
CRMの導入を検討している企業担当者様のなかには「うまくいくビジョンがなかなか見えない」「失敗は何としても避けたい」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
CRMは、効率的な顧客管理やリピート率・LTVの向上に欠かせないツールです。しかし導入したからといって、必ずうまくいく保証はありません。
そこで今回は、CRMの成功事例を10件、具体的な企業名や成果とともにまとめました。またよくある失敗事例についても紹介しています。
記事を最後までチェックすれば、CRMをどう活用すれば成果につながるのか、明確なイメージが描けますよ。
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この記事の目次
CRMとは
CRMとは「Customer Relationship Management」の頭文字を取った言葉で、日本語だと「顧客関係管理システム」です。
CRMは、病院におけるカルテのようなものです。
病院では、カルテに患者の基本情報や症状などを記録して、より良い医療の提供に役立てます。
それと同じようにCRMでは、顧客の基本情報や購入履歴などを記録して、より良い顧客体験の提供に役立てます。
「より良い顧客体験」の具体例は以下のとおりです。
- 誕生日が近づくと、クーポンとともにバースデーメールが届いた
- 購入を検討していた商品の値下げ情報がメールで届いた
CRMによって顧客満足度が高まると、それがリピート率やLTVの向上につながります。
CRMの導入が効果的な企業
CRMは、既存顧客との関係構築に特化したツールです。顧客から収集した情報をもとに、既存顧客に対してアプローチをします。
よってCRMの導入は、以下のいずれかに当てはまる企業に効果的です。
- 新規顧客獲得のコスト増に苦しんでおり、既存顧客との関係構築に目を向けたい企業
- 売り切り型ではなく、サブスクリプション型のサービスを提供する企業
- 製品やサービスが複雑で、顧客サポートが必要不可欠である企業
- リピート率やLTVに課題を感じている企業
例えば、既存顧客がリピーターになれば、新規顧客の獲得に広告費を割く必要はなくなります。
また、CRMを導入することで、サブスクリプション型サービスの解約率を低下させることも可能です。
CRMの導入事例10選
CRMの導入によって成果が得られた成功事例を10件紹介します。
- みつばちのーと
- 職人醤油
- JUNIOR ONLINE SHOP
- ダイレクトイシイ
- かわしま屋
- UCC ONLINE STORE
- HAKUTSURU
- 山本海苔店
- dev!rock
- WORK LAND
なお、上5つがCRMツール「アクションリンク」の導入事例、下5つが「LTV-Lab」の導入事例となっています。
それぞれ詳しく見てみましょう。
>>アクションリンクの詳細を見てみる
>>LTV-Labの詳細を見てみる
みつばちのーと

伊豆半島を拠点にはちみつの製造・販売を行う「みつばちのーと」。
もともとCRMツールを使用していたものの、計測機能に不満がありました。クリック数やCV数を正確に計測できず、その都度Googleアナリティクスを確認する必要があったとのことです。
そこで、メールの開封率やクリック率・CV数などを正確にチェックできるCRMツール「アクションリンク」へ乗り換えたところ、導入4か月後にはリピート売上が20%アップしました。
引用元:導入後リピート売上が20%アップ!平均開封率は35%に
職人醤油

100mlサイズの醤油専門店「職人醤油」。
10年間メルマガ施策に着手できておらず、鉄板シナリオで簡単にメルマガが作成できる点を魅力に感じ、CRMツールのアクションリンクを導入。
導入翌月には売上が前年比281%、リピーターが前年比191%になりました。
引用元:導入翌月に売上281%・リピーター数191%に!すぐに成果に繋がる「鉄板シナリオ®️」
JUNIOR ONLINE SHOP

レディースファッション専門の通販サイト「JUNIOR ONLINE SHOP」。
以前からCRMへの対応の遅れを課題に感じており、現在使用中のカートシステムと連携ができることから、CRMツール「アクションリンク」の導入を決めました。
導入後すぐにリピート売上が前年比40%増となり、今後の更なる効果にも期待できます。
引用元:リピート売上が前年比40%増加し、定期的なメール配信に要する労力が大幅に軽減!
ダイレクトイシイ

おせちや栗ご飯、防災食などのECを手がける「ダイレクトイシイ」。
新規顧客の集客はうまくいっていたものの、リピーターの獲得に課題を感じており、CRMツールを導入し始めました。
鉄板シナリオというメール配信施策を行ったことで、導入後1か月間のメール売上は前月比で2倍になり、リピート率も伸びています。
引用元:メルマガ担当者の業務負担を減らしつつ、売上アップに成功!
かわしま屋

オーガニック食品のECサイト「かわしま屋」。
顧客満足度は高いものの、リピート率の低さや休眠顧客の多さに課題を感じてCRMツールの導入を開始。
休眠顧客に対して再購入を促すメールを約2万件送信したところ、5%に当たる約1,000件が再購入に至りました。
UCC ONLINE STORE

