
Webとアプリの収益最大化を支援するマーケティングソリューションを提供するRepro株式会社が、2026年5月18日から19日にかけて一般消費者1,854名を対象に「店舗・サービスの公式アプリについての消費者調査」を実施し、その調査結果と分析内容を発表しました。
この記事の目次
調査実施の背景について
AI経由での消費行動が、あらゆる企業のマーケティング戦略において大きな方針転換を迫っています。CRM(顧客関係管理・Customer Relationship Management)やOMO(Online Merges with Offline)の推進を通じて、LTV(生涯顧客価値・LifeTime Value)の改善やブランド強化を目指す「店舗・サービスの公式アプリ」も、この影響を受けています。AIの台頭によってブランドスイッチが容易になる一方で、「ハイパーパーソナライゼーション」と称される、より高度な個人最適化の実現も始まっているとのことです。
このように激しく変化する環境において、公式アプリ、そしてそれらを開発・運用する企業やブランドはどのような対応をすべきなのでしょうか。
今回の調査は、公式アプリによるLTV改善・ブランド強化の効果測定とともに、AIがもたらした消費行動の変化や公式アプリへの影響、さらにはパーソナライゼーションへの期待と懸念を明らかにし、適切な戦略・戦術立案に必要な情報を得ることを目的として実施されました。
※「店舗・サービスの公式アプリ」とは、「スーパーや百貨店の会員・ポイントアプリ」「アパレル・ファッションブランドの会員・ポイント・ECアプリ」「飲食店のモバイルオーダー・予約アプリ」「金融サービスのオンライン口座管理アプリ」など、実店舗やオフラインサービスを提供する企業が公式に提供するアプリを指しています。
調査結果の主なポイント
今回の調査で明らかになった主なポイントは以下の5点です。
- 公式アプリの顕著な効果 約3割が「購入・サービス利用頻度が増えた」と回答
- LTV改善やブランドに公式アプリがもたらす成果は日常的に起動する頻度と高い相関関係
- 日常起動の促進にはゲーミフィケーションが有効 62%が定期起動によるインセンティブ付与機能を支持
- AIの活用がブランド防衛を困難に 41.8%で愛用品・サービスからのスイッチングコスト低下
- 公式アプリのポイント・特典はAIの提案に勝る 63.9%がブランド継続利用の理由に挙げる
調査結果の詳細
公式アプリの顕著な効果 約3割が「購入・サービス利用頻度が増えた」と回答
調査の結果、28.6%の消費者が公式アプリをインストールした後に「店舗・施設での購入・サービス利用頻度が増えた」と回答していることが分かりました。この結果から、公式アプリをCRMの基盤として活用することが、LTV改善やブランド強化において有益であることが示されています。

LTV改善やブランドに公式アプリがもたらす成果は日常的に起動する頻度と高い相関関係
店舗サービスの公式アプリから「店舗・施設で購入・サービス利用する頻度が増えた」「その店舗・サービスを思い出す機会が増えた」などのポジティブな影響を受けている消費者のうち、約60%が公式アプリを日常的に起動することが「よくある」または「たまにある」と回答しています。
※「日常的に起動」とは、店舗や施設での提示、オンラインでの予約・注文、口座管理などの直接的なサービス利用以外のタイミング・用途で店舗・サービスの公式アプリを起動することを指しています。

日常起動の促進にはゲーミフィケーションが有効 62%が定期起動によるインセンティブ付与機能を支持
日常的な起動を増やすためには「起動するほど得をする」という明確な経済的インセンティブが必要であることが分かりました。「定期的に起動することでポイントやスタンプが貯まる」機能を支持する人が62%も存在しており、ゲーミフィケーションやログインボーナスのような機能の有効性が際立つ結果となりました。

AIの活用がブランド防衛を困難に 41.8%で愛用品・サービスからのスイッチングコスト低下
AIの活用によって「いつも使っている商品・サービス以外に乗り換えることへの抵抗感が薄れた」かを尋ねたところ、「とても当てはまる」「やや当てはまる」と回答したのはそれぞれ12.1%、29.7%でした。AIの台頭により、これまでのCRM戦略は方針変更を迫られていることが明らかになりました。

公式アプリのポイント・特典はAIの提案に勝る 63.9%がブランド継続利用の理由に挙げる
AIチャットやAI検索の利用経験を踏まえた上で、公式アプリのポイント・特典が店舗・サービスを継続利用する理由になり得るかを問う設問に対して、「とても当てはまる」「やや当てはまる」と回答したのは合計63.9%でした。公式アプリが提供する経済的なメリットがブランド防衛に役立つことが示唆されています。

調査結果のまとめ
今回の調査から、店舗・サービスの公式アプリは、LTV改善とブランド強化の双方において重要な役割を果たしていることが明らかになりました。28.6%の消費者が公式アプリのインストール後に購入・サービス利用頻度が増えたと回答しており、公式アプリは単なる会員証や情報提供チャネルではなく、実際の消費行動を変えるCRM基盤になり得ることが示されています。
また、その効果を最大化するには、アプリを「必要なときだけ使う道具」にとどめず、日常的に起動される接点へ進化させる必要があります。ポジティブな行動変容と日常的な起動頻度には明らかな相関が見られ、さらに62%が「起動するほど得をする仕組み」を求めていました。これは、ゲーミフィケーションと経済的インセンティブの組み合わせが、LTV改善とブランド強化に対して有効な手段であることを示しています。
その一方で、AIチャットやAI検索の普及により、消費者は他の商品・サービスを容易に発見・比較するようになっており、乗り換えへの抵抗も薄れつつあるという事実があります。ブランド防衛が困難になってきているのです。そのような環境下でも、公式アプリが提供するポイント・特典は、同じ店舗・サービスを継続利用する理由として機能しています。「比較されても選ばれ続ける」店舗・サービスを実現することを前提としつつ、経済的なインセンティブの有効活用が今後のCRM戦略において大きな意味を持つといえそうです。
調査概要
- 調査名:店舗・サービスの公式アプリについての消費者調査
- 調査期間:2026年5月18日~2026年5月19日
- 調査方法:インターネットアンケート調査
- 調査対象:日常的に利用しているスマートフォンに、以下の業種の店舗・サービスの公式アプリをひとつでもインストールしている1,854名(「10代」「20代」「30代」「40代」「50代」「60代以上」の各309名)
- 一般小売店(スーパー、コンビニ、ドラッグストアなど)
- 専門小売店(家具、家電、ホームセンター、化粧品など)
- 百貨店・商業施設
- アパレル・ファッション
- 飲食
- 金融(銀行、証券、保険など)
- サービス(ホテル、レジャー、アミューズメントなど)
出典元:Repro株式会社












