
テックタッチ株式会社(所在地:東京都中央区、代表取締役:井無田 仲)は、コールセンター運営やCX推進、営業企画などにおいて顧客データやVOC活用に携わっている担当者・責任者1,003名を対象として「企業におけるAI活用と顧客データ分析の実態調査」を実施しました。対象業界は小売・消費財、金融・保険、エンタメ・ゲーム、サービスなどとなっています。
現在、企業におけるAI活用は急速に拡大しており、業務の効率化のみならず、顧客理解の深化や顧客体験(CX)の向上を目指して、顧客データやVOC(顧客の声)をAIによって分析する取り組みが増加しています。
実際に、チャットやメール、応対ログ、アンケートの自由記述など、大量の定性データ(テキストデータ)が蓄積されている状況です。しかしながら、今回実施された調査では、それらを人工知能で「十分に活用できている」と答えた担当者は約2割にとどまっており、多数の企業が実際の運用において課題を抱えている実態が浮き彫りとなりました。
調査概要
調査名:「企業におけるAI活用と顧客データ分析の運用実態および活用課題」に関する調査
調査期間:2026年3月25日(水)~2026年3月26日(木)
調査方法:PRIZMAによるインターネット調査
調査人数:1,003人
調査対象:調査回答時に小売・消費財、食品・外食、金融・保険、エンタメ・ゲーム、サービス業界に勤務しており、AIを活用した顧客データやVOC活用に関与している担当者・責任者(コールセンター運営・VOC分析、CX推進、営業企画・営業推進、お客様相談室など)と回答したモニター
調査元:テックタッチ株式会社
モニター提供元:サクリサ
この記事の目次
AI活用の目的は「効率化」のみならず「CX改善」へ拡大、チャットや応対ログなど定性情報が活用の中心

はじめに、「AI導入・活用の目的」に関して質問したところ、「業務の効率化・工数削減(レポート作成、集計作業の自動化)(39.2%)」が最多となり、「顧客体験(CX)の課題発見・改善(サイレントカスタマーの不満抽出など)(35.4%)」「属人化の解消(特定の担当者に頼らない体制づくり)(30.1%)」が続く結果となっています。
業務効率化や属人化解消といったオペレーション面での改善に加えて、顧客体験(CX)における課題発見など、AI活用は「効率化のための道具」という位置づけから、「顧客理解を深めるための武器」へとその役割を拡大しつつあることが分かります。
多様な目的でAI活用が進展していますが、企業は具体的にどのようなデータを活用して顧客の声を捉えているのでしょうか。

「現在AIで分析または活用しているデータ」について尋ねたところ、「チャット・メール・問い合わせフォームの履歴(41.0%)」が最も多く、「顧客対応データ(コールセンター・カスタマーサポートの応対ログ/FAQ・ナレッジ)(36.5%)」「顧客アンケート・NPSの回答内容(35.7%)」が続いています。
チャットや問い合わせ履歴、応対ログといったテキストデータが上位を占めていることから、企業が顧客の本音や背景を捉えるために、定性データの活用を重視している様子がうかがえます。
最大の障壁は"分析"ではなく"構造化"、定性データを扱える形に変換する前処理が現場の負荷の中心に
このように、データ活用が進展する中で、その分析プロセスにおいてどのような負担が発生しているのでしょうか。

「AI活用において、特に工数がかかっている工程」について質問したところ、「定性データの構造化・集計(音声や自由記述の分類・数値化)(35.1%)」が最多となり、「深いインサイトの抽出(なぜ不満や満足が起きたかの深掘り)(31.5%)」「バラバラなデータの整理・統合(前処理、クレンジング)(27.9%)」が続きました。
前の質問で定性データの活用が進んでいることが示された一方で、その構造化や集計に最も工数がかかっているという結果から、活用ニーズの高さとは裏腹に、現場ではその手前のプロセスがボトルネックとなっていることが明らかになりました。
また、「AI活用において、感じている課題」について尋ねたところ、「非構造化データの扱い(音声やテキスト、自由記述の分析が難しい)(28.4%)」が最も多く、「専門人材の不足(分析やプロンプト作成をこなせる人がいない)(26.8%)」「データ品質の低さ(ノイズや表記ゆれが多く、そのままでは使えない)(26.5%)」が続いています。
最も工数がかかる工程として挙げられたデータ構造化(バラバラなデータの整理)の困難さや専門人材の不足が、運用上の大きな障壁となっており、ツールを導入するだけでは解消できないことが分かります。実際には、前処理を運用できる体制、人材、ルール、そして分析に耐えうるデータ品質まで含めて設計しなければ、AIは「導入済みだが使いこなせない仕組み」になりやすいと言えます。
AI分析結果を十分に施策へ活用できている企業は約2割、導入と成果活用の間に大きなギャップ
では、こうした課題がある中で、実際に担当者自身はAIの分析結果を活用できていると感じているのでしょうか。

