リバースロジスティクス

リバースロジスティクスとは?

リバースロジスティクス(Reverse Logistics)は、生産者から消費者へ商品を運ぶ「ロジスティクス」に対して、消費者から生産者へと向かう物流のことを指します。ロジスティクスを動脈物流、リバースロジスティクスを静脈物流と表現することもあります。また、リバースロジスティクスは、逆物流管理や、還流物流などとも呼ばれます。

ECにおけるリバースロジスティクスでは、主に消費者から返品される商品を回収し、再在庫を行う過程がこれに当たります。ロジスティクスに比べて規模は小さいものの、なくてはならない物流機能です。

返品が発生する理由

どのようなシーンで返品が発生するのか改めて確認してみましょう。

不良品

事業者から発送した商品に問題があり、不良品となった場合は返品・交換の対象になります。不良品を受け取った消費者は、商品に対する期待が満たされず、良い顧客体験が得られていません。交換・返金対応をスムーズに行うことでイメージの回復を図る必要があります。

また、不良品を回収し発生原因を追求することは、今後の不良品を減らし商品の質を高めることにもつながるでしょう。

サイズ・色味の違い

アパレル商品や家具などの商品で多いのは、サイズや色味が期待するものと違ったという理由による返品です。特にアパレル商品は、リアルと違ってECでは試着ができないため、完全に避けることは難しいですが、バーチャル試着によって返品を減らす試みも進められています。

返品対応が重要な理由・メリット

ではなぜ返品対応に注力する必要があるのでしょうか。リバースロジスティクスを最適化することで得られるメリットをご紹介します。

コストを削減できる

返品が発生すると、返送手数料や返金手数料、返品された商品の点検や再在庫にかかる作業などさまざまなコストが発生します。特に消費者から事業者への返送は、個別に発生するため、事業者から消費者に配送するよりもコストが大きくなりがちです。リバースロジスティクスを最適化することで、これらのコストを抑え、利益率を改善できます。

顧客体験を充実させることができる

購入した商品を返品するとき、消費者は期待した商品が届かなかったことに対する残念な気持ちや、返品や返金が可能なのかという不安な気持ちを感じている場合が多いでしょう。返品方法が不明瞭であったり、問い合わせ対応が不十分であったりして満足な顧客体験が得られなかった消費者は、再び購入してくれることはなくなってしまうかもしれません。繰り返し購入してもらうためには、返品時にも顧客対応を充実させる必要があります。

商品改善に役立つ

不良品として返送された商品は、発生したトラブルを分析し改善することで不良品の発生を抑え、商品の質を高めることができます。また返品が多い商品にも改善点が隠れている場合があります。返品された商品をそのまま廃棄するのではなく、適切に管理し、分析を行うことで商品改善に役立てられると良いでしょう。

廃棄物の削減

例えば、返品されたアパレル商品の中には、サイズの不一致などの理由で、商品には問題がないのに返品されているものもあります。これらを検品、再在庫することで、再び商品として販売することができるかもしれません。また不良品や再在庫にできない商品であっても、分解することで再利用できるパーツがある場合もあります。返品された商品を適切に管理して、廃棄物を削減できると良いでしょう。

物流の負荷を減らすことができる

購入された商品の配送は、配送拠点で大量の注文商品が一斉に配送処理されるため、整理された作業工程で迅速に対応することができます。しかし、返品はどの商品がいつ発生するのかわからず、返品の工程は煩雑で、コストがかさんでしまいがちです。リバースロジスティクスを整え、いつどこで返品が発生しても適切な返品工程を取れることで物流の負荷を抑えることができます。

返品を減らすための工夫

そもそも返品を発生させないように工夫を凝らすことも重要です。

サイズやフィット感をより正しく伝える

アパレル商品を取り扱う事業者では、サイズのミスマッチを減らすことが返品数を抑えることにつながります。商品紹介画像で着用モデルの身長や体型を表示し、UGCを活用するなど消費者の判断基準を増やしたり、サイズをチェックできるアプリを展開したりすることができるでしょう。注文前にサイズの判断がつけば、返品を前提にサイズ違いの同じ商品を複数注文し、サイズが合うもの以外を返品するというような行為も減らすことができます。

商品情報の充実

商品情報ページ上の情報を充実させることで「写真と異なる」「思っていたものと違う」といった理由による返品を減らすことができます。例えば商品画像の色の見え方に補足をつけたり、よくある返品理由を表記したりすることで、サイズや商品の特徴をより正しく伝えることが可能です。

リバースロジスティクスを提供している支援事業者

ここからはリバースロジスティクスのサービスを展開している支援事業者をご紹介します。

佐川急便/EC返品回収リバースロジスティクス

佐川急便が提供する「EC返品回収リバースロジスティクス」は、佐川急便が培ってきた動脈物流のノウハウを活かし、動脈物流と静脈物流を一気通貫して対応できる仕組みになっているのが特徴です。同時交換業務やコールセンター、リコール対応などをサポートするサービスと併用しての利用もできます。

トランスコスモス/リバースロジ

トランスコスモスが提供する「リバースロジ」は返品受付、商品検品、返金対応、交換品発送などをまとめて対応するサービスです。課題解決に必要なサービス設計を行い、必要に応じて問い合わせ対応やレポーティングなども対応してくれます。返品商品の荷受け、外観検品、仕分け、レポーティングは、「ECワンストップセンター北柏」で行われます。

富士ロジテック/返品・交換物流フルフィルメントサービス

富士ロジテックが提供する返品・交換物流フルフィルメントサービスは、コマースシステムとシステム連携し、返品・交換に関する業務を自動化するサービスです。返品・交換サービスを重要な顧客購買後体験として位置づけ、顧客のファン化を目指すサービスとして提供されています。

リカスタマー(Shopify専用)

リカスタマーはRecustomerが提供するShopify専用の返品・交換・キャンセル自動化システムです。返品管理や顧客とのやり取りをシステム上で行うことができ、返品などにかかる作業時間を大幅に削減できるでしょう。料金プランは、無料で使えるフリープランから月額349ドルまで4種類あります。14日間の無料トライアル期間が設けられているので、まずは試してみると良いと思います。

さいごに:リピート購入につながるリバースロジスティクス

注文数に比べて数が少ない返品・交換業務は対策を後回しにしがちな業務かもしれません。しかし、ECでは返品・交換を完全になくすことは難しく、リバースロジスティクスの最適化が求められます。コストや作業工数を抑えるだけでなく、リピート購入につながる施策として取り組んでみてはいかがでしょうか。

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