
EC・物販におけるLINEの活用方法としてはLINEショッピングやMySmartStore、LINEギフトなど複数あります。この記事ではLINE公式アカウントの活用方法について、メッセージ機能を中心に紹介していきます。
この記事の目次
そもそもLINE公式アカウントとは?
LINEは日本国内での月間利用者数が9,000万人を超えています。LINE公式アカウントは企業や店舗用のLINEアカウントを通して、個人とコミュニケーションを取ることができるサービスです。2021年末時点で1,770万以上のLINE公式アカウントが発行されています。
EC事業者様においては、お客様と近い距離でコミュニケーションを取る手段として、LINE公式アカウントの活用が重要視されています。今回は主にお客様とのコミュニケーションにおいて、メルマガとの違いから見るLINE公式アカウントの活用方法をご紹介いたします。事業者様がお客様とどのように向き合うのかお考えいただく、きっかけになりましたら幸いです。
メルマガとLINE公式アカウントの3つの違い
LINE公式アカウントとメールマガジンとの違いを大きく3つに分けて挙げていきます。
配信にかかる費用の違い
メルマガを配信する場合、利用しているツールやカートシステム、ECモールによって価格は様々です。カートシステムに標準搭載されている場合は、無料もしくは月間1,000円~5,000円ほどのオプションで安価に利用できるケースが多いです。ECモールでは楽天市場の1通1円が最も高く、Yahoo!ショッピング/PayPayモールでは無料で配信できます。
利用しているカートシステムにメルマガの機能がない場合やスクラッチでサイトを立ち上げた場合、実店舗のみで物販を行っている場合は、独自のメール配信ツールを利用する必要があるでしょう。料金体系は配信通数による従量課金か配信リスト数による課金のどちらかであることが多いです。
LINE公式アカウントでは、月1,000通までは無料で利用可能です。一斉配信による告知を行わず、お客様とのコミュニケーションのみで活用する場合は、LINEチャットの送受信はメッセージ送信数にカウントされないため無料で利用できます。
有料のプランは、月間15,000通まで配信できるライトプランが5,000円(税抜)/月、月間45,000通まで送れるスタンダードプランが15,000円(税抜)/月の2種類あります。どちらもプラン内であれば1通あたり最安約0.3円と安価ではあるものの、プランを超えた場合1通あたり1円~5円と比較的高額になります。特定のオーディエンスや属性に切り分けた配信を行うことも可能なので、リスト数が増えた場合は施策に応じて配信する対象を切り替えても良いのではないでしょうか。

お客様の反応速度の違い
メールはリアルタイムで確認する習慣が徐々に少なくなっているため、メルマガを配信してからお客様が確認するまでタイムラグがあります。そのため、LINEと比べるとセールの事前告知や新商品の情報解禁など、実際に行われるキャンペーンの事前告知として活用することの有効性が高いのではないでしょうか。
一方で、LINEはコミュニケーションツールとして広く活用されているため、LINE公式アカウントを介して発信されるメッセージの反応はメールと比べると高い傾向にあります。そのため、ゲリラ的に行われるセール情報や新商品の入荷情報、予約販売など、お客様のスピーディな反応を促す手段として活用可能です。
また、CS(カスタマーサポート)においてもメールではスピード感に欠ける往復の時間が、チャット(LINE)では短縮され、より早く、より深く1人のお客様の課題を解決できるようになるでしょう。しかし、問い合わせ数が多い事業者様の場合、お客様対応に追われて他の業務のバランスを欠いてしまう可能性があるため、日々の業務を安定的に運用する場合はメールのほうが向いていることもあります。

コミュニケーションの違い
最後にメルマガとLINE公式アカウントの違いとしてコミュニケーションの違いが挙げられます。
お客様視点に立つ場合、メールをコミュニケーションの手段で活用するのはビジネスがメインであり、日常のコミュニケーションで活用する機会は減っています。LINEやその他のSNSの登場によりコミュニケーションの形は様々になっていることから、メールは閲覧されているものの、世代によってはオンライン上でのコミュニケーションで使われないツールにもなっています。
日頃から家族や友人とコミュニケーションを交わしているツールであるLINEであれば、メールとは異なる形でお客様と対話を行えます。チャット機能を活用してスムーズな対応を行うことで短い時間でお客様と多くの対話実現し、購入に至るまでの課題や不安を解決できるのです。
オンラインでLINEを活用する場合の課題として、お客様情報とLINEアカウントの紐付けが挙げられます。例えば、カートシステムであれば、futureshopの場合は月額3,000円の追加オプションで会員情報との紐付けが可能です。また、ECAIやソーシャルPLUSといったサービスを活用することでLINE公式アカウントと対応しているカートシステムの連携が可能になり、LINE公式アカウントを活用したCRM施策ができるようになります。
LINE公式アカウントとお客様情報の紐付けにより、問い合わせを受けた際に今までの購入履歴や会員ランクなどを確認できるようになるため、対話を行う際の解像度が上がるでしょう。

LINEとメルマガどちらに注力すべき?
LINE公式アカウントとメルマガの違いについてお伝えしました。どちらにも長所と短所があるため、適度に使い分けをする必要があるでしょう。例えば、自社の年齢層やお客様の属性によって、問い合わせ対応をLINEに一元化することも良いでしょう。問い合わせをLINEに一元化したことで事業者様の対応工数が削減され、売上及び利益の向上につながった事例もあります。
運用に掛けられる人員が多い場合やメール・電話・LINE対応を一括してアウトソーシングする予算がある場合など、お客様の要望に合わせるための接点を用意することも良いのではないでしょうか。
長年ネットショップの運営をしている場合、既に大量のメールアドレスを保有しているため、LINE公式アカウントに力を入れづらいという声を伺うこともあります。販促の点において、メールとは見ている層が異なっていることやお客様にとって不要な情報であればすぐにブロックされることから、余計なコストを掛けずにお客様と接点を持てる手段として検討してみてはいかがでしょうか。
今後ますます勢いが出るLINEとECの連携
LINEは現在Zホールディングス傘下のサービスとして運営されています。2021年から徐々に連携の流れが出ていたYahoo!ショッピング/PayPayモールですが、2022年はますます連携の動きが加速するとの話が上がっています。
自社ECサイトを中心にLINE公式アカウントを推奨する動きがありますが、ECモールの積極運用によりオンラインで日常的に買い物をするお客様にとってLINEとECの結びつきが当然なものになる世界が来るのではないでしょうか。ヤマト運輸や日本郵便ではLINEを活用して再配達の依頼や到着の連絡を受けられることなど、お客様の購買体験としてLINEは確かに浸透しています。
LINE公式アカウントの友だち登録はメルマガのリストと同様に少しずつ積み上げていくものなので、自社のお客様から必要とされている感覚をお持ちの事業者様はぜひ導入を検討してはいかがでしょうか。
参考:公式ラインはどう作る?LINE公式アカウントの作り方をやさしく解説 | DMMチャットブーストCV
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