オンラインショッピングのLINE・メルマガに関するアンケート
この記事の執筆者

株式会社TOKYO GATE

株式会社TOKYOGATEは多くの過去実績を保有するECのプロフェッショナルが集うECマーケティングの専門家集団です。マーケティング戦略の立案から施策の実行、PDCAまでを総合的に支援します。

成功事例に基づいた確実性の高いコンサルティングが特徴で、提案した施策を速やかに実行できる体制を整えています。EC・D2Cに関してお悩みの方はお気軽にご連絡ください。

▼お問い合わせはこちら
https://tokyogate.co.jp

この記事の目次

はじめに

LINEやメルマガは、ユーザーに直接的にアプローチできるため、特に既存客に向けた施策を行う上で重要な媒体です。

LINEユーザーは2024年3月末時点で9,700万人を超える国内最大規模のSNSで、メルマガはモール・自社ECを問わず、標準機能として実装されており、いずれも多くのEC事業者に活用されています。

しかし、それらをデータに基づき分析し、効果的な活用ができている事業者は少ないのが現状ではないでしょうか。

本調査では、LINEとメルマガの効果や性別による違い、それぞれのツールが商品購入に与える影響を分析しています。

これからLINEやメルマガを活用される事業者にも、既に運用されている事業者にも有益な調査結果です。参考データとしてぜひご活用ください。

調査方法

株式会社TOKYO GATEでは、2024年3月31日から2024年4月9日にかけて、オンラインショップで購入経験のある18~70歳の男女478人を対象に、オンラインショッピングのLINE・メルマガに関するアンケートを実施しました。

調査方法 Google フォームを使用したインターネット調査
調査期間 2024年3月31日から2024年4月9日
調査対象 18〜70歳以上の男女
サンプル数 478名

サマリー

  1. オンラインショップ利用者のうち、女性の約90%、男性の約80%がメルマガまたはLINEに登録しています。
  1. 男性はLINEよりもメルマガの登録者が多い傾向にあります。
  1. メルマガとLINEの両方に登録している割合は女性が男性よりも高く、40%に上ります。
  1. メルマガやLINEに登録している商品ジャンルで最も多いのはファッションで、食料品、本・ゲーム、日用品の登録率も高い結果となりました。
  1. 全体の約60%のユーザーは、週に1回以上メルマガや企業からのLINEメッセージを確認しています。
  1. メルマガやLINEメッセージから商品を購入した経験のあるユーザーは全体の80%で、女性も男性も10%のユーザーが「何度もある(5回以上)」と回答しました。
  1. 全体の約70%のユーザーが、割引やクーポン、セール情報を受け取るためにメルマガやLINE公式アカウントに登録しています。
  1. 全体の約50%のユーザーは、配信頻度が高いことを理由にメルマガやLINE公式アカウントを解除・ブロックしています。
  1. メルマガやLINEの配信頻度は、多くても週1回が適切とされ、週に2回以上が適切と感じるユーザーはほとんどいません。

各設問の回答と考察

1.   オンラインショップにおけるメルマガやLINEアカウントの登録状況

オンラインショップ利用者のうち、メルマガまたはLINEアカウントのいずれかを登録しているユーザーは、全体の80%を超えていることがわかりました。

高い登録率は、現在の情報提供が利用者にとって価値があり、ユーザーがオンラインショップからの情報を受け取ろうとしていることを示しています。

メルマガの登録者がやや多い理由として、LINE公式アカウントの発信が2012年に開始された比較的新しい媒体であることが考えられます。特にミレニアル世代以前のユーザーにとって、情報を受け取る媒体として親しみがあるのはメルマガである可能性があります。

さらに、LINEは主に知人や友人とのコミュニケーション手段として使用されるため、企業アカウントの発信が知人や友人からの通知を埋もらせることへの抵抗感もあるかもしれません。

2.   オンラインショップにおけるメルマガやLINEアカウントの登録状況(男女別)

オンラインショップにおけるメルマガやLINEアカウントの登録状況を男女別に集計した結果、両方に登録しているユーザーは女性に多く、どちらにも登録していないユーザーは男性に多いことがわかりました。

この結果から、女性は男性に比べ、熱心に情報を収集する傾向が示唆されます。

調査結果から、男性はLINEよりもメルマガを好む傾向が出ています。メルマガはLINEに比べて文字量が多く、専門的な内容を求める男性のニーズに合っているのかもしれません。

3.   メルマガやLINEアカウントに登録している商品ジャンル

メルマガやLINEアカウントに登録している商品ジャンルについて調査した結果、ファッションのジャンルが圧倒的多数を占めていることがわかりました。これは、新製品の発売サイクルが比較的短期であることや、季節によるニーズの変化により、情報発信が多くなるためだと考えられます。

