「楽天市場のYouTube ショッピング」と「ビームスのオウンドリセール」EC関連ニュースまとめ【2026年2月】

日々の業務でニュースをキャッチアップする時間がなかなか取れない方もいらっしゃると思います。そこで、2026年2月のEC・ネット通販関連ニュースをまとめました。今回取り上げるテーマは、「楽天市場のYouTube ショッピング」と「ビームスの公式オウンドリセール」です。

本記事とは別に、運営堂の森野さんとニュースの詳細解説をポッドキャストにて配信しております。お時間がある方はこちらもあわせてチェックしていただければと思います。

楽天市場、YouTube動画からの商品導線を提供

楽天グループ社が運営する「楽天市場」は、Google社との提携により、動画配信プラットフォーム「YouTube」上で商品情報を表示し、楽天市場の商品ページへ遷移できる導線を提供する機能を開始しました。両社は「YouTubeショッピング アフィリエイト プログラム」のパートナーシップを国内で初めて締結しています。

動画視聴中に商品表示が可能に

この取り組みにより、YouTube視聴者はクリエイターが投稿した動画内に表示される商品情報を確認でき、表示された商品欄から楽天市場の商品ページへ遷移できます。動画の視聴中に「商品を表示」ボタンを押すと、同一画面上に商品名や価格などが表示される仕様で、長尺動画・ショート動画・ライブ配信などに対応します。

楽天市場の出店店舗にとっては、YouTubeクリエイターによる動画紹介を通じて商品訴求の機会が増えることで、認知拡大や新規顧客接点の創出につながるとみられます。

これまでの施策との位置づけ

楽天グループ社はこれまで、成果報酬型の紹介制度「楽天アフィリエイト」や、ユーザーが商品を紹介できるSNS機能「ROOM」などを通じて、インフルエンサーやコンテンツ発信者との連携を進めてきました。今回の提携は、動画・音声・VRなどを活用する「Vコマース」領域における施策の一環として位置づけられています。

動画コマースを巡る各社の動き

動画を起点とした購買体験は各プラットフォームで強化されている領域です。TikTok Shopでは、動画やライブ配信内で商品情報を表示し、アプリ内で購入まで完結できる仕組みが提供されています。

また、Shopifyでは、YouTubeやTikTokなど外部プラットフォームと連携し、商品表示や販売導線を構築できる機能が提供されています。一方、Amazonではライブ配信による商品紹介機能が提供されています。短尺動画フィード機能「Inspire」は2025年に終了しており、現時点で外部動画プラットフォームとの直接的なショッピング連携は確認されていません。

動画と購買を結びつける機能は、主要プラットフォーム間で整備が進んでいます。

森野さん
楽天ってこれまであまり外部と積極的に連携する印象がなかったので、今回のYouTubeとの取り組みは正直驚きました。両者にとって意味のある座組になりそうだなとは感じましたね。
舟本
楽天アフィリエイトという既存の仕組みがあるので、Google側へのキックバック設計も含めて、構造的には比較的シンプルに組めたのではないかと思います。座組としては無理がある形ではなく、仕組みとしては成立しやすそうですよね。
森野さん
一方で、YouTubeの動画がこうした導線ばかりになるのは少し気になります。楽天側で成果が出れば他のプラットフォームにも広がる可能性はありますが、そのあたりのバランスは今後どうなるのか注目したいところです。
竹内
プラットフォーム同士は競合関係にもなり得ますし、過去にもShopifyとAmazonのように提携が変化した例があります。この取り組みがどこまで継続するのか、長期的に続く座組になるのかは個人的にも気になるポイントですね。

ビームス、公式リセールサービス「BEAMS digroo」開始

リセール市場は、近年、新たな段階に入りつつあります。これまで中古流通の中心はリユース事業者やフリマアプリでしたが、ブランド自身が公式にリセールを手がける動きが海外を中心に広がり、日本でも同様の事例が見られるようになってきました。

