総合通販×定期通販のフルフィルメント担当者対談!各業務の内容や指標の違いとは?
株式会社イングリウッド
総合通販担当:大平 弘奏さん(写真左)
定期通販担当:堀 満希さん(写真右)
インタビューの概要

小売業界におけるビジネスのDXを支援する株式会社イングリウッド(以下「イングリウッド」)では、EC運営の代行業務を行っており、商品のジャンルや販売形態を選ばずに全方位で対応できるような社内体制になっています。今回は、多種多様な商品を仕入れて販売する総合通販型のフルフィルメントとオリジナルの商品を繰り返し購入してもらう定期通販型のフルフィルメントの2つの業務において、共通する考え方や異なる点を、セールス・ライセンス事業本部の大平さんとデータテクノロジー事業本部の堀さんにお伺いしました。

総合通販と定期通販の業務範囲について

―― 日々のフルフィルメントの業務範囲について教えてください。

大平さん(総合通販担当):我々のチームではECモールへの販売を中心に、スニーカーなどのファッションアイテムや家電、日用品、インテリアなど幅広い商品ジャンルを取り扱っています。日常的な業務の流れですが、注文内容の確認や倉庫への出荷指示、お客様からの電話対応を行っています。出荷指示は毎日3回出しています。まず出社してすぐに、前日の最後に出荷指示を出してから朝までに入った注文の出荷指示を行います。そして、お昼頃にもう1回、最後が13~14時頃に各ECモールの締め時間に合わせて出荷指示を出します。

出荷指示や電話対応以外にも、我々のチームではささげ(商品の撮影・採寸・原稿作成)業務も行っています。

堀さん(定期通販担当):私達のチームでは健康食品や化粧品など、定期購入して頂く商品を販売しているクライアントのフルフィルメント業務を支援しています。そのため、ECモールではなく、自社ECサイトのクライアントが多いです。基本的な業務内容は総合通販のチームとそこまで変わりません。決済エラーの対応、返品の手続きや処理は総合通販チームとも共通する業務だと思います。大枠で見ると共通する業務は多いものの、細かい点に関しては異なる点が多々あります。例えば、自社ECサイトの場合、ECモールのように締め時間が決められてはいません。弊社が担当しているクライアントですと、出荷指示の回数は1日に午前中のみの1回となっています。他には、「顧客対応」の方法についても異なりますし、総合通販ではあまり行われない「不正転売対策」を日常的に行っています。

販売形態によって性質が異なる「顧客対応」

定期通販の「転売対策」と「顧客対応」とは?

―― 定期通販ならではの業務がありそうですが、特にどういったところに違いがあると思いますか?

堀さん(定期通販担当):私達のチームならではの業務として、大きく分けて2つあると思います。1つが「不正転売対策」で、もう1つが「顧客対応」です。

初めて購入されたお客様に対して、商品をお安くお買い求めいただけるような設定をしている場合、初回価格の商品を繰り返し購入して転売をするいわゆる転売ヤーが一定数紛れ込んでいます。「不正転売対策」として、私達が支援するクライアントによっては転売目的の購入を検知するツールを導入することで、未然に防ぐ対策も講じていますが、それでも検知しきれない注文を目視で確認するなど、地道な対応もしています。

もう1つの「顧客対応」についてですが、定期通販ではお客様から連絡を頂くインバウンドコール以外に、私達からお客様に架電をするアウトバウンドのフォローコールを行っています。フォローコールでは、商品を購入したお客様へ、使って頂いた感想や商品の利用について困っていることがないか、商品の満足度はどうだったかを確認することが主な理由です。お客様の本音をヒアリングすることで、商品のLP(ランディングページ)や同梱物の見直しに活かしています。

また、定期通販の宿命でもあるのですが、いつかは解約に至る販売手段なので、解約を希望するお客様とのコミュニケーションが比率としては大きくなります。解約理由は人それぞれなので、どういう理由で解約に至ったかヒアリングしています。その際、商品を利用して効果が出たかどうか、出ていなければ正しい使い方ができていたのかなど詳しくお話を伺います。実際にヒアリングしてみると商品の使い方がわからないまま解約してしまう人もいるため、私達がその点を丁寧にサポートし、継続的なご利用を提案します。あくまで一例ですが、お客様に継続的に利用してもらう提案を行うために、コールセンターでは商品の知識や利用方法について詳しく理解することが求められますので、勉強会を定期的に行っています。

総合通販における「顧客対応」の注意点とは?