食料品については、購入頻度が高く価格に敏感な商材であるため、ユーザーは積極的にクーポンや割引を取得している可能性があります。

本や電子書籍、ゲーム、化粧品は、ユーザーが最新のリリース情報を逃さないように登録している可能性が高いです。これらの商品ジャンルの特徴として、新製品の発売ごとに売上を大きく上げるビジネスモデルであることが挙げられます。

4.   メルマガやLINEアカウントに登録している商品ジャンル(女性)

メルマガやLINEアカウントに登録している商品ジャンルについて、女性のデータを調査した結果、ファッションと化粧品のジャンルが女性の多数を占めていることがわかりました。

ファッションと化粧品はトレンドの変化が激しく、特に女性ユーザーは製品情報やセールへの関心が高いと考えられます。多くの女性ユーザーがメルマガとLINEの両方に登録しているため、これらの業界ではメルマガとLINEの両方を取り入れるのが良いでしょう。

さらに、美容・健康グッズや健康食品・サプリメントへの関心も男性に比べて高いことがわかります。主要商材が化粧品の場合は、健康食品に関連した発信も織り交ぜることで、関連情報を提供でき、高い効果が期待できます。

5.   メルマガやLINEアカウントに登録している商品ジャンル(男性)

メルマガやLINEアカウントに登録している商品ジャンルについて、男性のデータを調査した結果、ファッションとほぼ同じ割合で、本・ゲームのジャンルが多数を占めていることがわかりました。これは一般的に女性に比べて男性のほうがゲームに関心を持っていることの裏付けとも言えます。

家電・カメラやパソコン・スマホへの関心が、女性に比べて高いことがわかりました。これらの商品ジャンルにおいては、男性が好む傾向のあるメルマガを使い、女性向けの発信よりもテキストを多めに用いたロジカルなアプローチが効果的かもしれません。

メルマガやLINEアカウントに登録している商品ジャンルは、男性がどのような情報を受け取りたいかという関心の割合を表しています。一般的になりつつある男性の化粧品や美容、家具・キッチン用品に対する関心は、相対的にかなり低いことがわかります。

6.   メルマガやLINEメッセージを確認する頻度

メルマガやLINEメッセージを確認する頻度について調査した結果、週に1回以上確認するユーザーが60%を超えていることがわかりました。多くのユーザーに頻繁に確認されていることからも、メルマガやLINEの有用性がわかります。

メルマガやLINEの配信はリマインダーとして機能し、購入率を高める効果があります。また、ユーザーとの接触頻度が増えることで、商品やブランドに対する好感度も向上します。そのため、定期的な配信を実施することが望ましいと言えるでしょう。

7.   メルマガやLINEメッセージを確認する頻度(男女別)

メルマガやLINEメッセージを確認する頻度を男女別に集計した結果、週に2〜3回、週に4〜5回確認するユーザーの割合が女性の方が高いことがわかりました。これは、女性が男性よりも頻繁にメルマガやLINEメッセージを確認していることを示しています。

一般的に、女性はスマートフォンの使用時間をメールやLINEなどのコミュニケーションツールに多く費やす傾向があるとされています。男女による傾向の違いを踏まえ、それぞれのターゲットに合わせた最適なメッセージ送信タイミングや頻度を探ることが重要です。

8.   メルマガやLINEメッセージを読む頻度

メルマガやLINEメッセージを読む頻度について調査した結果、全体の約30%のユーザーがほとんどのメルマガやLINEメッセージを確認していることがわかりました。60%のユーザーは、届いたメルマガやLINEメッセージのうち、10回に3回以下しか確認していません。

この結果から、すべての通知に対して反応するユーザーは少数派で、多くのユーザーが必要な情報を選別していることが示唆されます。多くのユーザーが情報過多を感じている可能性も考えられます。

また、登録しているにも関わらず全く読まないケースはごく稀であり、タイミングが違っても基本的には読まれていることがわかります。

9.   メルマガやLINEメッセージを読む頻度(男女別)

メルマガやLINEメッセージを読む頻度を男女別に集計した結果、男性は女性に比べて、いつも読むユーザーが僅かに多いことがわかります。一方で女性はしばしば読むユーザーが多く、頻度の分布に差が出ています。

これらの結果から、一部の男性ユーザーはメルマガやLINEをいつも確認しますが、全体的な読む頻度は女性の方が高いことがわかります。顧客リストに男性と女性が混在する場合、基本的には男性よりも女性によく読まれていると考えて、メルマガやLINEを配信すると良いでしょう。

10. メルマガやLINEメッセージから商品を購入した経験

メルマガやLINEメッセージから商品を購入した経験について調査した結果、80%を超えるユーザーが購入の経験があることがわかりました。多くのユーザーがメルマガやLINEメッセージをきっかけに購買しており、競争力のある割引率やクーポンによって購入率を高められる可能性があります。