UCC上島珈琲株式会社が運営するコーヒーのオンラインストア「UCC ONLINE STORE」。
自社サイトのCRMを強化するためにCRMツールを導入しはじめました。
現在は、「誕生日メールの内容をこれまで購入がある方とない方で分ける」などの施策を実行しています。
その他の施策もすべてCRMツール内で効果測定を行っており、管理のしやすさを実感しているとのことです。
引用元:メルマガ配信やカゴ落ちのステップメール配信等定期的なお客さまへの接触を図ることにより費用対効果UP!!
HAKUTSURU

日本酒や日本酒コスメの販売を行っている「HAKUTSURU」。
お酒とコスメといった全く異なる商品を販売しているため、顧客管理に苦戦をしてCRMツール「LTV-Lab」の導入を決意しました。
今後はツールを活用し、顧客情報を細かく分析した上でリピート率やLTVを伸ばしていきたいとのことです。
引用元:商材を分けた2種の自社サイトデータをLTV-Labで統合連携、様々な顧客セグメントを行いDM施策の最適化を実現!!
山本海苔店

日本で初めて味附海苔を創製した株式会社山本海苔が運営するECサイト「山本海苔店」。
CRM強化のためにLTV-Labを導入しました。
メール送り放題の料金体系を活かし、細かくセグメント分けをしてイベント・商品ごとにさまざまなお客様にメールを配信しているとのことです。
引用元:LTV-Labとフューチャーショップ、ネクストエンジンと自動連携を行うことで、メール配信に加え多モールを横断したCRMを実現!!
dev!rock

子供服専門のオンラインストア「dev!rock」。
オンライン上でのお客様との信頼関係をより強固にするためにCRMツールを導入しました。
LINE-ID連携済みのお客様と未連携のお客様で購入フォローメールの内容を変えて配信することで、リピートCV30%アップにつながりました。
また初回購入時にLINE-ID連携のメリットを訴求することで、多くのお客様にID連携をしていただけたとのことです。
引用元:初回購入時の自動ステップメールをLINE連携有無により最適化、配信期間中のリピートCV30%UP達成!!
WORK LAND

