
株式会社イングリウッド 恒成 知明さん(写真右)
フェイスマスクをはじめとしたスキンケアブランド「ルルルン(LuLuLun)」を展開しているグライド・エンタープライズ。2019年9月からECの売上を加速させるため、小売特化型のDXソリューションプロバイダーであるイングリウッドの支援を受けています。元々オフラインでの売上比率が高かったルルルンですが、イングリウッドのソリューション提供により、会社全体の売上が伸びている中、オンラインの売上比率が200%以上になったそうです。
本インタビューでは、オンラインの売上を伸ばしていくために取り組んだことについて、グライド・エンタープライズの経営企画室から石川さん、イングリウッドのデータテクノロジー事業本部からゼネラルマネージャー恒成さんに、お話を伺いました。
この記事の目次
ECの領域で実績を残しているイングリウッドに支援を依頼
――グライド・エンタープライズ及びルルルンの今のご状況について簡単に教えていただけますか?
石川さん(グライド・エンタープライズ):ルルルンはオンラインでは自社サイトと主要ECモールに展開しています。オフラインでは、日本全国のバラエティショップ・ドラッグストア各社様にて商品をお取り扱いいただいており、海外では14都市で商品の販売を行っています。現在はフェイスマスク以外にも化粧水やクレンジングバームなど、人本来の肌の美しさを追求するスキンケアブランドに成長しています。
社員数は37名で、ECは4名体制で運営しています。イングリウッド様にご支援いただくことになった経緯としては、ECの領域で実績を残されているお話を耳にしていて、オンライン事業のテコ入れを行うタイミングでお願いすることにしました。

ECモールの基本をおさえて売上アップ
――グライド・エンタープライズから依頼を受けたとき、イングリウッドではまずどこからソリューションを提供していったのでしょうか?
恒成さん(イングリウッド):最初はECモールの売上を伸ばして欲しいとご依頼をいただきました。状態を確認したところ、商品をアップして以降の基本的な設定ができていないことが判明したため、まずは基本的なことから取り組みました。ECモールのイベントに合わせて施策を行ったり、商品名や商品ページの設定など検索対策を行ったり、広告利用の見直しをしたりと手を入れていくことで、元々知名度の高いブランドだったこともあり、売上は順調に伸びていきました。
商品軸の販促の観点で言うと、オフラインでの販売がメインということもあり原則値下げを行うことができなかったため、セット商品を増やしていくことやアウトレット商品をお安くすることをご提案させていただくことはありました。
石川さん:ご提案いただいた内容についてはどれも基本的なことでありつつ、当社で実践できていなかったことが多かったため、どんどん取り入れていきました。効果はすぐに現れていったので、毎週提案していただく施策を形にできるように動いていきました。
恒成さん:ご支援を始めたタイミングではグライド・エンタープライズ様側の人員が少なく、私が代理になってオンライン周りの広告代理店とのやり取りをしていた時期もありました。週3~4日の頻度でオフィスにお伺いし、ECモールの管理画面を開いて、受注処理など運用のお手伝いをしていた時期もありましたね。おかげでグライド・エンタープライズ様の社内全体に詳しくなり、社員の方皆様と自然にコミュニケーションを取れる関係になっています。
今はご支援を開始した時と比べて随分落ち着いて運用できるようになりました。当社側では、グライド・エンタープライズ様へのご支援はフロントとして3名、運用で3名の計6名体制であたらせていただいています。

石川さん:今では当社社員も4名体制となり、問題なくECの運用ができるようになりました。しかし、イングリウッド様とは当社のEC事業全般を担っていただいているくらい綿密に連携を取っています。毎日誰かが連絡を取り合っていて、毎週顔を合わせて定例会議を行っているので、とても手厚くサポートをしていただいていると思います。
自社ECサイトの売上を伸ばした顧客視点のキャンペーン施策
――ECモールでの基本的な点を抑えて売上を伸ばした後は、自社ECサイトを含めたEC事業全般のソリューション提供を受けているということですが、イングリウッドから提案を受けた施策について教えていただけますか?
石川さん:当時出店していなかったECモールへ展開を進めたことで、予想以上の効果につながりました。当初、転売をメインとした販売者の排除を視野に入れていましたが、結果として新規のお客様へのリーチなど副次的な効果が大きかったです。
恒成さん:オフラインと自社ECサイトの購入者層が異なるように、ECモールもそれぞれのECモールによって購入者層は異なります。オンラインだからといって一つ一つの販売チャネルを一括りにせず、実店舗と同様に一つのお店として考えていくことが大切です。
石川さん:直近では「旅するルルルンシリーズ」を自社ECサイトで販売した反響がとても大きかったです。「旅するルルルンシリーズ」はオンラインでは販売せず、地域限定で購入できることが売りの商品です。しかし、新型コロナウイルスの影響で旅行できず、日頃からご愛用いただいているお客様から多数のお困りのお声をいただき、企画を実現するに至りました。企画の告知をした際の反響も大きかったですが、商品到着後にお客様にSNSで広く拡散いただきました。

――この時期だからこそのお客様に喜ばれる企画だと思います。SNSを通じて普段からお客様の投稿は確認しているのでしょうか?
石川さん:TwitterやInstagram、TikTokなどSNSは社内全体で欠かさずチェックしています。お客様の反応が特に早いのはTwitterだと思います。いただいたご意見を元に改良した方が良い点はすぐに動きます。当社の社員はみんな声が大きいので、社内の誰かが「こんな意見があったよ!」と声を上げると、誰かが反応し、チームになってすぐに動いていくのは当社の良いところだと思っています。
当社では常に肌のことを思いやった商品のブラッシュアップを心がけているため、お客様の声には特に敏感だと思います。新型コロナウイルスの影響で今は一時的に行っていませんが、定期会員様向けの勉強会や座談会を開いたり、百貨店で旅するルルルンシリーズを販売し、お客様から対面でお話を伺ったりと、これまでも声を頂く機会は能動的に作っていました。
最後に:フェイスマスクからスキンケア商品全般へと商品展開
――商品力を高めるために日々お客様の声に耳を傾けていることがブランド力につながっていると感じられました。最後になりますが、ルルルンは今後どういった方向に進んでいく予定でしょうか。
石川さん:ルルルンは今年で10周年を迎えました。「誰でもきれいになれる日常」を提供したいという想いは変わらず、現在はスキンケア商品全般の商品開発を続けております。今後も変わらず「ごきげんをつくる」ことができるように邁進してまいります。

――恒成さん、石川さん、ありがとうございました。クライアントの売上を着実に伸ばすイングリウッド。「特別な施策はやっていません」と話す恒成さんですが、それは基本を熟知しているからこそ出てくる言葉のように感じられます。物販領域におけるOMOを推進し、オンライン・オフラインの垣根を超えて売上を伸ばしたいと考えている企業様は、イングリウッドに相談してみてはいかがでしょうか。
※2018年1月~12月フェイスマスクカテゴリー(インテージ調べ)
「ルルルン」はブランド売上No.1、「ルルルン プレシャス」はブランド売上No.2となります。
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