全体の17%のユーザーは、メルマガやLINEに登録していないか、登録しているが購入した経験がありません。これは、メッセージの内容が魅力的でない、購買に直結するオファーが少ない、またはユーザーがメッセージをあまり読んでいないなどの理由が考えられます。

11. メルマガやLINEメッセージから商品を購入した経験(男女別)

メルマガやLINEメッセージから商品を購入した経験を男女別に集計した結果、「何回かある」、「何度もある」を選択したユーザーの割合には男女差はほとんど見られませんでした。しかし、「まれにある」、「1度もない」の割合に差が生じ、全体として女性のほうが購入経験が多いことがわかりました。

メルマガやLINEメッセージをきっかけとした購入経験のない男性は全体の30%で、男性は女性に比べ、商品の購入以外を目的としたメルマガやLINEの登録をする傾向があるかもしれません。

12. メルマガやLINE公式アカウントに登録した理由

メルマガやLINE公式アカウントに登録した理由について調査した結果、約70%のユーザーが「割引やクーポンを受け取るため」を選択し、最も多い理由となりました。次いで「特典を受け取るため」が挙がり、直接的なインセンティブが登録の主な動機であることがわかります。

一方で、20%のユーザーは「オンラインショップやブランドのファンだから」という理由で登録しています。これらのユーザーはエンゲージメントが高く、開封率や商品購入数によってセグメントすることで、効果的なマーケティングができる可能性があります。

また、割引やクーポンのオファーがない場合や、商品やブランドのファンでないユーザーに対してバナーやポップアップで登録を促すことは、登録理由がなく、低い登録率を招く可能性が高いです。

「その他」には、セールの日時や入荷情報を把握するため、趣味に合う商品情報を受け取るためといった理由がありました。

13. メルマガやLINE公式アカウントに登録した理由(女性)

メルマガやLINE公式アカウントに登録した理由について、女性のデータを集計しました。「特典を受け取るため」には商品サンプル、おまけ、商品の先行購入、懸賞などが含まれ、約半数の女性が特典が登録の動機となったことがわかりました。

「会員登録に必要だったから」という消極的な理由での登録も多く、女性全体の30%を占めます。しかし、これらのユーザーに対して割引やクーポン、特典を提供することで、登録する理由を生み出し、消極性を払拭できる可能性があります。

14. メルマガやLINE公式アカウントに登録した理由(男性)

メルマガやLINE公式アカウントに登録した理由について、男性のデータを集計しました。「割引やクーポンを受け取るため」、「特典を受け取るため」を選択した男性ユーザーは女性同様に多数を占めており、経済的なインセンティブが登録の動機であることがわかります。

有名人やインフルエンサーの紹介、知人や家族による紹介が登録の動機になったユーザーはごく僅かでした。この結果から、他者の紹介による購入はしばしば発生しますが、メルマガやLINEに登録する際には他者からの影響を受けにくく、個人の利益や関心に基づいて登録する傾向が強いことがわかります。

15. メルマガやLINE公式アカウントを解除・ブロックした理由

メルマガやLINE公式アカウントを解除・ブロックした理由について調査した結果、約半数のユーザーが「配信頻度が高い」と回答しました。しかし、適切な配信頻度は人それぞれであり、コントロールが難しい点もあります。

「内容に興味がない」、「情報が役に立たない」、「毎回ほとんど同じ内容だから」という理由も多く挙げられており、これはターゲット顧客の興味やニーズを十分に把握していない可能性を示唆しています。

さらに、「割引やクーポンを受け取るため」、「特典を受け取るため」という理由で登録し、受け取り後に登録を解除するユーザーも多数います。メルマガやLINEを用いたオファーが購入のトリガーとして機能していることの証でもありますが、一定の解除・ブロックが発生することは避けられません。購入頻度が高い商品ほど、定期的なオファーによってユーザーを引き留められる可能性が高まります。

16. メルマガやLINE公式アカウントを解除・ブロックした理由(女性)

メルマガやLINE公式アカウントを解除・ブロックした理由について、女性のデータを集計しました。

多くの女性ユーザーが、メルマガやLINEメッセージの頻度が高すぎると感じています。ユーザーは日々多くの企業からの情報に晒されており、頻繁な配信は情報過多となり、ストレスを与えます。そのため、解約率を定期的に測定し、自社のユーザーに合った配信頻度を探る必要があります。

また、「内容に興味がない」を選択した女性ユーザーが30%いることから、配信されるコンテンツがユーザーの興味とミスマッチしている可能性が考えられます。このミスマッチが発生する原因として、コンテンツの幅が広すぎることや関連商品の宣伝が過剰であること、登録前に内容や頻度を明示していないことなどが挙げられます。

17. メルマガやLINE公式アカウントを解除・ブロックした理由(男性)