作業着・作業服の通販サイト「WORK LAND」。
主にシナリオメールやメールマガジンの配信のために、長期間LTV-Labを活用しています。
シナリオメールは一度作ってしまえば条件に合った会員に自動で送信できるため、少ないリソースでのCRMを実現できているとのことです。
引用元:CRM強化のためフューチャーショップと連携!シナリオメールを活用することで、少ないリソースでCRMを実現!
CRMの導入はメリットが大きい
ここまでさまざまな事例を紹介しましたが、企業がCRMを導入する主なメリットは以下の2つです。
- 顧客情報を社内全体で共有・管理できる
- ベストな方法・タイミングで顧客にアプローチできる
1つずつ詳しく見てみましょう。
顧客情報を社内全体で共有・管理できる
CRMツールがあれば、顧客情報を一元管理できます。異なる部門の従業員でも、CRMにアクセスをすれば同様の顧客情報にアクセス可能です。
従来顧客情報は、部門別に管理されるのが一般的でした。顧客情報が一元管理されていないと、部門間で無駄なやり取りが生じたり、正確な顧客情報を把握できなかったりします。
顧客情報は、カスタマーサポートの顧客対応にも役立てられます。またマーケティング施策の立案にも役立てられるでしょう。
このようにCRMには、顧客との良好な関係の構築のみならず、業務効率化を図れるというメリットもあります。
ベストな方法・タイミングで顧客にアプローチできる
CRMを導入すれば、顧客一人ひとりにパーソナライズされた方法やタイミングでアプローチができます。
例えば顧客の誕生日にバースデーメールを送ったり、商品購入から一定期間後にメンテナンス情報を送ったりといった形です。
CRMを使わずに、こういったアプローチをすべて手動で行うのは大変です。
「このメッセージ皆に送ってるんだろうな」と思われない、パーソナライズされたアプローチは、顧客満足度を高めるのに役立ちます。
CRMによる具体例なアプローチについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:CRM施策完全ガイド!施策の進め方から具体例まで徹底解説
CRMの導入にはデメリットもある
企業のCRM導入には、以下のようなデメリットもあります。
- 成果がすぐに出るとは限らない
- 社内で導入の合意を得づらい場合がある
1つずつ解説します。
成果がすぐに出るとは限らない
CRMでは、蓄積された顧客情報を活用して施策を実行します。つまりCRMを導入してから顧客情報が最低限貯まるまでは、大きな成果は期待できません。
またCRM導入による効果を最大化するには、従業員が積極的にCRMを活用できる体制を整える必要があります。こういった体制の整備にも、一定の期間が必要でしょう。
CRMを「短期的に成果が出るもの」だと思っていると、期待外れに感じてしまいます。成果が現れ始めるまでには、長期的な視点が必要であると心得ておく必要があります。
社内で導入の合意を得づらい場合がある
CRMの導入には、初期費用と月額費用がかかります。またCRMを導入する場合、社内全体の業務プロセスを大幅に見直さなければなりません。
こういった理由から、社内でCRM導入の合意を得づらい場合があります。
特に中小企業や予算に制約のある企業では、費用に見合ったリターンが得られるかどうか、慎重に議論されるでしょう。
また業務フローの変更に不安を抱く現場の従業員も少なくありません。
よってCRM導入の目的を社内で共有したり、全員が納得できるような説明や教育体制を整える必要があります。
CRMを効果的に導入・活用するポイント
CRMを効果的に導入・活用するポイントは以下の5つです。
- 自社の課題とCRM導入の目的を明確にする
- CRMツールの運用・管理体制を整備する
- 必要な顧客情報を簡単に取り出せるようにする
- 顧客の状況に合わせて適切なコミュニケーション手法を選択する
- 自社に合うCRMツールを導入する
各ポイントについて深掘りしていきます。
自社の課題とCRM導入の目的を明確にする
「どの企業も使っているから」といった理由でCRMを導入しても、上手くいきません。
まずは以下を明確にしましょう。
- 自社にはどんな課題があるのか
- その課題の解決にはCRMが必要なのか
場合によっては、必ずしもCRMが必要ではないかもしれません。
CRMが必要か否かを判断するためには「CRMへの理解」が欠かせません。
CRMへの理解を深めるには、無料資料の「【令和6年版】超初心者のためのCRM入門」がおすすめです。
CRMツールの運用・管理体制を整備する
CRM運用のための担当者やチームを設置しましょう。
CRMに関する知識を持った担当者やチームが、社内でのトレーニングの実施や他従業員へのサポートを行うことで、運用がスムーズになります。
また、社内でのCRM運用におけるルールを策定する必要もあります。担当者やチームがルールを策定し、社内への浸透を進めましょう。
必要な顧客情報を簡単に取り出せるようにする
CRM施策では、顧客情報を活用します。よって、顧客情報へのアクセスのしやすさが非常に重要になります。
CRMツール選びの際には、「専門知識を持たない方でも直感的に扱えるかどうか」を選ぶ基準にしましょう。
顧客の状況に合わせて適切なコミュニケーション手法を選択する
CRM施策においては、従来通り皆に同じメッセージを送るのではなく、顧客の情報に合わせて適切なコミュニケーション手法を選択することが重要です。
例えば新規顧客には初回購入特典の案内、既存顧客にはフォローアップメールやバースデーメールといった形です。
CRMツールを用いて正しく顧客のセグメント分けを行い、最適なコミュニケーション手法を選びましょう。
自社に合うCRMツールを導入する
CRMツールを導入する際は、自社の目的に沿ったものを選ぶことが大切です。
せっかくCRMツールを導入しても、実施したい施策が打てなければ意味がありません。機能を持て余してしまうのも費用の無駄です。
機能や費用などはツールによって異なるので、必ず比較検討するようにしましょう。
CRMツールの導入費用については、無料資料「【CRMツール検討の適切なタイミングとは?】CRM導入に失敗しないためのツール導入費用の考え方」で紹介しています。
CRMのよくある失敗事例
CRMのよくある失敗事例は以下の3つです。
- 管理・運用体制が整備されていない
- CRMの目的やゴールが不明瞭で、形骸化した運用となってしまう
- 蓄積したデータを正しく活用できていない
それぞれ詳しく説明します。
管理・運用体制が整備されていない
CRMはただ導入するだけではなく、管理・運用体制を整えることが重要です。
管理・運用体制が整っていないと、CRMツールの機能を十分に活かすことができません。
例えばCRMツールにデータを入力する人としない人が出てきたり、入力の仕方が人によって異なったりしてしまいます。
導入時には必ず担当者やチームを設け、社内でトレーニングやサポートを行う必要があります。
CRMの目的やゴールが不明瞭で、形骸化した運用となってしまう
CRMツールの導入前に目的やゴールを明確化しておかないと、日々の業務に追われてツールの活用が後回しになり、運用が形骸化してしまいます。
CRMツールを導入して顧客情報を収集できても、社員がそのデータの活用方法を理解していなければ、ツールは次第に使われなくなります。
設定した目的やゴールは、社内全体で共有しましょう。
蓄積したデータを正しく活用できていない
CRMツールを導入すれば、顧客情報がどんどん蓄積されていきます。
蓄積したデータを分析してマーケティング施策に活用できなければ、機会損失につながります。
「こういう顧客はこういう行動をする傾向にある。だからこの施策が有効」のように、得られたデータをもとにきちんと分析を行いましょう。
おわりに
本記事では、CRMの成功事例や失敗事例について解説しました。
CRMを成功させる主な鍵は以下の3つです。
- 目的やゴールを定めること
- 社内でCRMツールの利用環境を整えること
- 自社に合ったCRMツールを選ぶこと
すでに目的が明確であれば、早速自社に合ったCRMツール選びを始めましょう。
気になるCRMツールの導入費用については、以下の無料資料よりご確認いただけます。
関連資料:【CRMツール検討の適切なタイミングとは?】CRM導入に失敗しないためのツール導入費用の考え方
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