60〜75歳のスマホ利用実態調査、56.6%が「使いこなせていない」も82.0%は「ガラケーに戻りたくない」と回答

株式会社ネオマーケティングが、全国の60歳から75歳までのスマートフォン所有者500人を対象に、シニア層におけるスマートフォン利用実態調査を実施しました。調査期間は2026年4月14日から4月15日で、WEBアンケート方式により行われています。

調査結果のポイント

今回の調査では、60〜75歳のシニア層におけるスマートフォン利用の実態が明らかになっています。主な調査結果として、60〜75歳の56.6%が「スマホを使いこなせていない」と回答している一方で、82.0%が「ガラケーに戻りたくない」と答えており、使いこなせなくても手放せないという実態が浮き彫りになりました。

また、スマホ操作で困った時に頼る相手として「インターネットで調べる」と回答した人が43.2%と、「家族(子ども・孫)」の39.8%を上回っています。特に70〜75歳では49.3%対41.8%とその差が拡大しています。

スマホ決済の利用率は60〜75歳全体で75.4%に達し、PayPayは全体で51.4%、70〜75歳でも43.2%が利用しており、現金世代のキャッシュレス化が着実に進行していることが分かりました。

今後のスマホ利用意向については、「もっと色々な機能を覚えて活用したい」と「今の機能で十分だが、時々新しいことも試したい」を合わせた回答が66.4%となり、使いこなせていないという自己評価とは裏腹に、新しい機能への関心が高いことが明らかになっています。

さらに、60〜75歳のYouTube利用率は70.2%、70〜75歳でも65.8%が視聴しており、若者向けコンテンツと思われがちなYouTubeがシニアの日常にも浸透していることが確認されました。

スマートフォン所有状況と利用頻度

調査対象となった60〜75歳全体でのスマートフォン所有率は95.1%という結果になっています。年代別に見ても、60〜64歳が95.1%、65〜69歳が94.1%、70〜75歳が96.1%とほぼ差がなく、70代が最も高い所有率を示しています。60〜75歳の範囲では、所有率は年代によってほとんど変動しておらず、70代でもスマートフォンを持つことはすでに当たり前になっていると言えます。

スマホ使いこなし調査

利用頻度については、スマートフォン所有者のうち、ほぼ毎日利用している人は95.8%にのぼりました。年代別でも60〜64歳が96.9%、65〜69歳が97.0%、70〜75歳が92.9%といずれも9割を超えています。所有率だけでなく利用頻度でも年代による差はほとんど見られず、スマートフォンは60〜75歳にとって日常的に触れる生活インフラとして定着していることが分かります。

スマホ決済サービスの利用状況

スマホ決済の状況では、PayPayが60〜75歳全体で51.4%と最も高い利用率となりました。年代別では60〜64歳が53.9%、65〜69歳が55.9%、70〜75歳が43.2%となっており、70〜75歳が最も低い結果でした。次いで楽天ペイが26.2%、d払いが24.2%と続きます。70〜75歳でも半数近くがPayPayを利用している実態からは、キャッシュレス化は若者に限られたものではなく、シニアにとっても生活の一部として着実に浸透していることが読み取れます。

スマホ決済を利用している人の中では、全体で「週に1〜2回程度」が28.1%で最多となりました。60〜64歳、65〜69歳ではいずれも「週に1〜2回程度」が最多である一方、70〜75歳だけは「月に数回程度」28.3%が「週に1〜2回程度」25.5%を上回っています。決済サービスを使っているかどうかでは年代差がほとんどなかったのに対し、使う頻度は70代ではやや低い傾向が見られました。

行政デジタルサービスの利用状況

行政サービスのデジタル利用では、「マイナポイントの申込み・利用」が55.0%で最多となり、70〜75歳でも50.7%と半数が経験しています。一方で、「行政サービスはデジタルで利用していない」も全体で31.0%存在し、70〜75歳では33.6%とやや高めです。行政のデジタル化はマイナポイントという入り口をきっかけに着実に広がっている一方、一定数の未利用者にどうデジタル活用のきっかけをつくるかが今後の課題だと考えられます。

スマホを使いこなせているかの自己評価

「スマホを使いこなせていると思うか」という質問に対して、「あまりそう思わない」が44.8%、「全くそう思わない」が11.8%を合わせた「思わない」計は56.6%にのぼりました。60〜75歳の6割近くが、日常的にスマートフォンを使っていながらも「使いこなせている」という自信は持てていないことが分かります。

スマホ決済や行政のデジタルサービスの利用率からわかるように、シニア層にもPayPayやマイナポイントなどを活用している人は一定数存在しますが、それでもスマートフォン自体を「使いこなせている」と感じている人は4割程度にとどまりました。個別のサービスを使いこなせていても、スマートフォン利用全般においては自信を持ちきれていない人が年代を問わず多いことが分かります。

スマホ利用における困りごと

スマートフォン利用における困りごとでは、「バッテリーの減りが早い」が41.0%で、性能に関する困りごとが最多となりました。他にも、「文字が小さくて見えにくい」が27.6%、「通信料金が高い」が27.4%と、端末の使い勝手に関わる項目が上位に並ぶ一方、「詐欺メールやフィッシングサイトが心配」が32.6%、「個人情報の管理が不安」が26.6%、「パスワード管理が難しい」が25.8%と、セキュリティに関わる項目も上位にあがっています。

