
この記事の目次
楽天市場で購入できる広告とは
楽天市場ではモール内の至るところが、商品を露出するための広告枠となっています。
- 掲載場所を買い切るタイプの純広告
- 楽天市場から配信されるメールマガジンに掲載できるニュース型広告
- クリックや商品購入によって支払いが発生する成果報酬型広告
- GoogleやFacebook、楽天カードやInfoseekなど楽天市場外に表示する外部広告
- 雑誌広告やインフルンサー広告、GirlsAwardのようなイベント協賛
など、購入できる広告メニューは100を超えており、楽天市場のプロであるECコンサルタント(ECC)ですら全てのメニューを把握している人は少ないと言われています。
広告の購入方法
基本的には空き枠とスケジュールが合えば、担当のECCに相談することでお好みの広告を購入できます。成果報酬型の広告と一部純広告はRMSのプロモーションメニューから購入を行えますので、ECCに相談の上、指示に従うと良いでしょう。
担当のECCに広告購入を依頼すると、ECCは専用画面から広告を購入します。すると店舗のプロモーションメニュー上に購入された広告が表示されるので、同意ボタンを押すことで広告購入が完了します。
購入する意思がないにも関わらず同意ボタンを押してしまうと、広告の種類や掲載までの残り期間によってキャンセルができない場合、もしくはキャンセル料が発生してしまうことがあるので注意が必要です。
また、広告がプロモーションメニュー上に上がってから、広告入稿までの締め切りが近く、何も対応しないまま広告の掲載ができなくなってしまうことがありますのでご注意ください。短い場合、2~3時間で入稿しないといけない事例もありますので、ECCとの連携が重要になります。
気をつけたい10カ条
広告を購入する際に気をつけたい項目をまとめました。
楽天市場のECCは目標として担当する店舗の売上金額と広告販売額を追っているため、広告を購入する事業者の方がどのような軸で判断すればよいか、参考にお使いいただければと思います。
① 販促する商品のCPAとLTVは計算するべし
広告を投下する際に認識として抑えておかないといけないポイントが2点あります。目標CPAとLTVです。CPAは1件あたりの購入単価のことを指し、LTVは顧客生涯価値(1顧客あたりの売上額)を指します。
成果報酬型の広告や純広告に限らず、費用を掛けて販促活動を行うため、1件あたりいくらで顧客獲得ができれば利益を確保できるのか、という指標を立てる必要があります。
CPAとLTVに関する基本的な考え方は別の記事で詳細をご確認ください。
②広告を使う目的を明確にするべし
楽天市場で広告を利用する際は目的を明確にする必要があります。
例えば、
- 広告掲載で純粋に売上を作るのか
- 販売実績を付けて検索順位を高めるのか
- レビューを増やすのか
- ランキング実績を作るのか
と言った目的が挙げられるでしょう。
ただなんとなく広告を出してみようと思うと、数万円が一瞬のうちに溶けてしまいます。
目的を明確にするとどのような施策を打てば良いのか考えられるので、勢いで広告を購入してはいけません。
③目的に合わせたオファーを付けるべし
明確になった目的に合わせて、どのような施策を打てばよいか考えます。
例えば、ランキング上位を取りにいく場合、広告出稿と共に予約販売で注文をためる方法を取ります。レビューを増やしたい場合、掲載商品の価格を下げるのではなく、購入後にレビューを記載してくれたユーザーにお得な条件を提示する方法があります。このように、目的と手段が一致する打ち手を取ることが必要です。闇雲に価格を下げることやポイント還元をすることだけが販促手段ではありません。
④まずは検索連動型広告から挑戦するべし
楽天市場には検索画面の上部に表示できる検索連動型広告(RPP)があります。
純広告のように決まった枠に商品を掲載する場合、衝動買いを促すことが多いですが、検索連動型広告は目的をもって商品を探しているユーザーに表示させます。
値下げやポイント還元など特別なオファーを行わずしても購入してもらうためには、目的をもって商品を探しているユーザーに購入してもらうかが鍵になるのです
競争が激しいカテゴリやLTVが高い商材ではキーワード単価が高騰していることがあるので、掲載の際はECCとよく相談しましょう。
⑤広告を出したからと言って売れるわけではない
