
通販・EC業界において、今やCRMは必要不可欠な存在です。
「CRMという言葉は知っているが詳しくはわからない」「導入したいと思っているがどうすれば良いかわからない」とお悩みの企業担当者もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、通販・EC業界のCRMについて、どこよりも詳しくまとめました。
なぜ通販・EC業界でCRMが重要なのか、通販・EC業界でCRMを行うメリット、CRMツールの選び方やおすすめツール、CRMの成功事例などについて解説しています。
深い知見を持ち合わせていない企業担当者でも無理なく読み進められるよう、難しい用語は極力使用していません。
記事を最後までチェックすれば、通販・EC業界のCRMに関することがひと通りわかりますよ。
※無料の資料でより詳しく通販・EC業界のCRMについて知りたい方は「ECビジネスを成功させる!CRM施策ガイド」をチェックしてみてください。
この記事の目次
CRMとは
CRMは「Customer Relationship Management」の頭文字を取った言葉で、日本語だと「顧客関係管理システム」です。
CRMは、よく病院のカルテに例えられます。
病院では、カルテに診療歴などを記録して、より良い治療のために活用します。
CRMもそれと同じです。顧客の年齢や性別、購入履歴などを記録して、より良い顧客体験を提供するために活用します。
例えば「商品Aの購入者には、購入から3か月後に商品Aのメンテナンスに関するメールを送ろう」といった形です。
CRMによって顧客満足度が高まり、リピーターの獲得やLTV(顧客生涯価値)の増加につながります。
※無料の資料でCRMについてより詳しく知りたい方は「【令和6年版】超初心者のためのCRM入門」をチェックしてみてください。
通販・EC業界でCRMが注目され始めた背景
通販・EC業界でCRMが注目され始めた理由は、顧客ニーズの多様化にあります。
インターネット普及前は、皆が同じ広告を見て、同じ商品を欲しがっていました。店舗に足を運んで、せいぜい数点のなかから商品を選ぶといった形です。
しかしインターネットの普及によって、消費者が自由に商品を比較検討できるようになりました。
例えばスマートフォンを使えば、簡単にレビューサイトやSNS上の口コミにアクセスできます。よって顧客がそれぞれ、自分に合った商品を求めるようになっています。
こういった環境の変化から、CRMが注目され始めました。
CRMを活用すれば「この商品の購入者はこの商品も購入する傾向にある」といった形で、顧客をセグメントに分けてアプローチできます。
通販・EC業界でなぜCRMが重要なのか
顧客は新規顧客と既存顧客にわかれます。
少し前までは、既存顧客との関係構築よりも、新規顧客の獲得が重要視される傾向にありました。
インターネットの普及とともに、通販・EC業界も拡大をしています。
多くの企業が通販・EC業界に参入することで競争が激化し、新規顧客獲得にかかるコストは今後も増えていくでしょう。
コストが増えても新規顧客獲得のための広告を打ち続けなければならず、まさにラットレースです。
こういった背景から、新規顧客の獲得よりも既存顧客との関係構築が重要視されるようになりつつあります。
「既存顧客にリピーターになってもらいLTVを高められれば、新規顧客獲得のために消耗する必要はないよね」といった考えです。
そして既存顧客との良好な関係構築に欠かせないのがCRMです。
以上から通販・EC業界においてCRMが重要視されています。
通販・EC業界がCRMを行うメリット
通販・EC業界がCRMを行うメリットは、以下の5つです。
- 顧客情報を一元管理できる
- 社内での連携が取りやすくなる
- 最適な手段で顧客にアプローチできる
- リピーターの増加につながる
- 広告費を削減できる
それぞれ詳しく見てみましょう。
顧客情報を一元管理できる
購買履歴・行動データ・属性情報などの顧客情報は、CRMツールで一元管理できます。
「どの属性の顧客がどの商品を購入したのか」「キャンペーンに反応した顧客はどのくらいか」のような情報が簡単に手に入るため、顧客のニーズをより正しく把握可能です。
また問い合わせ時にカスタマーサポートのスタッフが顧客情報を参照できるため、顧客対応の質の向上にもつながります。
社内での連携が取りやすくなる
CRMは自動で顧客情報をまとめてくれるツールです。従業員が手動で顧客情報を入力することもできます。
例えばカスタマーサポートのスタッフが問い合わせ内容をCRMに入力し、それを見たマーケティング部門のスタッフが顧客の悩みや問題点を把握するといった形で、CRMを介して社内で効率的に連携が取れるようになります。
最適な手段で顧客にアプローチできる
顧客は一人ひとり、異なるニーズを持っています。よって一律のアプローチでは効果が限定的です。
CRMを活用すれば、購買履歴や属性などのデータをもとに、顧客の興味関心や購買タイミングに合わせたタイミングや方法でアプローチができます。
例えば、通販・ECサイトで特定の商品の詳細ページを何度も閲覧したユーザーに対して、CRMを活用してレコメンドメールを送ることができます。
また顧客の誕生日にバースデーメールを送り、クーポンを配布する手法もあります。
リピーターの増加につながる
CRMは、既存顧客との関係を構築するためのツールです。CRMを使って既存顧客のフォローアップをしたり、お得なクーポンを配布したりできます。
CRMを活用すればするほど、顧客満足度は高まります。そして顧客満足度が向上することで、リピーターが増加し、売上の向上や安定に繋がります。
広告費を削減できる
前述のとおり、新規顧客の獲得には多額の広告費が必要です。一方、既存顧客へのアプローチは新規顧客獲得と比べると低コストで実施できます。
CRMによってリピーターの数を増やせば、新規顧客の獲得にこだわる必要がなくなります。
よって、広告費の削減につながるでしょう。
CRMのメリットを感じづらい通販・EC事業もある
CRMは、顧客と良好な関係を構築するための施策です。そして顧客との良好な関係は、前述のとおりリピート率やLTVの向上につながります。
なので、リピートしてもらう必要がないような、売り切り型のサービスを提供している通販・EC事業者はメリットを感じづらいでしょう。
またCRMには、顧客ごとにパーソナライズされたメッセージを送ったり、商品をおすすめしたりできる機能があります。
しかし商品ラインナップがシンプルで、顧客ごとに異なるメッセージを送ったり別々の商品をおすすめしたりする必要がない場合は、CRMのメリットを感じづらいでしょう。
CRMは今や通販・EC業界に欠かせないツールですが、すべての通販・EC事業者におすすめできるわけではありません。
通販・EC業界でCRMツールを選ぶ際のポイント
通販・EC業界でCRMツールを選ぶ際のポイントは以下の3つです。
- 操作性の高さ
- セキュリティの安全性
- サポート体制の充実度
1点ずつ詳しく解説します。
操作性の高さ
CRMツールは、さまざまな部門のスタッフが利用します。また、CRMツールが自動で収集してくれる顧客情報もあれば、スタッフが手動で入力するものもあります。
よって直感的に扱える、操作性の高さが重要です。
操作性が低ければ、次第に皆CRMツールに触らなくなり、施策がうまくいかないでしょう。
普段CRMやマーケティングとは別の分野で働いているスタッフでも気軽に扱えるか否かが重要です。
セキュリティの安全性
CRMツールを選ぶ上では、セキュリティの安全性が重要です。
CRMでは、顧客情報を一元管理しているため、不正アクセスなどの被害を受けてデータが流出してしまうと、大問題になってしまうためです。
データが流出してしまうと、信頼や企業としての信用を失います。
CRMに限らず「絶対に安全」と断言できるツールやサービスはこの世に存在しませんが、本記事で紹介するCRMツールであれば、必要十分なセキュリティは備わっているので、ぜひ参考にしてみてください。
サポート体制の充実度
サポート体制が充実しているかどうかも、CRMツール選びにおいては大切です。
スタッフ皆でCRMツールを使っていると「こういった場合はどうすれば良いの?」のように、必ず何らかのトラブルが発生するからです。
CRMツールのなかには、メールだけでなく電話でもサポートを実施しているところがあります。またCRMツールの導入時に、無料のセミナーを実施しているところもあります。
通販・EC業界におすすめのCRMツール3選
通販・EC業界におすすめのCRMツールは以下の3つです。
- アクションリンク
- LTV-lab
- Dotdigital
各ツールについて詳しく見てみましょう。
アクションリンク

