
ネットショッピング利用者を惑わす偽ECサイト。最近では、多くの人の目に触れやすいSNSなどを悪用した巧妙な手口も増えてきており、これまで以上に注意が必要です。
今回の記事では、偽ECサイトの特徴や手口、運営者側への被害、対策方法などについて解説していきますので、ぜひ偽ECサイト対策の参考にしていただければと思います。
大竹 剛
イー・ガーディアン株式会社
営業部 アシスタントマネージャ
フリーペーパーやイベント等の広告新規営業としてキャリアスタート後、不動産業界を経て2019年にイー・ガーディアン株式会社へ入社。ECやFintechをはじめとしたインターネットサービス事業者に向けて、本人確認から監視、カスタマーサポートまで広くサービスを提供し事業運営を支援。新規〜既存までの営業活動とマネジメント、自社サービスのPR、社外向けセミナーを担っている。
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この記事の目次
巧妙化する偽ECサイト
偽ECサイトとは、実在する正規のECサイトを模倣して作られた詐欺サイトを指します。これらのサイトは、利用者を騙して金銭や個人情報を不正に取得することを目的としています。デザイン、レイアウト、ドメイン名に至るまで、本物のサイトに非常に似ていることが多く、その巧妙さに利用者が騙され被害が多発しています。
偽ECサイトの特徴
主な特徴としては以下のようなものがあり、これらにあてはまるサイトは模倣されたサイトである可能性が高いため注意が必要です。
- 日本語が不自然
- 割引が過大
- 購入を急がせる(タイムセールなど)
- 支払い方法が限定的(銀行振込のみなど)
ユーザーを陥れる誘導経路
とはいえ、近年は偽サイトの存在やフィッシング詐欺の認知が広がってきており、明らかに怪しい方法ではユーザーを騙されないため、以下のようなさまざまなルートを使ってユーザーを陥れようとします。
- メール
- ショートメッセージ
- SNSのダイレクトメッセージ(キャンペーン当選など)
- SNS広告
- 検索連動型広告
最近はメールやショートメッセージだけではなくSNSやWeb広告を悪用したケースも発生しています。自分が興味を持っているものや、検索して表示されたものだと信じてしまいやすいのかもしれません。
被害を受けるのはユーザーだけではない!
偽ECサイトによって被害を受けるのはユーザーだけではありません。ここからは偽ECサイトによる被害が発生することで、運営者側にどのような影響を及ぼすのかを解説していきます。
ブランドイメージの低下
偽ECサイトの存在はブランドイメージに重大なダメージを与える可能性があります。ユーザーは偽サイトでの不正取引を正規のブランドと結びつけ、ブランド全体に対する信頼を失うことになります。一度失われた信頼を取り戻すのは困難です。特に詐欺被害に遭った当事者は、ブランドに対して強い不信感を抱き二度と利用しない可能性もあります。また、被害を受けたユーザーがSNSなどでネガティブな口コミを発信すれば、それが拡散され新規ユーザーの獲得も難しくなってしまいます。
経済的損失
偽サイトへの誘導により、本来正規サイトで得られるはずの売上が失われるだけでなく、ブランドイメージの低下によって利用者が減り、継続的な売上減少が起こります。さらに、返金対応やギフトの提供、信頼回復を目的としたマーケティングキャンペーンなど、被害を受けたユーザーに対する補償やブランドイメージの再建にも多額の費用がかかるでしょう。
法的措置の負担
偽ECサイトに対する法的措置としては商標権侵害や著作権侵害などでの訴訟が考えられますが、これらの訴訟は時間もコストもかかるため企業にとって大きな負担となります。また、偽サイトが海外に設置されている場合は国際的な法執行機関との連携も必要となり、より複雑な法的手続きが必要になります。
具体的な対策方法
上記のような被害を防ぐためには、「入口を塞ぐこと」「ユーザーの危機意識を高めること」が非常に大切です。最後に、ECサイト運営者が行うべき具体的な対策方法についてお伝えしていきます。
定期的なパトロール
偽コンテンツ(Webサイト・アカウント・広告など)は一つだけとは限りません。全ての偽コンテンツを洗い出すことに加えて、定期的にネットパトロールを行い、偽サイト・なりすましアカウント・偽広告などが生成され出回っていないかチェックすることをおすすめします。これにより、万が一偽サイトなどがつくられていても、即時発見することで被害の未然防止につながります。
注意喚起
どのような偽コンテンツが出回っているのか、正規サイトとどのような違いがあるのかなど、パトロールをして得た情報を元にユーザーに対して注意喚起を行いましょう。これにより、ユーザーは注意して利用するようになるため、もし新たな偽サイトが作られたとしても被害にあう可能性を抑えることができます。
偽サイトへの誘導コンテンツの迅速な削除対応
偽サイトによる被害を未然に防ぐためには、入口となる偽の誘導コンテンツを、ユーザーの目に触れる前に迅速に削除することが重要となります。もしご自身で偽のSNS投稿や広告の存在を発見したら、速やかにプラットフォーム上での削除依頼を推奨します。削除までには時間がかかる場合もあるため、併せて該当の偽投稿やアカウントの存在の注意喚起も実施しましょう。
今年5月に可決・公布された「情報流通プラットフォーム対処法※1」の施行により、この削除までの時間の長さは以前よりも迅速化されることが期待されています。時間がかかるからとあきらめず、偽のSNS広告やなりすましアカウントなどを発見した際には速やかにプラットフォーム事業者に削除申請を行うことで、不特定多数のユーザーへの拡散・流通を防ぎましょう。
インターネット上における誹謗中傷や権利侵害などが深刻な社会問題となっている状況に対し、プロバイダ責任制限法※2の改正法として可決・公布されたのが「情報流通プラットフォーム対処法※1」です。
この法律では、SNS事業者などの大規模プラットフォーム事業者に向けて、削除申出への対応の迅速化や運用状況の透明化が義務付けられています。これにより、悪質な投稿や偽広告を速やかに削除可能となり、不特定多数への拡散・流通を防ぐことが期待されています。
※1 情報流通プラットフォーム対処法
正式名称:特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律
※2 プロバイダ責任制限法
正式名称:特定電気通信役務提供社の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律
おわりに
偽ECサイトによる被害は、騙されたユーザーだけでなく、なりすまされたECサイト事業者側にも大きな傷跡を残します。被害を防ぐ・最小限に抑えるためには、偽サイトなどの存在をいち早く検知し、迅速かつ適切な対応を行う必要があります。
イー・ガーディアンでは、偽サイトやなりすましアカウントの調査に加え、SNS上に配信されている偽広告の検知、定期的なパトロール対応などを行っておりますので、速やかな入口対策をご検討の際はぜひお気軽にご相談ください。
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