
モバイルアプリ利用者数が減少するAmazonとeBay
英国において、AmazonとeBayのモバイルアプリ利用者数が減少しています。調査機関のGWSが英国で5,200人を対象に調査した結果、今年1月には930万人だったAmazonのモバイルアプリ利用者数が、半年後には830万人に減少していることがわかりました。また、eBayでは1日当たりのモバイルアプリ利用者数が約600万人から420万人に減っています。中国のショッピングアプリであるSHIENとTemuにユーザーが流れているのです。
ダウンロード数ランキングを席巻するSHEINとTemu
SHEINは昨年の夏から欧州をターゲットにしており、今年5月にアイルランドの首都ダブリンに欧州本社を開設しました。PDD Holdings傘下のTemuも同月に同じくダブリンにオフィスを開設しています。SHEINは、ここ数ヶ月で英国のユーザー数が100万人から200万人に倍増。Temuは英国に進出してから1か月後に、1日で350万人のユーザーが利用するショッピングアプリになりました。
Temuの注目すべき点は、ユーザーの利用時間が1日平均18分と、他のモバイルアプリと比べて長いことがGMSの調査データから明らかになっています。ちなみに、次点はフリマアプリのVintedで1日平均14分。Amazon、eBay、SHEINは1日平均8分です。
日本でも注目されるSHEINとTemu
格安で購入できることから急速に利用者数を拡大するSHEINとTemu。その波は日本においても同様です。特にSHEINにおいては権利侵害や労働環境などの報道に名前があがることもありますが、一時はインフルエンサーマーケティングに力を入れ、若年層を中心に拡大しました。
Temuは2023年7月に日本で利用できるようになり、アプリストアのランキングが着実に上がってきています。7月27日時点でAppStore(iOS)の無料ランキングで2位、Google Play(Android)の無料ランキングは1位です。また、SHEINは2020年12月にアプリがローンチされてから2年以上経過しているものの、AppStoreで10位、Google Playでは2位と高い人気がうかがえます。
平均の利用時間について記事内で言及されていますが、SKUが多く安価な商品を販売していることから何か自分に合う商品がないかと、まるでウィンドウショッピングをオンライン上でしている購買行動が想像できます。
スマートフォンの台頭により、消費者は画面を見ている時間が長くなりました。買い物の機会を提供する小売事業者においては、一昔前までお客様の可処分所得の利用先に選ばれるための工夫について思考を巡らせていたと思います。しかし今後は、まずいかにして可処分時間の使い先に選ばれるのかという視点がないと、自社のECサイトを見てもらうことすら難しくなってしまうのではないでしょうか。
※この記事は「Ecommerce News」に掲載されているニュースをもとに翻訳しています。日本のEC事業者の方の参考になればとのことで、Ecommerce News社にご協力いただいております。
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