アクションリンクは、通販・ECサイトに特化したCRMツールです。
今回は3つのCRMツールを紹介しますが、通販・ECサイト業界の方に最もおすすめなのは、このアクションリンクです。
アクションリンクは導入初月の売上アップ率が平均219%と、非常に高い実績があります。
現在使用中のカートシステムと連携し、プリセット済みのメールを導入後すぐに自動配信できる点が強みです。
「鉄板シナリオ」の機能を活用すると、1クリックで顧客一人ひとりに合わせたメッセージを自動で作成できる点も特筆すべきポイントです。
通販・ECサイト運営者で、気軽にCRMツールを導入したい方は「アクションリンク」を利用してみてはいかがでしょうか。
LTV-lab

LTV-labは、費用対効果に優れたCRMツールです。導入後の費用対効果は平均564%と非常に高くなっています。
エンジニア・アナリスト・マーケター不要で、簡単に設定や操作ができるので、CRMに詳しい人材がいない企業におすすめです。
また、本ツールでは1,300店舗のノウハウに基づいた鉄板リピート施策を標準化しています。そのため、無駄な工数をかけず、売上につながる施策のみをピンポイントで実践できます。
CRMに詳しくない方でも、メールを送り分けたり直感的にデータを分析したりできるので、初めての方でも気軽に試せるでしょう。
Dotdigital