自社商品を回収し、品質管理を行ったうえで再販する“ブランド主導型リセール”の取り組みです。2026年2月18日に開始したビームス社の公式リセールサービス「BEAMS digroo(ビームス ディグロー)」も、その流れの一例といえます。

スタッフ保有品約1,000点から販売開始

開始時点では、ビームススタッフ約250名の私物を中心に、約1,000点の商品を販売ラインナップとして公開しています。対象は自社商品およびセレクト商品を含む衣料品です。

同サービスは、ビームス社が展開する商品を買い取り、メンテナンスを施したうえで次の購入者へ販売する公式リセールモデルです。一般顧客からの買取は今後開始予定とされています。

年代検索・コラム機能を実装

サイトには年代別検索機能やスタッフによるコラムコンテンツが搭載されています。コラムでは商品の仕様説明に加え、発売当時の背景やディテール解説、スタイリング提案などが掲載され、商品情報とコンテンツを組み合わせた構成です。

外部支援を活用したサービス基盤

公式リセールサービス「BEAMS digroo」の構築には複数企業が関わっています。

  • サイト構築およびUI/UX設計:アパレルウェブ社
  • EC基盤:Shopify
  • リユース運用システム:Retailor(Free Standard社提供)

Retailorは査定・検品スキームや商品管理機能を備え、ブランド基準に沿った品質管理を行う仕組みとして採用されています。初期のスタッフ収集フェーズから、今後予定されている顧客回収フェーズへの拡張にも対応する設計です。

森野さん
フリマアプリなどで売買するより、公式サービスとして提供されるのは安心感がありますよね。多少価格が高くなったとしても、信頼できる環境で買えるなら公式を選びたいと感じる人は一定数いそうです。
舟本
ビームスはセレクト商品やオリジナル商品も扱っていますし、価格帯が上がるほど偽物の懸念も出てきます。そうした中で公式が品質を担保してくれる仕組みがあるのは、利用者にとって大きいポイントだと思います。
森野さん
ビームスはもともとスタッフ発信のコンテンツが強いブランドじゃないですか。そうした人たちが古着や過去の商品を紹介してくれるようになると、新しい発見につながる可能性もありそうですよね。
竹内
知らない相手とのやり取りに抵抗がある人もいると思うので、公式が間に入る形で安心して購入できる仕組みには需要がありそうだなと感じます。

2月のおすすめ記事

お時間がありましたら、下記の記事もご覧いただければです。事業者さんや支援事業者さんによる、事例を踏まえた内容となっていますので、日々の業務に何かしらお役に立つかと思います。ポッドキャストでは、配信者のお気に入りの記事について、コメントや取材の裏話をお伝えしています。ここではその一部を紹介しますが、気になる方はぜひお聞きください。

森野さんのお気に入り記事
森野さん
会員登録やカゴ落ち後のリカバリー施策に力を入れる事業者は増えています。ただ、その前に購入体験そのものが気持ちよく設計されているかを見直すことが先ではないでしょうか。対策を重ねる前に、まず体験自体を整える重要性を改めて示している内容でした。
竹内のお気に入り記事
竹内
レガシー産業のDXは、現場理解とエンジニア視点の両方が揃わないと進みにくい領域だと思います。その両視点を踏まえて判断できている点が、アンドプランツの強さだと感じました。DXを進めるうえでの視点の持ち方を考えるヒントになる記事ではないでしょうか。
舟本のお気に入り記事
舟本
Xは、フォロワー数が増えれば自然に伸びるという単純な仕組みではなく、表示のされ方はアルゴリズム構造に大きく左右されるんだなとわかります。事業者アカウントは仕組みを踏まえて設計しないと狙って届けるのが難しい。その前提を押さえる意味でも、一度目を通しておきたい内容です。

本放送はSpotify以外にApple PodcastsやYouTubeでお聴きいただけます。今後、ニュースまとめ以外のコンテンツも発信していく予定ですので、ぜひフォローをお願いいたします。

コマースピックLINE公式アカウント

コマースピックメルマガ