見出しの通り、広告は出したら売れると思うことは危険です。
ユーザーは広告を見てクリックしてから購入まで、多くのチェックポイントを経ています。
まず、類似した商品での販売実績がないか調べてみることが大事です。
過去の実績についてはECCに相談をしつつ、自社でどのような形で広告出稿するか考えてみると良いでしょう。
大まかに分けて、
- 興味を持たれる広告画像と見出し文
- 商品の魅力を伝えられる商品ページ
- 購入したくなる商品価格や特典
お店側でコントロールできる点として、この3点が大切です。
競合企業がどのように掲載しているか、調査の上、制作を行うと良いでしょう。
⑥特集系の広告は挑戦する価値あり
特集の種類にもよりますが、母の日や初売りなど、Google上のSEOが強い特集は特におすすめです。広告単価が高いことや人気があるため広告枠の確保が難しいため、気になる場合は3ヶ月以上前から担当のECCへ相談すると良いと思います。
その特集のピーク時には検索ボリュームが高まるため、広告に出す前に検索流入や既存ユーザーへメルマガで販促をしてギフト設定の評判を確かめて見るもの良いのではないでしょうか。
楽天市場内で行われるシーズナル特集についてはこちらの記事にまとめていますので確認ください。
⑦イベント広告は見分け枠が効果的
見分け枠とは、スーパーSALEやお買い物マラソンで販売されるECC経由からでしか申し込みを行えない広告枠のことです。ただし、商品力や最低レビュー数・評点、最低月商など、購入にはイベント担当者による審査が入るため立ち上げ間もない店舗での利用は難しい可能性が高いです。
見分け枠では値下げやクーポンの利用を伴う広告枠が多いため、価格を調整することができない店舗での利用はできませんが、そうでなければ申請の条件を担当のECCに確認してみてはいかがでしょうか。
⑧楽天グループの外部に配信する広告は使うべからず
楽天市場内には楽天市場の会員に対し、FacebookやGoogleに広告掲載を行えるメニューが存在します。こちらについては必ず避けるべきという話ではないため、参考程度にご覧いただければと思います。
また、会員データを活用した効果的な配信とのことですが、楽天市場を介さずに配信を行うよりもCPCが高いため、自社で配信・運用ノウハウを持っていればCPAを抑えた運用ができる場合があります。
また、楽天市場内への配信であれば、楽天市場によって集客や会員登録されたユーザーに直接配信できる一方で、楽天市場外への配信であれば購買意欲に差があると言えるでしょう。
⑨自社で出稿した広告は検証まで行うべし
結果を踏まえた効果の検証を必ず行いましょう。
- クリック数や転換率が想定値以上になったのかどうか
- 獲得できた新規のユーザーはその後繰り返し購入してくれているのか
- 購入したユーザーのレビュー投稿や評点はどうなっているか
- 同じ広告に出していた他の商品の動向はどうなっているのか
当初立てた目標に対しての結果と次回どうしていくのかは定期的に社内でPDCAサイクルを回してください。
効果が出ていた広告枠でも価格が変わる場合や効果が弱まることもあるので、月に1回、もしくは利用する広告の数が多ければ週に1回は状況を適宜把握することが重要です。
⑩最後は自分の直感を信じるべし
無数にある広告枠の中でECCは様々な商品を提案してくるでしょう。
受けた提案で売上を作れるのかどうか心配になることはお金を使う以上、避けられません。一度の掲載で思うような結果が得られない場合は十分あるので、絶えずPDCAを回しながら改善をしていくことが重要です。
上手くいかない場合、ECCを責めるのではなく共に次の打ち手を作るコミュニケーションが取れるのが理想的でしょう。(音信不通になるECCは言語道断です。)
さいごに:販促手段は広告だけではない
今回は広告についてフォーカスしましたが、楽天市場内のSEOやSNS、アフィリエイトなど、一般的に行われている販促手法を含めて実行できる施策は多岐に渡ります。
楽天市場のみで認知を獲得し、売上を伸ばしていくのは難しい時代になっています。自社での運用が行き詰まっている場合や何をしたら良いかわからない場合、コマースピックでお手伝いできることがあるかもしれませんので、お気軽にご連絡ください。
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