店舗で買われたら意味はない!? EC購入における店舗と販売員の貢献を可視化

はじめに

小売事業者がOMOを実現するには、店舗・スタッフとの連携が重要になります。頑張って販売スタッフが接客して、お客様が商品を気に入っても、その場で購入されなければ店舗と販売スタッフの貢献は見えません。ショールーミングが当たり前な昨今、店頭接客後にお客様がオンラインで購入した場合でも、店舗で接客したスタッフを把握することが必要ではないでしょうか。

ショールーミングとウェブルーミング、多様化するショッピングスタイルと課題

ショールーミングとは、事前にオンラインで情報を得てからリアル店舗へ来店し、現物を目で見て触る、体感するなどをして、購入はオンラインで行う購買行動のことです。

スマホにより手元で簡単に情報を得られる現代では、エリアを東京だけに絞っても約60%の顧客がショールーミングを行っていると言われています。ショールーミングに関しては、海外ではさらに需要が高く、アジアだけでみても約85%を占めているのです。

オンライン限定の割引特典や、ポイント、価格などがオンライン購入を後押ししている傾向にあり、顧客はリアル店舗=ショールーム(実際に見て触る)、買い場=オンラインと捉えて利用しています。また「その日の荷物にならない。オンライン購入は家に届けてくれるから便利」なども顧客の声で多く上がるポイントの1つです。

ショールーミングとウェブルーミングの併用状況
(引用元:トランスコスモス「アジア10都市オンラインショッピング利用動向調査2019」

一方ウェブルーミングとは、ショールーミング同様にオンラインにて事前に商品情報を得てから、リアル店舗へ来店しますが、この後そのままリアル店舗で購入する購買行動のことを言います。

やはりより多くの情報を得て決断したい意思に変わりはありませんが、現金が利用できることや、買いなれた手法という点では東京だけでも54%、アジアでは80%を占めており、ショールーミングとほぼ同等の利用者がいます。インターネットメインで情報収集をする消費者がどれだけ多いかがよくわかるのではないでしょうか。

このように、消費者行動は多様化している一方、いまだ企業側のシステムや情報の収集・管理などは分断されておりシームレス化しきれていないのが小売業の現状課題です。これらの消費行動の多様化が販売スタッフや店舗の方々のEC購入における貢献度のブラックボックス化。本部やEC側の方々の店舗への売上の貢献度もわからないというような状況を起こしています。つまり、「分断された顧客行動の情報をつなぐ」ことが必要になってきているのです。

ショールーミングとウェブルーミングの違い

OMOにおける小売事業者の課題

「店舗にきてオンラインで買われても店舗側には何も残らない」という課題があげられます。前段で記載した「分断された顧客行動の情報をつなぐ」には、まず現在取得できていないリアル店舗の非購買者データが必要です。例えば『店舗で接客した後のEC送客数や購入数』などです。またデータ連携ができた次は、そのデータを誰が何の目的でどのように活用していくのかという管理活用方法の設定が必要になってきます。

<データ連携による活用事例>
◎本部の場合

  • 店舗で目指す目標金額の持ち方や定義の再設計
  • 販売スタッフの評価方法の再設計
  • 販売スタッフへの人事評価
  • 店舗の評価

◎店長・販売スタッフの場合

  • 顧客のOMOでのショッピングスタイルの動向と傾向の理解
  • 接客するにあたってのオンオフの使い分け方の理解
  • 店舗で購入していただいた+ECで購入していただいた数字の分析

今まで店舗の売上目標や自身の販売ノルマのために邁進していたスタッフは、『その場で買っていただくこと』に注力せざるを得ませんでした。しかし、EC購入における店舗や販売スタッフの貢献を可視化することができれば、彼らはブランドメッセージや商品の良さを伝える接客に集中することができるようになります。会計が店舗なのかオンラインなのかでお客様を選ぶことなく接客ができ、ストレスフリーな購買体験を消費者に提供することが可能になるのです。

OMOの目的は「顧客体験の向上」であって何をどう利用するかは消費者次第です。オムニチャネル(顧客との接点を増やし購買を高める目的)の取り組みとは異なります。自社顧客のリアル店舗⇄オンライン動向を理解し、顧客目線で設計することが大切です。

小売事業者は『可視化できていない必要なデータ取得→分断されたデータの連携→活用設計』を整え消費行動に合わせて変化することが求められています。

Store360 Staff Beaconによるショールーミングにおける店舗と販売員の貢献度を可視化

弊社が提供するStore360 Staff Beaconを活用すれば、スタッフがビーコンを所持することで、購入/非購入に関係なく、誰が誰を接客/対応したのかをトラッキングできます。

また、取得したさまざまなデータ(オンラインデータ含む)を連携させ一つのダッシュボードで管理できます。それによりOMOを含むさまざまな場面での活用支援が可能です。

ご興味がある方はぜひご連絡ください。

https://corporate.tangerine.io/contact

■接客データの取得

■データの連携、投影、活用支援

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