Dotdigitalは、マルチストア・多通貨・多言語対応のイギリス発CXDPです。CXDPとは、既存顧客のみならず、見込み顧客に対してもアプローチができるシステムのことです。
Dotdigitalは、今回紹介する3つのCRMツールの中でも、最も大規模事業者向けのものとなっています。
例えば、British AirwaysやConverseなど世界規模で事業を展開している企業にて活用されています。
国外でも大々的にサービスを提供している場合には、Dotdigitalがおすすめです。
通販・EC業界におけるCRMの成功事例
以下3つの通販・EC業界におけるCRMの成功事例を紹介します。
- スキー用品通販店「TANABE SPORTS」
- レディースファッション&カラコン通販の「MieQaM」
- バッグメーカー直営通販サイト「T2O ONLINE STORE」
1つずつ詳しく見てみましょう。
スキー用品通販店「TANABE SPORTS」

ECサイトからの売上が6〜7割を占めるスキー用品通販店の「TANABE SPORTS」。
過去にCRMツールを導入した経験があるものの、サポート体制に不満を感じアクションリンクへの乗り換えを決意しました。
導入後はメルマガやLINEでのメッセージ配信で月数千万円規模にまで売上を伸ばすことに成功しています。
定期的なディスカッションやシステム改修への協力姿勢など、サポート体制にも満足しています。
引用元:過去のCRMツール導入時の失敗経験をもとに「アクションリンク」を選び、リピーター売上が増加!
レディースファッション&カラコン通販の「MieQaM」

大手音楽事務所などのECサイト運営代行を行うギフト・アンド・カンパニーが運営するECサイト「MieQaM」。
これまで手動で行っていたメルマガ配信を自動化するため、そしてリピート率を向上させるためにアクションリンクを導入しました。
アクションリンクの導入後は、メルマガ制作の自動化によってスタッフの手間と人件費を削減でき、顧客に適切な販促メールを自動配信できるようになりました。
バッグメーカー直営通販サイト「T2O ONLINE STORE」

鞄メーカーの株式会社ティ・ツウ・オーが運営する通販サイト「T2O ONLINE STORE」。
人的リソースの不足をCRMツールで補うため、LTV-labを導入しました。
テンプレートに沿って、導入から約1か月で10個前後のメールのシナリオ作成ができました。リピート率を上げるため、今後もさまざまなシナリオを作成したいと考えているようです。
引用元:シナリオメールを稼働し、導入から半年でリピート率を改善!
通販・EC業界でおこなうCRM業務の主な内容
通販・EC業界で行うCRM業務の主な内容は以下の4つです。
- 顧客情報の収集
- 顧客情報の分析
- 施策の実行
- 施策の効果測定
各項目について簡潔に説明します。
顧客情報の収集
通販・EC業界におけるCRM業務の第一歩は、顧客情報の収集です。収集する顧客情報の例は以下のとおりです。
- 属性データ(名前・住所・連絡先など)
- 購入履歴
- Webサイト上での行動パターン
- カートに入れた商品
- 問い合わせ履歴
CRMツールが顧客のアカウントや購入フォームを通じて自動で収集する情報もあれば、スタッフが手動で入力する情報もあります。
顧客情報の分析
収集した顧客情報を分析することで、顧客の行動パターンやニーズが見えてきます。
例えば、購入頻度が高い顧客の特性や、リピート購買につながる商品の組み合わせなどが見えてくるはずです。
施策の実行
顧客情報の分析によって得られた情報をもとに、CRM施策を実行します。
CRM施策には、メルマガやステップメール・同梱物・クーポンの配布など多様な種類があります。
詳しくは以下の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。
関連記事:CRM施策完全ガイド!施策の進め方から具体例まで徹底解説
施策の効果測定
実行したCRM施策が有効だったかどうか、効果測定を行います。
事前に設定した目標を達成できていた場合は、施策をこのまま継続しましょう。達成できていない場合には、なぜ達成できなかったのかを突き止め、改善する必要があります。
例えば、メルマガの開封率が目標を下回っていた場合は、メルマガのタイトルを変えるといった形です。
通販・EC業界でCRM施策を成功させるコツ
通販・EC業界でCRM施策を成功させるコツは以下の2つです。
- 明確なゴール設定
- 適切なツール選定
1つずつ掘り下げてみましょう。
明確なゴール設定
「どの企業も導入しているから」といった理由でCRMを導入しても、うまくいきません。
CRM施策が形骸化し、継続的な運用が難しくなってしまうためです。また、ゴールがないと有用な分析や効果測定も行えません。
どんなゴールを達成するためにCRMを導入するのかは、必ず事前に明確にしておきましょう。
適切なツール選定
CRMツールごとに機能や使い勝手が異なります。
まずは設定したゴールを達成するための機能が備わっているかを確認しましょう。通販・EC業界であれば、本記事でも紹介したアクションリンクが最もおすすめです。
おわりに
本記事では、なぜ通販・EC業界でCRMが重要なのか、通販・EC業界でCRMを行うメリット、CRMツールの選び方やおすすめツール、CRMの成功事例などについて解説しました。
顧客に繰り返し通販・ECサイトを利用してもらうためには、CRMが欠かせません。気になるツールの導入費用については、以下の無料資料よりご確認いただけます。
関連資料:【CRMツール検討の適切なタイミングとは?】CRM導入に失敗しないためのツール導入費用の考え方
あわせて読みたい