「AIによる顧客データやVOC分析結果は、施策や業務改善に活用できていると思うか」という質問に対して、約8割が「十分に活用できていると思う(21.4%)」「ある程度活用できていると思う(55.1%)」と回答しました。
「十分に活用できている」と回答したのは約2割にとどまり、AI活用の広がりに対して、成果の進捗は追いついていない状況です。今回の結果は、多くの企業が「分析できる状態」には達していても、「活用が回る状態」にはまだ達していないことを示しています。
AI活用の成否を分けるのは、データ統合・品質改善と「使える示唆」を引き出す設計力
活用できている企業とできていない企業の間にはどのような違いがあるのか、その要因をそれぞれ見ていきます。

顧客データやVOC分析結果を、施策や業務改善に「活用できていない」と回答した方に、その理由を質問したところ、「目的・KPIが曖昧で、どう使うべきか判断が難しい(30.9%)」が最多となりました。次いで「現場での活用が定着しない(教育・運用が弱い)(27.5%)」「既存の業務フローに組み込めない(24.2%)」と続いています。
この結果は、ツール導入そのものが目的となり、肝心の「どう使うか」が置き去りになっている現状を浮き彫りにしています。
一方で、顧客データやVOC分析結果を施策や業務改善について「活用できている」と回答した方に「AIによる分析結果が活用できている理由」について質問したところ、「目的・KPIが明確で、活用シナリオが定義されているから(37.6%)」が最も多く、「データ整備・前処理が一定自動化/標準化されているから(37.4%)」「業務フローに組み込まれている(実行までつながる)から(30.4%)」が続きました。
「何のために分析するのか」という目的を正しく整理し、その上でデータ整備や前処理を自動化し、業務の中で回し続ける「運用設計」ができているかどうかが重要です。成功と失敗を分ける決定的な境界線は、単なるAIの導入有無ではなく、高精度な分析を可能にするための「前提条件」を整えられているかにあると言えます。

最後に、「今後、AIによる分析結果の活用をさらに推進するうえで重要になる要素は何だと思うか」と尋ねたところ、「データの統合・品質改善(部門間のデータサイロ解消と前処理の効率化)(41.1%)」が最も多く、「インサイトの抽出精度(単なる要約ではなく、深い示唆を出す能力)(38.8%)」「現場への実装・運用ルール整備(施策への落とし込みや教育・定着化)(32.4%)」が続きました。
今後の重要要素として「データの統合・品質改善」と「インサイトの抽出精度」が上位に挙がったことからも、企業の関心は「とにかくAIを導入すること」から、「使える示唆を安定的に生み出せる基盤をつくること」へ移っていることが分かります。部門ごとに分散したデータをつなぎ、表記ゆれや欠損を抑えたうえで、現場が解釈しやすい形で示唆を返せるかどうかが重要です。今後のAI活用では、この「データ基盤の質」こそが企業の競争力に直結していくと考えられます。
まとめ:成功企業は「AIを入れた企業」ではなく、「AIが回る運用を設計した企業」
本調査から、企業におけるAI活用は、業務効率化の段階を超えて、顧客理解の深化や顧客体験(CX)の改善といった、より上流の価値創出へと広がっていることが明らかになりました。特に、チャットやメール、問い合わせ履歴といったテキストデータや、コールセンターの応対ログなどの定性データをAIで読み解こうとする動きは、今後さらに強まっていくと考えられます。
その一方で、AI分析を「十分に活用できている」とする回答は約2割にとどまり、導入と成果活用の間にはなお大きな隔たりが存在しています。ボトルネックとなっていたのは、分析モデルの性能以上に、非構造データの構造化、データ品質の担保、そして分析結果を業務に組み込むための「運用設計」でした。
さらに、活用できている企業とできていない企業の差を見ていくと、その違いはツールの導入有無ではないことが分かります。「何のために使うのか」という目的やKPIが明確に設定されていること、データ整備や前処理が標準化・自動化されていること、分析結果が業務フローの中に組み込まれ、実行までつながる設計になっていること、こうした前提がそろって初めてAIは実務の中で機能します。
企業に求められているのは、AIを導入することそのものではなく、顧客の声を継続的に読み解き、施策に変えていける運用をつくることです。今後の競争力を左右するのは、AIの有無ではなく、AIを現場で回る仕組みにできるかどうかだと言えるでしょう。
「AI Central Voice」について
「AI Central Voice」は、テックタッチ株式会社が提供するAI分析プラットフォームです。企業内にある顧客の声や従業員のフィードバックコメントなどを構造化し、分析可能な形式に変換します。変換されたデータを基にAIが重要な示唆や洞察を抽出するため、戦略的な意思決定を即時に行うことが可能です。また、部署間の情報統合を行うことで部署を横断した情報の共有、検索が実現できます。
同社がこれまで数百社の大手企業向けに提供してきた知見を活かし、企業の個社ニーズに合わせたAIナレッジデータベースをオーダーメイドで構築しています。
テックタッチ株式会社 会社概要
会社名:テックタッチ株式会社
設立:2018年3月1日
代表取締役 CEO:井無田 仲
所在地:〒104-0061 東京都中央区銀座8丁目17-1 PMO銀座Ⅱ 5F・8F(総合受付5F)
事業内容:デジタルアダプションプラットフォーム「テックタッチ」およびデータ戦略AIエージェント「AI Central Voice」の開発・提供
出典元:テックタッチ株式会社プレスリリース(PR TIMES)