一方、「新しい機能についていけない」が25.0%、「アプリの設定が複雑」が18.8%、「故障時の対応方法がわからない」が18.6%、「操作方法がわからない」が17.0%は、いずれも他のカテゴリーより低い水準にとどまりました。この並びから見えてくるのは、シニア層の困りごとの中心が操作の難しさという課題ではなく、端末の使い勝手とセキュリティへの不安であるという実態です。シニア層のスマートフォン利用がすでに慣れた後の段階に入っていることを裏付けています。

スマホ利用による生活変化

スマホ利用による生活変化

スマートフォン利用による生活の変化では、「ニュースや情報をすぐに確認できるようになった」が53.2%で最多となりました。年代別では70〜75歳で58.2%と最も高くなっています。また、「外出先で調べ物ができるようになった」は70〜75歳で39.0%と他の年代より低い一方、「家族や知人と気軽に連絡が取れるようになった」は70〜75歳で50.0%と最も高くなりました。

この対比からは、70代にとってのスマートフォンの価値が、外出先での能動的な情報収集よりも、情報を受け取ること、家族とのつながりを保つことに寄っていることが分かります。

SNS利用状況

SNS利用状況では、LINEが90.0%で圧倒的に多く、連絡手段として定着していることが確認されました。注目すべきは、動画サービスのYouTubeが70.2%とLINEに次ぐ高水準にのぼっている点です。70〜75歳でも65.8%が閲覧または投稿で利用しており、動画コンテンツは若年層に限定されたものではなく、シニア層の日常にも組み込まれています。

一方、X(旧Twitter)は34.2%、TikTokは18.8%にとどまり、SNSの中でも「連絡」と「動画視聴」に用途が集中していることが分かります。

困った時の相談先

困った時の相談先

スマートフォン操作で困った時の相談先は、「インターネットで調べる」が43.2%で最多となり、「家族(子ども・孫)」の39.8%を上回りました。年代別に見ると、65〜69歳のみ「家族(子ども・孫)」が42.9%で「インターネットで調べる」の39.8%を上回っており、この年代だけは家族への相談がなお優勢です。

一方、70〜75歳では「インターネットで調べる」が49.3%と最も高く、家族41.8%との差も広がっています。シニアのスマートフォン利用において、周りに頼る前にまず自分で調べてみる、という動きが広がっていると言えます。

今後の利用意向

今後のスマホ利用意向

今後のスマートフォン利用意向では、「今使っている機能で十分だが、時々新しいことも試したい」が50.2%で最多となりました。「もっと色々な機能を覚えて活用したい」の16.2%と合わせると、何らかの形で新しいことに前向きな層は66.4%にのぼり、「これ以上覚えたくない」の23.6%を大きく上回っています。

新しい機能への関心

年代別でも70〜75歳の「時々新しいことも試したい」は54.8%と最も高く、70代でも今のままで満足するのではなく、新しいことを試してみたいと考えている人が多いことが分かります。使いこなせていないという自己評価は、新しい機能への関心が低いことに直結するわけではなく、内容や訴求次第では、より多くのシニア層に様々な機能を取り入れてもらえる余地があると考えられます。

ガラケー回帰意向

ガラケー回帰意向

「ガラケーに戻りたいと思うか」という質問に対して、「思わない」計(「あまりそう思わない」と「全くそう思わない」の合計)は60〜75歳全体で82.0%にのぼりました。年代別では60〜64歳が74.1%、65〜69歳が84.5%、70〜75歳が89.7%と、年齢が上がるほど戻りたくないという回答が増えています。

スマートフォンを使いこなせていると思うかの質問で自己評価が最も高かったのも70〜75歳であり、ガラケーへの回帰意向が最も低いのも70〜75歳です。使いこなせていないと感じる人が一定数いる一方、スマートフォンはすでに生活の一部として組み込まれ、手放せないものになっていることが分かります。

調査総括

今回の調査から導かれる現代のシニアのスマートフォン利用に関する特徴として、以下の点が挙げられます。

所有・利用の定着については、所有率95.1%、ほぼ毎日利用95.8%と、年齢による差はほぼ見られず、70代でもスマートフォンは生活基盤として定着しています。

自己評価と利用サービスの実態のギャップについては、「使いこなせている」と感じている人は43.4%にとどまる一方、決済・行政・SNSといった個別サービスの利用は年代を問わず一定数いることが分かりました。

相談先の変化については、困った時の相談先が「インターネットで調べる」が「家族」を上回り、特に70〜75歳でその差が拡大しています。家族依存から自己解決型へのシフトが進んでいます。

キャッシュレス化の進行については、スマホ決済利用者は75.4%、PayPay利用は51.4%と、キャッシュレス化は若者に限られたものではなく、シニアにとっても生活の一部として着実に浸透しています。

スマートフォンへの定着感については、ガラケーに「戻りたくない」が82.0%で、年齢が上がるほど高まります。使いこなせていないという自覚を抱えながらも、スマートフォンは生活から切り離せない存在になっています。

本調査は、シニア層におけるスマートフォン利用が所有から生活定着の段階へと移行していることを示しており、今後のサービス設計やマーケティング活動における重要な示唆を提供しています。

出典元:株式会社ネオマーケティング

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