楽天市場の「運用型ポイント変倍」とは?利用するメリットや注意点、設定方法について解説

楽天市場の運用型ポイント変倍機能とは?

従来のポイント変倍は全品、もしくは個別の商品を対象に楽天市場の出店店舗様によって、任意で設定したポイント倍率が反映されていました。運用型ポイント変倍機能を活用することで、楽天市場による統計データに基づいて商品ごとに最適なポイント倍率が算出されます。ポイント倍率は、楽天市場内の販売状況によって日々自動更新される仕組みになっています。

ポイント倍率は5倍から20倍の間で上限設定を行い、上限設定を行った倍率以下で最適なポイント変倍を行なってくれます。楽天市場によると、この機能によって表示されるポイント倍率は、上限設定されたポイント変倍率と同程度の売上が確保できるのに最適なポイント倍率です。

また、運用型ポイント変倍を設定した商品が売れたとき、上限設定と最適化されたポイント倍率の差分となるポイント付与額がRPP広告(検索連動型広告)に自動で充当されるのです。

運用型ポイント変倍機能のメリットとは?

では、この機能を利用することで出店店舗様にどのようなメリットがあるのでしょうか。公開されている情報から下記の2点がメリットとして挙げられます。

ポイント差分で集客を行い、さらなる売上増が見込める

例えば、今までポイント10倍で販売していた商品が、本機能により9倍や8倍といったポイント倍率で販売できれば、ポイントコストを抑えて同程度の売上を残せるようになります。10,000円の商品の場合、ポイント倍率を1倍抑えることで、RPP広告に100円分活用できるようになるのです。

ポイント差分で集客を行い、さらなる売上増が見込める

ポイントキャンペーンの運用・設定の手間を減らせる

  • 商品SKUが多く、売上が立ちづらいテールの商品まで細かく管理ができない場合
  • 他の業務に追われて細かく競合情報を見ながらポイント倍率の調整を行えない場合

など、本機能を活用することで最適なポイント倍率に変更可能になります。

価格&在庫最適化エンジンを活用できなくてもAIによるオファーが可能に

価格&在庫最適化エンジンとは、楽天市場のビッグデータに基づいて、最適な商品価格を設定し、売上・利益の最大化および在庫削減を実現する機能です。この機能では価格がデータに基づいて変動するため、商品価格を変更できない出店店舗様は利用できませんでした。同様のアルゴリズムが使われているかは公開されていませんが、運用型ポイント変倍機能では楽天市場のデータに基づいた最適化をポイント倍率の視点から行えるようになりました。これにより、メーカー規制や卸の兼ね合いで販売価格の調整ができない出店店舗様でも自動で最適なオファーを商品にかけられるようになるのです。

運用型ポイント変倍機能の注意点とは?

メリットがある一方で、抑えておかなければならない注意点をお伝えしていきます。

ポイントの変更が1日1回なので、競合に上を行かれる可能性がある

競合が多数存在する仕入れ商品では、ポイント倍率に1倍差があるだけでも売上に大きな影響が出ます。運用型ポイント変倍機能はポイント倍率の調整が1日に1回なので、競合が多い主力商品で活用する場合は後出しジャンケンで負けないよう注意が必要です。大きなイベントと重ならないタイミングや短期間で設定し、効果を見ながら活用することを推奨します。

設定したポイント変倍が始まると終了まで変倍情報の更新ができない

通常のポイント変倍と同様に、運用型ポイント変倍機能によりポイント変倍が始まると、設定した終了時間までポイント変倍を解除することはできません。もし、誤った倍率で設定してしまった場合、商品ページを非表示にしなければなりません。非表示にすると検索順位が下がりかねないので設定の際は最新の注意を払いましょう。また、ポイント変倍の設定よりもスーパーDEALの設定が優先されるため、誤って設定した倍率によってはスーパーDEALの設定で上書きすることも可能です。

充当分で行われるRPP広告に過度な集客効果を期待はしない

10,000円の商品にポイント10倍を上限設定した際に、運用型ポイント変倍機能によりポイント8倍で販売できた場合、差分として200円がRPP広告に充当されます。CPC(クリック単価)を50円で想定すると、集められるアクセス数は4です。CPCは楽天側によって自動で設定されるため、商品単価やポイント倍率によっては1クリック分の広告費用にしかならないケースもあります。取り扱う商品によって向き不向きはあるため、効果がどのような形で出るのかまずは試してみてはいかがでしょうか。

店舗内にポイント倍率を明記したオファーができない

対象商品に関しては日によってポイント倍率が変わるため、店舗内に「全品ポイント10倍」といった表記はできなくなります。一部商品に運用型ポイント変倍を適用させず「ポイント最大◯倍」といった表記をするか、「ポイントアップ中」といった明示しない表記にする必要があります。

店舗内にポイント倍率を明記したオファーができない

運用型ポイント変倍機能の申し込み・設定方法

前段ではメリットや注意点について紹介させていただきました。次に、申し込み方法や設定方法について解説していきます。

申し込み方法について

運用型ポイント変倍機能の申し込みはRMSから無料で行えます。まだ申し込みを行っていない出店店舗様は、下記の手順、もしくは下記URLより申し込みが可能です。申し込みページから規約をご確認の上、申し込みを行えます。申し込みが完了すると、商品管理ページに運用型ポイント変倍の設定項目が反映されます。

・手順
店舗様向け情報・サービス>2.オプション機能利用申し込み・解約>運用型ポイント変倍 申し込み・解約

・URL
https://entry.rms.rakuten.co.jp/rms/mall/entry/PO01_001_001
※RMSへのログインが必要です。

設定方法について

次に運用型ポイント変倍の設定方法について説明します。まず、RMSに入り、下記の手順で商品一覧ページを開きます。

・手順
店舗設定>1 商品管理>商品一覧・登録

新規の商品であれば登録から、すでに登録している商品であれば編集から、商品のポイント変倍情報を設定します。このとき、運用型ポイント変倍の申請が完了していると専用のチェックボックスが表示されています。このチェックボックスにチェックを入れ、合わせてポイント倍率を設定します。運用型ポイント変倍の場合、設定したポイント倍率が「上限変倍率」となり、設定した倍率以下でポイント変倍されます。また、設定可能範囲は5倍から20倍までなので、運用型ポイント変倍を低すぎる倍率設定やスーパーDEALで利用することはできません。

CSVを活用した一括編集を行う場合は、上記のルールに倣って、運用型ポイント変倍のカラムに1のフラグを立てることで設定いただけます。

効果測定はできるのか

R-Karteからレポートをダウンロードすることが可能です。運用型ポイント変倍の設定がされた商品が売れた金額や件数、ポイント倍率を日ごとに確認できます。ダウンロード先は下記の手順でご覧いただけます。

・手順
RMSトップ>データ分析>データダウンロード

最後に:新しい機能はまず使ってみることが大切

商品を多数取り扱っている出店店舗様は主力以外のある程度動きのある商品で挑戦いただくのが良いかと思います。1軍商品は売上への影響が大きく、普段動きがない商品では効果が見えないからです。活用する際は、昨年や前月のアクセス数や転換率を参考に効果測定を行うことを忘れずにしていただきたいです。

運用型ポイント変倍によって、RPP広告に充当される広告費はそこまで多くはないものの、売上を維持しながら一人でも多くのお客に商品を見せられる機会が得られます。まずは、設定した上で、効果を見てはいかがでしょうか。

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