メルマガやLINE公式アカウントを解除・ブロックした理由について、男性のデータを集計しました。

「情報が役に立たない」、「広告や宣伝が多すぎる」を選択したユーザーの割合が女性よりも多かったです。男性は女性よりも具体的で実用的な情報を好み、役立たない情報や直接的な利益に繋がらない場合、それを不要と捉える傾向が強い可能性があります。

解除やブロックをしたことがないユーザーの割合が女性よりも高いことがわかりました。男性は女性に比べて、メールやLINEメッセージの頻度に対する感受性が低いため、配信頻度が高いことに対して寛容である可能性があります。

18. 価値を感じるメルマガやLINEメッセージの情報

特に興味を持ったものや、価値を感じるメルマガやLINEメッセージの情報について調査した結果、多くのユーザーがクーポンやセール情報に興味を持っていることがわかりました。クーポンやセール情報は消費者の利益に直結するため、高い価値を感じる傾向があります。

同様にキャンペーン・イベント情報や新商品の案内も関心が高く、これら3つの情報のみを配信することが最も効率的である可能性があります。

メルマガやLINEメッセージで生活に役立つ情報や商品の使い方などのハウツー情報でユーザーを惹きつけるのは非常に難しいことがわかります。そのようなコンテンツは、メルマガやLINEメッセージではなく、遷移先のLPや他のSNSなどで提供し、興味のある人だけが閲覧できる状態にするのが望ましいでしょう。

19. 価値を感じるメルマガやLINEメッセージの情報(女性)

特に興味を持ったものや、価値を感じるメルマガやLINEメッセージの情報について女性のデータを集計しました。

ECサイトは消費者にとって商品を購入することが目的であり、男性よりも多くの情報を収集する傾向にある女性でさえ、過度な情報配信を期待していない可能性があります。過度に情報を発信すると解除やブロックのトリガーとなるため、注意が必要です。

20. 価値を感じるメルマガやLINEメッセージの情報(男性)

特に興味を持ったものや、価値を感じるメルマガやLINEメッセージの情報について男性のデータを集計したところ、女性のデータとの間に大きな差は見られませんでした。

唯一異なる点は、「商品の使い方などのハウツー情報」が「生活に役立つ情報」を下回った点です。男性は女性に比べ、商品の使い方を確認しない傾向があるのかもしれません。

21. 適切と感じるメルマガやLINEメッセージの配信頻度

適切と感じるメルマガやLINEメッセージの配信頻度について調査した結果、「週に1回程度」、「月に2〜3回程度」、「月に1回程度」に大きく分かれました。

週に2回以上が適切と感じるユーザーは約7%とごく僅かであることから、最も頻繁な配信でも週に1回にとどめることが望ましいでしょう。

適切な配信頻度は商品によっても異なり、リピートサイクルが長い商品や高単価の商品では、高頻度の配信は過度な宣伝と捉えられ、解除・ブロックのトリガーとなる可能性があります。購入頻度が高い商品では、週1回、またはそれ以上の配信も有効かもしれません。

22. 適切と感じるメルマガやLINEメッセージの配信頻度(男女別)

適切と感じるメルマガやLINEメッセージの配信頻度について男女別に集計した結果、全体的に女性に比べ男性のほうが、高い頻度の配信を許容していることがわかりました。

男性は割引やクーポンのために登録する割合が高い一方、登録したことがない割合も一定数おり、必要な情報のみを受け取りたいという傾向が強いと考えられます。

対照的に、女性は登録する割合自体が高く、より多くの情報を求める傾向があります。男性は少ない情報源から高頻度で情報を受け取ることを許容し、女性は多くの情報源から低頻度で情報を受け取る傾向があると考えられます。

おわりに

今回の調査結果から、メルマガやLINEが多くのECユーザーに登録されており、それを起点とした購入も高い割合で発生していることが明らかになりました。

ECサイトのユーザーは、商品購入を目的としているため、クーポンやセール情報などの直接的なお得さを求める傾向が強いです。

メルマガやLINEをより有効に活用するためには、ユーザーが求める情報を適切な頻度で届けることが重要です。

本資料がメルマガやLINEの運用に役立つことを願っています。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

株式会社TOKYO GATEは多くの過去実績を保有するECのプロフェッショナルが集うECマーケティングの専門家集団です。マーケティング戦略の立案から施策の実行、PDCAまでを総合的に支援します。

成功事例に基づいた確実性の高いコンサルティングが特徴で、提案した施策を速やかに実行できる体制を整えています。EC・D2Cに関してお悩みの方はお気軽にご連絡ください。

弊社サービス資料はこちらからダウンロードください。
https://tokyogate.co.jp/

あわせて読みたい

コマースピックLINE公式アカウント

コマースピックメルマガ