―― 継続的に同じ商品を提供する定期通販とは異なる「顧客対応」が総合通販には求められるかと思います。具体的にどのような点に違いがあるでしょうか?

大平さん(総合通販担当):我々のチームにおける「顧客対応」は徹底的にアフターフォローに回っています。お客様からの問い合わせに対して、どれだけ迅速かつ的確に回答するかで顧客満足度を上げることが大切です。「顧客対応」のフィードバックがECモールであれば結果としてレビューの内容や評点に現れます。レビューの内容から、問題が商品にあるのか、梱包なのか、配送なのか、問い合わせ対応なのか、様々な切り口で情報を収集し、改善施策を決めています。もし、低い評価点を頂いた場合は、分かる範囲でお客様を特定し、ご満足頂けなかった点をヒアリングし、可能な限りご希望に添える対応を心がけています。

また、お客様から問い合わせがあった際に、返金対応や細かい対応のポリシーについて項目を洗い出して、社内でルールを決めていくことは大事なことです。以前は、属人的な対応が多く、ルールや方針が曖昧であったために、対応にばらつきがありました。その結果、お客様に満足頂けずに終わってしまうということもありました。ルールを決めて社内に展開し、可視化することで「顧客対応」の品質を一定にし、顧客満足度の向上につながっています。

「顧客対応」と切り離せない物流業務のコントロール

質とスピードが求められる総合通販物流

―― 総合通販では販路が主にECモールということもあり、注文から配送までのリードタイムを縮めるためのアクションが求められていると思います。その点についてはどういった取り組みをされていますか?

大平さん(総合通販担当):ECモールごとに弊社で締めの時間を設定しているため、当日中に出荷しないといけない商品を余すことなく出荷することが大切です。万が一、正午までの注文を当日中に配送しきれない場合は、お客様に1件ずつ発送が遅れる旨を連絡しなければなりません。そうならないために、例えばECモール内でイベントが行われるタイミングや、出荷量が多くなりそうな日には物流倉庫側と調整を行い、人員を厚くしてもらいます。このとき、思ったように売上が伸びないとせっかく集めてもらった人員を持て余してしまいますし、人員が少なすぎるとその日の締め時間までに出荷できなくなってしまうため、売上の予測は慎重に立てています。しかし、必ずしも予測通りにいくとは限らないため、倉庫側には入出荷両方の対応ができる人員を極力配置してもらい、状況に応じて入荷から出荷に人員を寄せるなど、柔軟に対応できる体制を作って頂いています。

出荷の質の点では誤出荷をなくすことは忘れてはいけません。商品の入れ間違えや数量間違え、伝票の入れ忘れなど梱包時のミスや入荷時のラベルの貼り間違えなど、人的なミスは一定数発生してしまいます。こういったミスは顧客対応やレビュー、のちの売上にも響くため、しっかり問題点を切り分けた上で物流倉庫側と体制やフローについて改善できる箇所がないか交渉することで是正を図っています。

先を見据えた出荷量のヨミと同梱物の管理が肝の定期通販物流

―― 定期通販の物流面についてはいかがでしょうか?

堀さん(定期通販担当):総合通販とは異なり、一度購入頂くと定期的な周期で商品の発送が必要になるため、既存のお客様の発送分はおおよその予測が立ちます。少なくとも週に1回は出荷の想定量を物流倉庫と連携しているのですが、新規のお客様については売上が読めないこともあるため難しいところです。例えばSNSに商品が紹介され、予期せぬタイミングで注文が増える場合には嬉しい誤算ではあるのですが物流面では当日の出荷体制を整えるのが一苦労です。物流倉庫側に1日あたりの出荷可能数を大きく持ってもらって、遅延を起こさないようなコミュニケーションを取ることは特に気をつけています。一度に大量の注文が入る場合、物流の対応については出荷の量の予測さえ付けば人員増加でなんとか調整してもらえるのですが、商品知識が求められるコールセンターの人員は容易に増やせないため応答率が落ちてしまいがちです。

