとどまりました。

さらに、認知度と利用意向のクロス集計を行うと、「全く知らない」層の利用意向は75.9%、「言葉は聞いたことがある」層では95.4%、「意味まで詳しく知っている」層では97.8%となり、認知度が高まるにつれて利用意向も上昇する傾向が見られました。エージェンティックコマースは、"認知が広がるほど受け入れられる"可能性を秘めた領域であると言えます。

調査結果②:一度AIのおすすめで購入した人は、次は"代行"を求める傾向。購入経験者の積極利用意向は42.4%、未経験者の約3倍
AIにおすすめされた商品を「購入したことがある」人は43.0%でした。「購入はしていないが、購入の候補に入れた」(36.0%)と合わせると、79.0%がAIの推薦を購買の検討プロセスに取り入れていることがわかりました。
購入経験の有無と購入代行機能の利用意向をクロス集計した結果、購入経験者の利用意向は92.4%に達し、「積極的に利用したい」は42.4%となりました。未経験者の積極利用意向(14.3%)と比較すると約3倍の数値であり、一度AIのおすすめで購入を経験した消費者は、次のステップである"購入代行"にも積極的になる傾向が読み取れます。

調査結果③:需要の中心は"決定疲れ"層。76.3%が経験、「よくある」層の積極利用意向は55.3%と全体の約2倍
商品選びで「失敗したくない」という気持ちから、ついつい時間をかけすぎてしまう「決定疲れ」を経験したことがある人は、「よくある」(25.8%)と「たまにある」(50.5%)を合わせて76.3%に上りました。買い物でAIを利用する理由としても、「自分で多くの商品を見比べ、決断することに疲れを感じるから」が24.5%を占めています。
決定疲れの経験と購入代行機能の利用意向をクロス集計すると、決定疲れが「よくある」層では「積極的に利用したい」が55.3%と、全体(28.5%)の約2倍に達しました。属性別に見ると、女性50代の90.0%、女性40代の80.0%が決定疲れを経験しており、"選択することの負担"がAIへの委任意向を高めている構図が浮かび上がります。

調査結果④:意外な支持層は60代男性。利用意向は95.0%、「積極的に利用したい」は35.0%で男性最高
性別・年代別に分析すると、購入代行機能の利用意向が最も高かった層の一つは、意外にも60代男性でした。利用意向は95.0%に達し、「積極的に利用したい」も35.0%と男性の中で最も高い水準となっています。その一方で、60代男性の62.5%は「エージェンティックコマース」という用語を「全く知らない」と回答しており、用語を認識していないまま、機能そのものを強く求めている層であることがわかります。
この背景には、買い物に対する慎重な姿勢があると考えられます。買い物でAIを利用する理由を年代別に見ると、60代では「客観的な比較をしてもらい、買い物での失敗を防ぎたいから」が41.3%と、他の世代の約2倍に上りました。失敗を避けたいからこそ、客観的に比較・判断してくれるAIに委ねたいという、慎重さがエージェント需要を生み出している示唆に富んだ結果となっています。

考察:需要は、認知を待ってくれない。"AIが読める店"が次世代ECの条件に
今回の調査が明らかにしたのは、「エージェンティックコマースの認知が広がってから対応すれば良い」という前提が、すでに通用しないという事実です。用語を全く知らない層でさえ75.9%が購入代行の利用を希望し、意味を理解している層では97.8%に達しています。需要は認知に先行して、すでに形成されています。認知が追いつくのを待っている間にも、需要だけが静かに積み上がっている。これが、エージェンティックコマース"前夜"の実態です。
この先に訪れるのは、AIエージェントが消費者に代わってECサイトを訪問し、商品を比較し、決済までを実行する世界です。そのときに問われるのは、AIが正確に参照できる商品・在庫・価格情報の一元管理と、代理購入を安全に成立させる決済・認証のセキュリティです。人間の目には魅力的に見えるサイトでも、データが整備されていなければ、AIにとっては"読めない店"になってしまいます。選ばれる基準そのものが、変わろうとしています。
あわせて、需要の中心が"決定疲れ"層だったという事実は、EC体験そのものの再設計を示唆しています。膨大な選択肢を並べて選ばせるのではなく、対話と提案によって"選ぶ負担"を軽減する。この転換は、外部のAIエージェントを受け入れる基盤づくりと地続きの取り組みです。
メルカートは、SaaS型クラウドECプラットフォームとして、商品情報のリアルタイムな同期、決済・認証におけるセキュリティ、そして外部AIエージェントとのデータ連携を見据えた設計に取り組んでいます。
調査概要
調査名:ECサイト利用時のAI相談に関する調査
調査方法:インターネットアンケート
調査対象:ECサイトで商品を購入した経験があり、購入の際にAI(ChatGPTやGemini等)で調べたり、相談したりすることがある20〜60代の消費者
有効回答数:400名(性別×年代の各セグメント40名ずつ均等割付)
調査時期:2026年3月18日〜19日
※構成比は小数第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
株式会社メルカート 会社概要
商号:株式会社メルカート
代表者:代表取締役社長 渡邉 章公
所在地:〒107-0062 東京都港区南青山2-2-8 南青山DFビル9F
設立:2025年10月
事業内容:ECプラットフォーム事業、ECサイト構築・導入支援
資本金:100,000千円
出典元: 株式会社メルカート