同梱物については購入頂いた商品や定期コースによって細かく変えています。アップセルやクロスセルを狙ってオファーをつける際や、継続率を伸ばすためにも同梱物のマイナーアップデートは常に行っていて、1ヶ月だけ試しに入れてみる場合や1年間変わらずに納入しているものもありますし、効果を検証するために入れるお客様と入れないお客様を分けてABテストを行う場合もあります。注文ごとにどういった同梱物を入れるか複雑になっているように感じるかもしれませんが、WMS(倉庫管理システム)で設定しているため、物流倉庫への負担やコミュニケーションの量はそこまで多いものではないと思っています。

フルフィルメント業務で見るべき指標とは?

―― 総合通販と定期通販、各チームの業務内容に関する違いを教えて頂いたのですが、日々業務を行うにあたって、どのような指標が大切になりますか?

大平さん(総合通販担当):総合通販の場合は、定期通販と比べると利益率が低い上に、1人から短期間で何度も購入してもらうものでもないため、1件あたりの出荷コストをいかにおさえるかが特に大切な指標になってきます。配送料だけでなく、保管費や作業費など、全体のコストを1件あたりの出荷数で割り返してみています。コストを削減するにあたって、例えば、ダンボールは材質や厚みを変えるだけで1つあたり3~4円削減できたり、倉庫内の保管効率を上げるため具体的な作業改善提案や作業料の交渉を物流倉庫側と行ったりと、出荷量や規模に応じて取り組めるコスト削減アクションが変わります。

総合通販ではSKU数がどうしても多くなるため、在庫管理のために担当が1人ついています。在庫の管理の観点で、SKU別の回転率や在庫日数、在庫消化率を指標とし、在庫の削減を行いながら在庫適正化に向け日々取り組んでいます。また、棚卸しの際に理論在庫と実在庫があっているかという点は、棚卸差異率を算出して、目標値まで改善するように努めています。

堀さん(定期通販担当):作業効率を上げるという点では、物流倉庫側に自動梱包機を導入頂き、人員の確保状況に関わらず出荷の波に耐えられる体制を構築頂いています。先程、大平からのコスト削減の例になかった話では、複数配送キャリアと契約し、サイズによって最適な配送方法でコストを抑えられる仕組みづくりも重要です。

顧客対応の際のコールセンターコストは、オペレーターの稼働にかかる時間に比例して大きくなっていきます。例えば、電話を受けて頂くだけなのか、アウトバウンドをするのか、出荷業務などバックオフィス業務を対応頂くのか、私達の指示の仕方やハンドリングによってかかるコストが大きく変わります。電話対応から電話内容の記録まで5~7分くらいかかるため、1時間あたりに対応できるお客様の人数は、1オペレーターあたり最大8件前後となり、対応できる量と1日に電話が鳴る量を想定して、多すぎず少なすぎない適切な人員配置を目指してコストパフォーマンスを上げています。メールで解決できるお客様からの問い合わせについては電話対応ではなく、メールで問い合わせ頂くような導線設計でコストを抑える取り組みも行っています。

最後に:フルフィルメント業務における守備範囲の広さ

今回の取材を通して、フルフィルメントの領域においてイングリウッドの守備範囲の広さを感じられました。化粧品や家電、ファッションや冷凍食品など、取り扱っている商品ジャンルは多岐にわたっています。物流倉庫の選定、配送キャリアへの交渉など、EC事業を立ち上げる際や業務の見直しを行う際に自社の知見だけでは改善が難しい点を支援できることがイングリウッドならではの強みだと思います。

また、顧客対応についても、様々なD2C事業を支援している背景から、トークスクリプトの作成やコールセンターの選定、利用するカートシステムやWMSなどツールによって柔軟に対応できる経験を持ち合わせており、多角的な視点からクライアントの課題に寄り添える体制が整っていることが伺えました。

自社の物流やCSなど、バックオフィス業務にお困りでしたら、イングリウッドに相談してみるのはいかがでしょうか。

株式会社イングリウッドへの相談はこちら
https://inglewood.co.jp/contact

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